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Google のリレーショナルデータベース Cloud Spanner とは?概要、特徴、メリット、活用事例まで一挙に紹介!
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Cloud Spanner をご存知でしょうか? Google が提供するフルマネージドなリレーショナルデータベースであり、全世界で多くの企業が利用しているサービスです。
近年、企業が保有するデータ量は増加傾向にあり、データの種類も多様化しています。そのため、データベースの重要性は年々高まっており、データ活用を効率化する上で Cloud Spanner は強い武器になります。
本記事では、 Cloud Spanner の概要、特徴、メリット、活用事例まで一挙にご紹介します。データ活用を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
目次
Cloud Spanner の概要
Cloud Spanner は Google が提供しているリレーショナルデータベース(以下 RDB と記載)です。 RDB とはデータベースの一種であり、日本語では「関係データベース」と呼ばれることもあります。
RDB はデータを複数の表として管理し、それぞれの関係を定義することで複雑なデータ処理を可能にします。RDB は規模を問わずに利用されており、個人用途から大企業の社内システムまで、幅広いシーンで活躍しています。
Cloud Spanner は ACID に準拠した RDB データベースであり、様々な処理を自動で行うことができます。そのため、シーンに応じた最適な処理を実現することが可能になります。
また、Cloud Spanner は、Google の専用ネットワーク上に構築されており、高い可用性を誇るサービスです。最大で 99.999% の可用性を提供するため、ビジネスシーンでも安心して利用することができます。
さらに シンプルな操作で直感的に操作できる点も Cloud Spanner のメリットです。本来は、データベースの運用に伴う複雑かつ煩雑な作業が多く発生しますが、Cloud Spanner を利用することで、データベースの作成やスケールが数クリックで完了するため、社員の運用負荷軽減を実現できます。
Cloud Spanner の特徴
高い可用性
企業でのデータベース利用においては、安定的にビジネスを継続するために高い信頼性が求められます。Cloud Spanner はマルチリージョンインスタンスで業界トップクラスの99.999%の可用性を実現しており、リージョンとマルチリージョンの構成全体で透過的な同期レプリケーションが行えます。
フルマネージドサービスとして提供
Cloud Spanner はフルマネージドサービスとして提供されているため、サーバーの管理運用など自社の工数を大幅に削減できます。結果として、社員が本来注力すべき生産性の高い業務に集中できるため、企業の業績アップに大きく貢献します。
フルマネージドサービスに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
マネージドサービスとフルマネージドサービスの違いとは?メリット・デメリットまで徹底解説!
自動シャーディング
シャーディングとは「水平分割」と呼ばれるデータベースの負荷分散手法の一種であり、一つのデータベースに複数のテーブルを用意し、一つのテーブル内に保存していたレコードを分散することでレコードの量を減らす方法です。
Cloud Spanner は、リクエスト負荷やデータサイズに基づいてデータを自動的にシャーディングしてパフォーマンスを最適化します。その結果、データベースのスケーリング方法について悩む時間が減り、代わりにビジネスの拡大に注力できます。
Cloud Spanner のメリット
柔軟にスケーリングできる
Cloud Spanner はレプリカ、シャーディング、トランザクション処理などを自動的に実行し、あらゆる使用パターンに応じて柔軟にスケーリング(使用量を自由に調節すること)できます。
そのため、 Cloud Spanner を活用することでリソースの最適化を図ることができ、データベース運用における生産性向上に直結します。要求される処理に応じてスケーリングできる点は Cloud Spanner の大きなメリットだと言えるでしょう。
ダウンタイムなしでスキーマ変更ができる
Cloud Spanner を使えば、ダウンタイムなしでトラフィックを処理しながらスキーマ変更(列の追加やインデックスの追加など)を行うことができます。そのため、アプリケーションの可用性を犠牲にすることなく、データベースをビジネスニーズに合わせて柔軟に適応させることが可能です。
低レイテンシかつ安全に利用できる
Cloud Spanner は、Google の専用ネットワーク上に構築されており、何十億ものユーザーに使用されている Google サービスと同じインフラを採用しています。
そのため、メンテナンスやスキーマ変更の際でもダウンタイムなしで稼働を継続でき、低レイテンシで安全、かつ高い信頼性を提供する可用性の高いサービスとなっています。
誰でも簡単に扱うことができる
