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効率的なデータ活用を実現する ETL とは何か?メリット・デメリットや活用事例まで徹底解説!
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ETL という言葉をご存知でしょうか?企業内のあらゆるシステムからデータを抽出し、共有する機能を搭載したツールのことです。昨今、情報のビッグデータ化に伴い、データ活用の重要性が強く叫ばれています。このような背景から、 ETL の存在意義も高まっていると言えます。
しかし、 ETL という言葉を知っていても、意味を正しく理解している方は少ないのではないでしょうか?本記事では、 ETL とは何か?という基礎的な内容から、メリットやデメリット、活用事例、 DWH や BI ツールとの違いなど、あらゆる観点から一挙にご紹介します。
目次
ETL とは?
ETL とは「 Extract (抽出)、 Transform (変換)、 Load (書き出し)」の略であり、企業内のあらゆるシステムからデータを抽出し、共有する機能を搭載したツールです。
企業においては、多くのシステムが同時に存在しているケースが一般的です。営業、購買、生産、顧客管理など、様々な基幹システムがあり、異なるシステムからそれぞれデータを抽出するのは、時間や手間がかかります。
ETL を活用することで、複数システムからのデータ抽出や外部への書き出しを実行できるため、企業の生産性向上や業務効率化に直結します。
DWH や BI ツールとの違い
ETL と似た言葉として DWH や BI ツールが挙げられます。これらも「データ活用に利用するツール」という点では ETL と共通していますが、それぞれ異なる特徴を持っており、まったく別のツールとして区別されています。
DWH ( Data Ware house 、データウェアハウス)とは、「データの倉庫」の意味であり、データの利活用のために、膨大なデータを保存しておくためのシステムです。そして、 BI ツールは「 Business Intelligence ツール」を略したものであり、膨大なデータを管理・集約し、必要に応じて分析まで行うことができるサービスです。
以下、3つのツールの特徴をわかりやすく表にまとめます。
製品 | 主な機能 | 役割 |
---|---|---|
DWH | データの保管・蓄積 | 企業が保有する膨大なデータを綺麗に整理して保管・蓄積する |
BIツール | データの分析・可視化 | 大量のデータを元に分析を実行し、結果をダッシュボードなどに可視化する |
ETL | データの抽出・変換・書き出し | 複数システムからデータを抽出し、変換した上で書き出しを実行する |
データ活用の流れとしては、はじめに様々な企業システムから ETL でデータを抽出します。その後、 ETL でデータの変換・書き出しを行い、 DWH へ受け渡しを行います。
DWH に蓄積したデータは綺麗に整理され、企業が保有するあらゆる情報が DWH 上で一元的に保管されます。DWH のデータを BI ツールで分析・可視化することで、自社の課題発見や戦略策定に活用することができます。
このように、 BI ツール、 DWH 、 ETL はそれぞれ得意とする領域が異なっており、すべてを適切に活用することで、価値のあるデータを経営戦略に反映することが可能になります。
DWH に関心のある方は以下の記事が参考になります。
データウェアハウス(DWH)とは?メリットや活用例まで一挙に紹介
BI ツールに関心のある方は以下の記事が参考になります。
BI ツールとは何か?メリット、デメリット、活用事例まで、一挙に紹介!
ETL のメリット
ETL を活用することで、どのようなメリットを享受できるのでしょうか。代表的なものをいくつかご紹介します。
効率的にデータを抽出できる
企業では複数のシステムを利用しているケースが多く、分析に使うデータが単独のシステムに格納されているとは限りません。そのため、複数のシステムから横断的にデータを集める必要がありますが、データの抽出方法はシステムごとに異なるため、大きな手間が発生します。
しかし、 ETL を活用することで、このデータ収集を効率化できます。データ分析においては、データの鮮度が分析結果を大きく左右するため、データ収集が繰り返し行われます。つまり、 ETL の導入により、データ分析・活用にかかる作業負荷を大きく軽減できるのです。
抽出データを整形・変換できる
データ分析に使われるデータは綺麗に整理されている必要があり、システムから抽出したデータをそのまま分析作業に使うことはできません。
例えば、
- 不要なデータの削除
- 欠けているデータの追加
- データフォーマットの統一
など、クレンジングと呼ばれる作業を行うことで、データが綺麗に整備されて、分析の下準備が完了します。 ETL はこれらのクレンジング作業の効率化に役立ちます。人間が手作業でクレンジングを行う場合はヒューマンエラーのリスクがありますが、 ETL で自動化すれば精度の向上も期待できます。
データクレンジングに興味関心がある方は以下の記事も合わせてご覧ください。
データ活用に欠かせないデータクレンジングとは?具体的な方法を4ステップで解説!
