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リアルタイムなデータ処理を実現する OLTP とは? OLAP や DWH との違いまで徹底解説!
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OLTP という言葉をご存知でしょうか?日本語では「オンライントランザクション処理」と呼ばれているデータ処理方法の一つであり、様々なデータをリアルタイムに処理するために用いられる技術です。あまり聞き慣れないキーワードかもしれませんが、実は OLTP は私たちの日常生活の中でも多く活用されています。
そこで本記事では「 OLTP とは何か?」という基礎的な内容から、 OLTP と混同されやすい OLAP や DWH について、それぞれの違いを交えながらわかりやすくご紹介します。
目次
OLTP とは?
OLTP は Online Transaction Processing の略であり、日本語では「オンライントランザクション処理」と呼ばれているデータ処理方法の一つです。なお、 OLTP の読み方は「オーエルティーピー」です。
オンラインという言葉が使われていますが、これはリアルタイムで処理することを意味しており、トランザクション処理とは、複数の処理を一つの単位にまとめて管理する処理方式を意味しています。
つまり OLTP とは、データをトランザクション処理する際、極力タイムラグが発生しない形でリアルタイムに処理する手法である、ということです。
OLTP においては、発生した処理要求を端末やクライアントが即座にホストコンピューターやサーバーに送信します。その後、中央システムが受け取った処理を瞬時にスタートし、トランザクション処理を実行することで結果をリアルタイムに返します。
トランザクション処理を前提としている OLTP では、大量の処理要求に対応するための高い信頼性や可用性、拡張性などが求められますが、データをリアルタイムに処理できることのメリットは大きく、実際に様々なシーンで OLTP が活用されています。
OLAP とは?
OLTP と似た言葉に OLAP があります。 OLAP は Online Analytical Processing の略であり、日本語では「オンライン分析処理」と呼ばれています。なお、 OLAP の読み方は「オーラップ」です。
OLTP と同様にオンラインという言葉が使われていることから OLAP もリアルタイムにデータを処理するための手法であることがわかります。 OLAP はデータウェアハウス(DWH)に保管されているデータを活用し、多角的にデータをリアルタイム分析する目的で使われています。
一般的な OLAP ツールはデータアナリストやデータサイエンティストなどの専門家だけではなく、データベースの深い知識を持っていない方でも利用可能です。 OLAP は SQL などのデータベース言語を必要とせず、グラフや表によりデータをわかりやすく可視化できるため、誰でも簡単に使えるツールとなっています。
このような特性から OLAP は BI ツールの一種であると考えられており、 BI ツールの中でデータ分析の役割を担うのが OLAP だと言えます。なお、 BI ツールとは「 Business Intelligence ツール」の略であり、膨大なデータを管理・集約し、必要に応じて分析まで行うことができるサービスのことです。
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BI ツールに関心のある方は以下の記事がオススメです。
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DWH とは?
