クラウドの代表格 IaaS を徹底解説!サービスの特徴や提供する企業一覧まで一挙に紹介

クラウドの代表格 IaaS を徹底解説!サービスの特徴や提供する企業一覧まで一挙に紹介

クラウドの提供形態の一つである IaaS 。 IaaS という言葉を知っている方は多いと思いますが、正しい意味や詳しい内容まで理解しているケースは少ないのではないでしょうか?

本記事では、 IaaS とは何か?という基本的な内容やサービスの特徴、ビジネスモデル、 IaaS を提供している企業一覧など、あらゆる観点から IaaS について一挙にご紹介します。

IaaS とは?

IaaS は Infrastructure as a Service の略であり、クラウドの代表的な提供形態の一つです。

クラウドサービスを大きく分けると、

の 3 つに分類されます。

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SaaS はソフトウェアやアプリケーションの機能をサービスとしてネットワーク経由で利用するモデルであり、 PaaS はアプリケーション開発に必要な実行環境を利用するモデルです。

そして、 IaaS は CPU やメモリ、ストレージ、ネットワークなどのコンピュートリソースを提供するモデルです。ユーザーはリソース構成を自由に選択して利用することができ、そのリソース上に任意のアプリケーションを構築することが可能になります。

IaaS は 2006 年に AWS によって Amazon Elastic Compute Cloud ( Amazon EC 2 )の提供が開始されました。これにより、自社データセンターのサーバー台数を削減する方法として、仮想化による集約ではなくクラウドサービスの利用が検討されるように市場が変化していきました。

SaaS や PaaS について理解を深めたい方は以下の記事がオススメです。

図解でわかる!SaaS、PaaS、IaaSの違いとクラウドサービスとの関係性について

IaaS サービスの特徴

次に IaaS サービスの特徴について見ていきましょう。

下図は IaaS の構成要素を「ユーザーが管理する部分」と「クラウド事業者が提供・運用する部分」に分けたものです。

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SaaS や PaaS にも IaaS と同様に責任分界点が存在しますが、これらと比較すると IaaS におけるユーザーの管理範囲は広くなります。そのため、 IaaS は非常にカスタマイズ性が高く、柔軟な構成を実現できる点が大きなメリットです。

ただし、ユーザーが管理する範囲が広いということは、 SaaS や PaaS に比べて運用負荷が大きくなることを意味します。 IaaS ではミドルウェアやコンテナの領域までを自社で管理する必要があるため、 IT 人材がいない企業では運用が難しいかもしれません。

仮にサービス提供の迅速性やリソースの負荷に対する柔軟性といったクラウドのメリットを享受しつつ、システムとしてのカスタマイズ性を確保したい場合は IaaS の利用を検討すると良いでしょう。その際、一定の運用負荷が発生する点は十分に留意しておく必要があります。

IaaS のビジネスモデル

クラウド事業者の目線に立った場合、 IaaS はどのようなビジネスモデルなのでしょうか?

以下、重要なポイントを 3 つに絞ってご説明します。

サブスクリプションの料金体系

一般的な IaaS サービスはサブスクリプションの料金体系を採用しています。サブスクリプションとは、サービス料金を都度請求するのではなく「一定期間サービスを利用できる権利」に対して料金を請求するビジネスモデルです。

従来のパッケージ型のソフトウェアは、製品に対して決められた金額が存在していました。しかし、 IaaS のビジネスモデルはサブスクリプションを前提としており、ユーザーの継続利用が収益に直結するため、顧客との関係構築が重要なポイントになると言えます。

ユーザーの囲い込み

前項でご説明した通り、 IaaS のビジネスモデルでは「いかに顧客(ユーザー)を囲い込みできるか?」が収益に大きな影響を与えます。すぐにサービスを解約されてしまうようでは、安定的な収益を見込むことはできません。

そのため、クラウド事業者はあらゆる観点からユーザーの囲い込みを行なっています。サービスの操作性やインターフェースはもちろんのこと、料金やサポート体制、セキュリティなど、様々な観点から製品の品質向上に努めています。

プラットフォームとしての価値の確立

IaaS はユーザーが管理する範囲が広いため、高いカスタマイズ性が大きな魅力の一つと言えます。つまり、ユーザーごとに自社の状況に合わせた作り込みが可能なため、運用が軌道に乗れば IaaS は必要不可欠なプラットフォームになります。