本来、データベース運用には大きな工数がかかり、内容によっては専門的な知識が必要になるケースもあります。そのような場合、自社に詳しい人間がいなければ、効率的にデータベースを運用することはできません。
Cloud Spanner は直感的なユーザーインターフェースが特徴の一つであり、誰でも簡単に扱うことができます。ほんの数クリックの作業でデータベースを作成し、必要に応じてスケーリングも可能になります。そのため、自社の人的リソースを最適化でき、データベースの維持費削減にも寄与します。
ACID を実装している
ACID とは、トランザクション処理を実行するために必要な特性のことであり、以下4つの英単語の頭文字を取った言葉です。
性質 | 概要 |
---|---|
Atomicity (不可分性) | トランザクションに含まれるタスクが全て実行されるか、あるいは全く実行されないことを保証する性質 |
Consistency (一貫性) | トランザクション開始と終了時にあらかじめ与えられた整合性を満たすことを保証する性質 |
Isolation (独立性) | トランザクション中に行われる操作の過程が他の操作から隠蔽されることを保証する性質 |
Durability (永続性) | トランザクション操作の完了通知をユーザが受けた時点で、その操作は永続的となり結果が失われないことを保証する性質 |
Cloud Spanner は ACID を実装しているサービスであるため、トランザクション処理も問題なく実行することが可能です。
数多くの言語に対応している
様々なプログラミング言語に対応している点も Cloud Spanner のメリットの一つです。具体的には、 C# 、 C++ 、 Go 、 Java 、 Node.js 、 PHP 、 Python 、 Ruby などが挙げられます。
Cloud Spanner では、これらのプログラミング言語についてクライアントライブラリが用意されているため、自社の状況に合わせて最適なプログラミング言語を利用できます。
Cloud Spanner の料金体系
Cloud Spanner の料金は以下4つの要素によって決まります。
- インスタンス内の Cloud Spanner ノードの数
- データベースで使用しているストレージ量
- バックアップで使用しているストレージ量
- 使用したネットワーク帯域幅の量
それぞれについて、詳しくご説明します。
インスタンス内の Cloud Spanner ノードの数
Cloud Spanner はインスタンス内のノードの数を経時的に追跡します。ノード数に時間単位のレートを掛けた金額が課金される形式になっており、プロビジョニングしたノードは最低でも1時間分の料金が発生します。例えば、インスタンス内のノードの数を30分間一時的にスケールアップした場合は1時間分の金額が課金されます。
なお、1時間経過後はノードの金額は比例配分されます。1ノードあたりの料金レートはリージョンごとに異なりますが、東京リージョンと大阪リージョンでは「1.17米国ドル/時間(すべてのレプリケーションを含む)」となっています。
データベースで使用しているストレージ量
Cloud Spanner では、 Cloud Spanner のテーブル、セカンダリインデックス、メタデータなどのデータベースでの1か月間の平均データ量に月単位のレートを掛けた料金が課金されます。
ノード同様にストレージ料金もリージョンごとに異なりますが、東京リージョンと大阪リージョンでは「0.39米国ドル/GB/月」となっています。
バックアップで使用しているストレージ量
Cloud Spanner では、 Cloud Spanner のバックアップでの1か月間の平均データ量に月単位のレートを掛けた料金が課金されます。
バックアップストレージにおいては、バックアップの作成が完了してから削除するまでの料金が発生し、作成が完了したバックアップには、削除までの時間に関わらず最低24時間分の料金が発生します。
バックアップストレージの料金レートは全リージョンで共通しており、リージョン構成の場合は「0.10米国ドル/GB/月)」、マルチリージョン構成の場合は「0.30米国ドル/GB/月)」となっています。
使用したネットワーク帯域幅の量
アプリケーションによる Cloud Spanner データベースの読み取りなど、いくつかの種類のネットワーク下り(外向き)トラフィックは課金の対象になります。一方、 Cloud Spanner でのレプリケーションやネットワーク上り(内向き)トラフィックは帯域幅課金の対象にはなりません。
これらの課金には、使用中のインスタンスに対して Cloud Spanner が実行するすべてのレプリカが含まれており、課金はレプリカごとではなくインスタンスごとに行われます。
ネットワーク下り(外向き)トラフィックの料金レートはリージョンごとに異なり、東京リージョンと大阪リージョンの料金は以下の通りです。(両者とも同一料金)
送信先/月間使用量 | 0〜1TB | 1〜10TB | 10TB〜 |
---|---|---|---|
世界各地(アジア、オーストラリアを除く) | 0.14米国ドル/GB | 0.14米国ドル/GB | 0.12米国ドル/GB |
アジア(中国を除く、香港は含む) | 0.14米国ドル/GB | 0.14米国ドル/GB | 0.12米国ドル/GB |