DWH は Data Ware House の略であり、日本語では「データの倉庫」と表現されています。端的に DWH を説明するのであれば、データを利活用するために膨大なデータを保存しておくためのシステムだと言えるでしょう。
DWH はデータ分析を目的としているため、アプリケーションで利用しなくなったアクセスログなどの膨大な情報についても格納されます。また、分析を行うため、一度格納されたデータは滅多に消されることはなく、 DWH に格納されるデータは、極力何らかの形で整理、整形されている必要があります。
DWH の最大のメリットはデータ収集を効率化できることです。企業が保有する様々なデータを集積し、整理された状態で保管することができます。様々なデータが1箇所に蓄積されているため、 DWH から即座に情報を取得することが可能になります。
さらに DWH は、時系列順でデータを保管することができます。過去のデータが消えたり上書きされることはなく、時系列ですべてのデータを管理できるため、より正確なデータ分析が可能になります。
このように DWH には様々なメリットがあり、企業データの保管・分析を効率化し、企業のスムーズな意思決定を実現します。
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OLTP と OLAP ・ DWH の違い
OLTP と OLAP の違い
OLTP と OLAP は似ていますが、「使用するデータベース」と「データの処理目的」において違いが存在します。
OLTP では「 DWH 以外のデータベース」が使われるのに対して、 OLAP では DWH が使われます。 OLTP は小規模なデータを高速に処理することが得意であり、 OLAP は膨大な量のデータを分析します。
そのため、 OLTP では大量のデータを保管できる DWH は使われず、それ以外のデータベースを使用するのが一般的です。それに対して、 OLAP は大量のデータを処理するため DWH との相性が良いと言えます。
また、 OLTP と OLAP はどちらもリアルタイムにデータ処理を行うためのものですが、実際にはデータ処理の目的に差があります。
OLTP は基幹システムなどのリアルタイム処理で使われることが多く、ユーザーに対して瞬時にレスポンスを返すことが主な目的です。一方、 OLAP はデータ分析が目的であるため、自社データの見える化や可視化などを行う際に効果を発揮します。
このように、 OLTP と OLAP は混同されやすい言葉ですが、両者は明確に異なるものです。これらの違いを正しく理解しておきましょう。
OLTP と DWH の違い
OLTP と DWH には根本的な違いがあり、 OLTP はデータ処理の手法を意味する言葉であるのに対して、 DWH はデータ処理に使用するデータそのものを保管しておく場所を意味します。
また、一般的なデータベースは大きく分けると「 OLTP 系」と「 DWH 系」の 2 つに分類されます。 OLTP 系のデータベースは小規模なデータを短時間かつ同時に処理することができます。一方、 DWH は大規模かつ多様なデータを膨大なスケールで処理・保管し続けることができます。
このように、 OLTP と DWH には様々な違いがあります。どちらが 100 % 正解ということはなく、自社の状況や実現したいことによって適切なデータベースは変わるため、それぞれの特徴を正しく把握することが重要なポイントです。
データベースに関心のある方は以下の記事が参考になります。
RDB(リレーショナルデータベース)とは?NoSQLデータベースとの違いを徹底解説
OLTP の活用シーン
銀行 ATM
銀行 ATM は OLTP を採用している代表的な事例です。例えば、 X 銀行から Y 銀行に振込を行う際、システム内では「 X 銀行からの出金」と「 Y 銀行への入金」という 2 つの処理が発生します。
そして、 OLTP を活用することで出金と入金をまとめて 1 つの処理として管理できます。どちらか一方の処理が失敗した場合はもう一方の操作を取り消しする形で設計されているため、出金処理と入金処理がともに成功することで、初めて振込というタスクが完了します。
チケット予約
昨今、映画やコンサートなどのチケット予約はオンライン化されており、デバイスとインターネット環境があれば、いつでもどこでもチケットを購入できます。そして、このチケット予約でも OLTP の技術が使われています。
オンライン上でのチケット予約を円滑化するためには、消費者がチケットを購入した際、購入された席のステータスを瞬時に変更する必要があります。そこで「チケットの購入」と「販売状況のステータス変更」を連携させて OLTP で同時に処理しています。
ネットショッピング
チケット予約と同様、 EC サイトをはじめとしたネットショッピングでも OLTP が活用されています。代表的な例としては、商品の在庫状況が挙げられます。
在庫状況を正確に把握するためには、消費者が商品を購入した瞬間にリアルタイムでその情報を在庫数に反映させる必要があります。このリアルタイム処理を OLTP で実行することで、消費者は EC サイト上で常に正しい在庫状況を知ることができます。
OLTP にオススメのデータベースをご紹介!
OLTP を使用する場合、 DWH 以外のデータベースを使うべきだと前述しました。
しかし、それでは範囲が広すぎて、どのデータベースを使えば良いのか迷ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?
市場には様々なデータベースが存在しますが、せっかく導入するのであれば Google が提供する Cloud Spanner がオススメです。以下、 Cloud Spanner の概要とオススメな理由をご紹介します。
Cloud Spanner とは?