IaaS がユーザー企業にとって価値の高いプラットフォームになることで、クラウド事業者の目線ではサービスの継続利用や安定収益に繋がります。そのため、サービス自体の改良だけではなく、ユーザーの課題解決に向けた相談を受けるなど、コンサルティング的な活動を行なっている事業者も珍しくありません。

IaaS を提供している企業一覧

IaaS サービスを提供している企業は世界中に数多く存在しています。

本章では、代表的な IaaS 提供企業を国内・国外に分けてそれぞれご紹介します。

日本国外の IaaS 提供企業

Google

Gmail や YouTube で有名な Google は IaaS を提供している企業の一つです。 Google が提供する有料サービスとしては Google Workspace (旧 G Suite )が有名であり、 Google は SaaS の提供会社だと思われるかもしれませんが、 Google Compute Engine (GCE)などの IaaS サービスも提供しています。

Google Workspace (旧 G Suite )に関心のある方は以下の記事が参考になります。

Google Workspace とは?基本機能や提供プラン、メリット、できることまで徹底解説!

Microsoft

Microsoft は Word や Excel などの Office ツールで有名な IT 企業です。仕事やプライベートなどで Office を利用したことがある方は多いのではないでしょうか? Microsoftは Microsoft 365 という SaaS を展開していますが、同時に Microsoft Azure という IaaS を提供しており、 Virtual Machines などのサービスが展開されています。

Amazon

Amazon は EC サイトや Amazon Music などを展開している IT 企業です。 Amazon ショッピングは全世界で圧倒的なユーザー数を誇っており、ビジネス向けに AWS という IaaS サービスを提供しています。 2006 年に Amazon が発表した Amazon Elastic Compute Cloud ( Amazon EC 2 )により IaaS が市場に普及したと言われています。

Alibaba

Alibaba は中国に本拠地を構える IT 企業であり、主に EC サイトを展開しています。 Alibaba の EC サイト「天猫」は Amazon と並んで全世界で多くのユーザーを有しており、中国国内では圧倒的なシェアを誇ります。 Alibaba は EC サイトだけではなく、 Alibaba Cloud と呼ばれる IaaS を提供していることでも有名であり、上記 3 企業と同様に IaaS 環境を提供するサービスが用意されています。

IBM

IBM は米国に本拠地を構える IT 企業であり、日本 IBM というグループ会社が日本国内にもビジネスを展開しています。 IBM は IBM Cloud という IaaS サービスを提供しており、 IBM の子会社である Red Hat も Red Hat Cloud Access という独自の IaaS を提供しています。そして、その中に IaaS 環境を提供するサービスが内包されています。

日本国内の IaaS 提供企業

富士通

富士通は 1935 年に設立された総合エレクトロニクスメーカーです。各種システムやデバイスを提供しており、独自の IaaS サービスとして FUJITSU Cloud Service を展開しています。日本国内では初めてとなる株式会社アイ・エス・レーティングの AAAis (セキュリティの上位格付け)を取得しています。

NTT コミュニケーションズ

NTT コミュニケーションズは世界最大規模の通信事業者の一つである日本電信電話の完全子会社であり、 NTT グループの IT 分野を担っています。独自の IaaS サービスとして Enterprise Cloud を提供しており、日本国内でも有数の IaaS ベンダーとなっています。

日本オラクル

日本オラクルは米国のオラクルコーポレーションが 1985 年に設立した日本法人であり、クラウドサービスやソフトウェア、ハードウェア、ソリューション、コンサルティング、保守サービス、など幅広く展開しています。日本オラクルの IaaS サービスとしては Oracle IaaS が挙げられ、多くのユーザーを有しています。

自社に最適な IaaS サービスの選び方

前章でご説明した通り、市場には様々な IaaS ベンダーが存在するため、どの会社を選べば良いか迷ってしまう方も多いと思います。

最初の判断として、既に Microsoft 365 を導入している会社は Microsoft Azure が最適な選択肢になると言えます。 Microsoft 365 と Microsoft Azure は親和性が高いため、 Microsoft Azure を活用することで自社の生産性向上を期待できます。同様に、 Google Workspace を導入している会社は Google Cloud ( GCP )が最適な選択肢になると言えます。

それでは Microsoft 365 や Google Workspace を導入していない会社は、どのような基準で IaaS サービスを選べば良いのでしょうか?