中国(香港を除く) | 0.23米国ドル/GB | 0.22米国ドル/GB | 0.20米国ドル/GB |
オーストラリア | 0.19米国ドル/GB | 0.18米国ドル/GB | 0.15米国ドル/GB |
以上が Cloud Spanner の料金体系になります。
なお、 Cloud Spanner の使用料金は Google Cloud Platform 料金計算ツールを使って見積もることも可能です。あわせてご活用ください。
Cloud Spanner の活用事例
オンラインゲームのデータベースとして活用
近年、オンラインゲームのプレイヤー数は増加しており、ゲーム自体も複雑化しています。そのため、オンラインゲームの裏側では、柔軟なスケーリングや管理の効率化を実現するための高品質なデータベースが求められるようになりました。
このようなオンラインゲームでのユースケースにおいて、 Cloud Spanner が有力な選択肢になります。Cloud Spanner が持つスケーリング、シャーディング、クラスタリングなどの機能により、効率的なデータベース運用を実現可能になります。
とあるゲーム会社では、プレイヤーの認証データとインベントリデータを保存するデータベースとして Cloud Spanner を活用しています。Cloud Spanner が持つ機能により、プレイヤー数の増加や複数タスクの同時処理にも対応できるようになりました。
BigQuery と組み合わせた活用
BigQuery とは Google が提供しているデータウェアハウスであり、データ格納やビッグデータ分析が可能な人気のサービスとなっています。
高速処理が BigQuery の大きな特徴であり、通常では長い時間かかるクエリを数 TB (テラバイト)、数 PB (ペタバイト)のデータに対して数秒もしくは数十秒で終わらせることができます。
この BigQuery と Cloud Spanner をうまく使い分けることで、効率的なデータ活用が可能になります。例えば、分析に利用するためのデータは BigQuery へ格納し、外部サービスに利用するためのデータは Cloud Spanner に格納します。
なお、 Cloud Spanner にデータを格納する際、膨大な量のデータをリアルタイムで処理する必要がある場合は、 Google Cloud (GCP)の Dataflow という ETL サービスを使うことで処理を高速化できます。
このように、データの目的に応じて格納先を変えることで、それぞれ最適なサービスでデータを処理することができ、データ処理における生産性向上を実現可能になります。
ちなみに、 BigQuery は Cloud Spanner と同様にデータベースの専門知識がなくても扱うことができます。また、コストパフォーマンスが高く、利用料金の目安は「1 TB (テラバイト)あたり500円程度」と非常にリーズナブルです。なお、この金額はクエリ料金であり、別途ストレージ料金が必要になります。
さらに BigQuery は Google Cloud (GCP)に内包されたサービスであるため、 Cloud Spanner をはじめとした他の Google Cloud (GCP)のサービスとシームレスに連携できます。
データ活用を検討されている方は、ぜひ BigQuery を選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
BigQuery の魅力は、以下の記事で詳しくご紹介しています。
超高速でデータ分析できる!専門知識なしで扱えるGoogle BigQueryがとにかくスゴイ!
Dataflow に関して理解を深めたい方は以下の記事がオススメです。
Google の ETL サービス「 Dataflow 」とは?概要、特徴、できること、料金体系まで徹底解説!
まとめ
本記事では、 Cloud Spanner の概要、特徴、メリット、活用事例まで一挙にご紹介しました。
Cloud Spanner はフルマネージドで提供されている高品質なデータベースサービスであり、高い可用性、柔軟なスケーリング、扱いやすいユーザーインターフェースなど、様々なメリットを持っています。さらに Cloud Spanner は RDB でありながら大規模なトランザクション処理を実現しており、 RDB と NoSQL データベースの長所を兼ね備えたサービスとなっています。
Cloud Spanner 単体でも業務効率化を実現できますが、オススメは BigQuery と組み合わせた活用です。両者をうまく使い分けることで、自社のデータ活用における生産性を大きく向上させることが可能になります。
BigQuery は超高速な処理でビッグデータを分析でき、簡単な操作だけで扱うことができるサービスです。また、とてもリーズナブルであるため、高いコストをかけずに利用できる点も嬉しいポイントです。
自社のデータ活用を検討されている方は、ぜひ Cloud Spanner および BigQuery を選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
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