Cloud Spanner は Google が提供しているリレーショナルデータベース(以下 RDB と記載)です。 RDB とはデータベースの一種であり、日本語では「関係データベース」と呼ばれることもあります。
RDB はデータを複数の表として管理し、それぞれの関係を定義することで複雑なデータ処理を可能にします。RDB は規模を問わずに利用されており、個人用途から大企業の社内システムまで、幅広いシーンで活躍しています。
Cloud Spanner は ACID に準拠した RDB データベースであり、様々な処理を自動で行うことができます。そのため、シーンに応じた最適な処理を実現することが可能になります。
また、Cloud Spanner は、Google の専用ネットワーク上に構築されており、高い可用性を誇るサービスです。最大で 99.999% の可用性を提供するため、ビジネスシーンでも安心して利用することができます。
さらに シンプルな操作で直感的に操作できる点も Cloud Spanner のメリットです。本来は、データベースの運用に伴う複雑かつ煩雑な作業が多く発生しますが、Cloud Spanner を利用することで、データベースの作成やスケールが数クリックで完了するため、社員の運用負荷軽減を実現できます。
Cloud Spanner が OLTP にオススメな理由
OLTP で利用するデータベースは、大量の処理要求に対応するための高い信頼性や可用性、拡張性などが求められます。
この観点では、 Cloud Spanner はマルチリージョンインスタンスで業界トップクラスの 99.999 % の可用性を実現しています。また、 Cloud Spanner は Google の専用ネットワーク上に構築されており、何十億ものユーザーに使用されている Google サービスと同じインフラを採用しています。
そのため、メンテナンスやスキーマ変更の際でもダウンタイムなしで稼働を継続でき、低レイテンシで安全、かつ高い信頼性を提供する可用性の高いサービスとなっています。さらに、 Cloud Spanner はレプリカ、シャーディング、トランザクション処理などを自動的に実行し、あらゆる使用パターンに応じて柔軟なスケーリング(使用量を自由に調節すること)ができます。
フルマネージドサービスとして提供されているため運用負荷を大幅に削減できたり、ダウンタイムなしでトラフィックを処理しながらスキーマ変更(列の追加やインデックスの追加など)を行うことができたりなど、 Cloud Spanner には様々なメリットが存在します。
これらの特徴により、 Cloud Spanner を活用することで、効率的かつ手間をかけずに OLTP を自社で活用することが可能になります。
Cloud Spanner に関心のある方は以下の記事が参考になります。
Google のリレーショナルデータベース Cloud Spanner とは?概要、特徴、メリット、活用事例まで一挙に紹介!
まとめ
本記事では「 OLTP とは何か?」という基礎的な内容から、 OLTP と混同されやすい OLAP や DWH について、それぞれの違いを交えながらわかりやすくご紹介しました。
OLTP はデータ処理において重要な存在であり、小規模なデータをリアルタイムに処理することができます。また、複数の処理を一つにまとめて管理・処理できるため、ユーザーに対して瞬時にレスポンスを返すことが可能です。
実際、 OLTP は様々なシーンで活用されており、銀行 ATM やチケット予約など、日常生活においても身近な存在だと言えます。なお、 OLTP と似ている言葉に OLAP や DWH がありますが、これらは明確に異なる意味を持っているため、この記事を読み返してそれぞれの違いを理解しておきましょう。
OLTP は DWH 以外のデータベースと相性が良いですが、市場に存在するデータベースは多岐にわたります。もし OLTP の利用を検討している場合は、ぜひ Google が提供する Cloud Spanner をご検討ください。
Cloud Spanner はフルマネージドで提供されている高品質なデータベースサービスであり、高い可用性、柔軟なスケーリング、扱いやすいユーザーインターフェースなど、様々なメリットを持っています。さらに Cloud Spanner は大規模なトランザクション処理を実現しており、 OLTP のデータベースとして効率的に活用できます。
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