新しいサービスを導入する際は料金が気になるところですが、 IaaS はサービスごとに多少金額が異なるものの、アーキテクチャ全体で見ると2022年現在はそこまで極端に大きな違いは存在しません。そのため、サービスの操作性や特定領域に対する強みなどをもとに IaaS を選ぶ方法がオススメです。

ここで言う特定領域の例としては、

などが挙げられます。

例えば、仮にデータ分析や機械学習などを積極的に行いたい場合は Google Cloud (GCP)が有効なソリューションになります。

Google Cloud (GCP)には BigQuery をはじめとした優れたデータ解析ツールが用意されているため、一部のエキスパートだけでなく、組織全体でデータを活用し、経営戦略の策定や業務改善に繋げていくことが可能です。さらに Google Cloud(GCP) の多種多様なサービスを活用することで、高精度なデータ分析を実現することができます。

また、 Google Cloud (GCP)は Vertex AI という機械学習における様々な環境構築を効率的に行うことができるプラットフォームを提供しており、自社の工数をかけずに機械学習の環境を手間なく構築したり、 AI 開発までのリードタイムを短縮したりできます。

さらに Google Cloud (GCP)には Google Cloud Storage (GCS)という高性能なオブジェクトストレージが内包されており、自社のデータを手間なく安全に管理できます。つまり、 Google Cloud (GCP)を活用することで、データの保管から分析まで、データ活用の一連のステップを一気通貫で行うことが可能になります。

既に別のクラウドを利用して、データ分析でクラウドを活用する場合は、その契約クラウドのデータ分析サービスと Google Cloud (GCP)を比較してみて費用対効果を見てみましょう。Google Cloud (GCP)の方が費用対効果が良い場合は、マルチクラウド構成で Google Cloud (GCP)を活用することも可能です。

なお、 Google Cloud (GCP)の大きな特徴として、

などが挙げられます。

加えて、データ活用以外でも、 IaaS 環境であればコンピューティングサービスである Google Compute Engine (GCE)を使うことで Google のインフラ上に仮想マシンを立ち上げることができます。

今回は、データ分析と機械学習に絞って解説しましたが、自社のサービス要件に合わせてクラウドを検討してみることが大事です。ただ、弊社G-genでは、数ある IaaS の中でも Google Cloud (GCP)はとてもオススメなサービスだと考えております。これからサービスを選定する場合は、ぜひ Google Cloud (GCP)を選択肢に加えてみてはいかがでしょうか?

Vertex AI に関心のある方は以下の記事がオススメです。

Vertex AI とは? Google が提供する最新の機械学習プラットフォームを徹底解説!

Google Compute Engine (GCE)に関心のある方は以下の記事がオススメです。

【GCP入門編・第3回】難しくない! Google Compute Engine (GCE) でのインスタンス起動方法!

まとめ

本記事では、 IaaS とは何か?という基本的な内容やサービスの特徴、ビジネスモデル、 IaaS を提供している企業一覧など、あらゆる観点から IaaS について一挙にご紹介しました。

IaaS はユーザーが管理できる範囲が広いため、自社の状況に合わせて自由にカスタマイズできます。クラウドのメリットを享受しつつ、柔軟な運用を実現したい場合には IaaS が有効な選択肢になると言えるでしょう。

日本国内、国外を問わず、全世界には数多くの IaaS ベンダーが存在しており、各社は多種多様な IaaS サービスを提供しています。サービスごとに特徴や強みは異なるため、複数のサービスを比較検討して自社に最適なものを選ぶことが大切なポイントです。

これから IaaS を検討するのであれば Google Cloud (GCP)がオススメです。使いやすいユーザーインターフェースや高速データ処理、高いセキュリティレベルなど、企業にとって嬉しいメリットが多く存在します。

さらに、 Google Cloud (GCP)には GCE が搭載されており、 Google が実際に運用環境で使用している強力なインフラの上で動作する仮想マシンなどを時間あたりの課金で自由自在に活用することができます。

本記事を参考にして、ぜひ Google Cloud (GCP)の導入および GCE の活用を検討してみてはいかがでしょうか?

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