専門知識がなくても使える
ETL を利用する上で専門知識は必要ありません。ETL は難しいプログラミングなしで利用できるため、作業効率を上げることができ、自社でエンジニアを確保する必要がないため、人件費の削減にも直結します。
さらに、ETL は直感的かつ自動的にデータの抽出、変換、書き出しを実行できるため、誤変換やデータ喪失などの人為的ミスを防ぐことができます。効率的かつ安全にデータを活用する上では、ETL は必要不可欠なツールであると言えます。
ETL のデメリット
ETL にはメリットだけではなくデメリットも存在します。正しく理解して、実際に利用する場合に備えておきましょう。
導入コストが発生する
ETL を導入するためには、当然ながら一定のコストが発生します。導入する ETL サービスによって料金は異なりますが、ほとんどの場合は有償となり、料金を支払う必要があります。ただし、この点をデメリットと捉えるのではなく、 ETL 導入によって得られるメリットと天秤にかけて、費用対効果で考えることが大切です。
最低限の IT リテラシーが求められる
ETL は専門知識がなくても使えるように設計されていますが、それでも最低限の IT リテラシーは必要になります。そのため、社員が IT に疎い会社ではスムーズに活用が進まない可能性もあります。このような場合、 ETL の導入とともに、社員教育や研修などをセットで検討することをオススメします。
社員の IT リテラシーを高めるための方法は以下の記事で解説しています。
【 IT に強い人材を育てる!】「社員の IT リテラシーを向上させる3つの方法」と「 IT リテラシーが低いことによる5つのリスク」とは?
ETL 単体でできることが限られている
ETL の主な機能は「データの抽出、変換、書き出し」です。そのため、ETL 単体では自社のデータを最大限に活用することはできません。データを管理するための DWH や データを分析するための BI ツールなど、他サービスとうまく使い分けながら、運用していくことが重要です。
ETL の活用事例
ETL はビジネスのどのようなシーンで活用されているのでしょうか。一般的な活用事例を3つご紹介します。
レポーティングの業務効率化
ETL はレポーティング業務の効率化に寄与するツールです。従来は Excel で時間をかけて分析レポートを作成する会社も多く存在しましたが、 ETL を使えばデータを即座に抽出・統合し、迅速にレポートとして出力することができます。これにより、リアルタイムな意思決定を実現できるため、競合優位性に直結します。
データ加工の生産性向上
ETL はデータの抽出、変換、書き出しの3つのプロセスを自動化できます。本来、エラーが発生した場合は各プロセスを個別に見直す必要がありますが、 ETL であればまとめてチェックすることが可能になります。そのため、データ加工の全体プロセスを最適化でき、組織全体の生産性を向上させることができます。
ビッグデータのクレンジング
ビッグデータとは、量や種類が膨大であり、かつ、頻繁に発生・更新されるデータを意味する言葉です。昨今、ビッグデータ活用の重要性が叫ばれていますが、膨大かつ多様なビッグデータをクレンジングするのは容易ではありません。
しかし、 ETL は膨大なビッグデータに対しても簡単な操作だけでクレンジングを実施できるため、自社のビッグデータ活用を加速できます。 DX やビッグデータ活用の文脈において、 ETL は心強い武器になると言えるでしょう。
ビッグデータに関心のある方は以下の記事がオススメです。
ビッグデータとは何か?7業種のクラウドによるデータ活用事例をご紹介!
DX に関心のある方は以下の記事がオススメです。
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?概要と5つの事例をご紹介!
ETL を導入するなら Google Cloud (GCP)の Dataflow がオススメ
市場には数多くの ETL ツールが存在しますが、サービスごとに特徴や強みは異なります。そのため、自社に合わせた最適な ETL を導入することが大切です。
サービスの選定基準は多岐にわたりますが、重要なポイントとしては運用負荷が少ないサービスを選択することです。自社の作業負荷が小さくなれば、それだけ組織全体の生産性は向上し、本来注力すべき業務にリソースを集中できます。
この観点で考えると、 ETL を導入するなら Google Cloud (GCP)の Dataflow がオススメです。ここからは、 Google Cloud (GCP)および Dataflow の概要と、オススメな理由を順番にご説明します。
Google の ETL サービス「 Dataflow 」とは?
Dataflow は Google Cloud(GCP)に内包されている ETL ツールであり、サーバーレスかつフルマネージドのデータ処理サービスです。
Java や Python で処理を作り込むことができるのはもちろん、標準で提供されているテンプレートを使うことも可能です。クラウドストレージにアップロードした JDBC ドライバーを使用して、 Netezza や Exadata に接続できるテンプレートも用意されています。
また、 Dataflow は「 Apache Beam (オープンソースのフレームワーク)」で構築されたパイプライン処理を実行できるプラットフォームであり、 Apache Beam の実行環境としても利用することができます。パイプライン処理とは、マイクロプロセッサ内部での命令を分割し、それぞれを別の回路で実行することで、並行的に処理を進めるための技術です。
企業が保有する大規模かつ多岐にわたるデータを一元的に集約し、高速にデータを処理できる Dataflow は、企業がデータ活用を進める上で心強い武器になります。情報量の増加やデータの多様化が進み、企業におけるデータ活用の重要性が高まっている現代において、 Dataflow はあらゆる企業にとって必要なサービスだと言えるでしょう。
Dataflow の特徴
フルマネージドサービスとして提供
フルマネージドサービスとは、ほぼすべてのサーバー管理・運用をサービス提供者が行うサービスです。 Dataflow の場合は、サービス提供者である Google が責任を持って運用管理業務を代行してくれます。
そのため、サーバー障害などのトラブルが発生した時でも、ユーザー側で復旧作業を行う必要はありません。 Google の優秀なエンジニアチームが対応するため、手間なく安全な環境でサービスを運用することが可能になります。
フルマネージドサービスについては、以下の記事が参考になります。
マネージドサービスとフルマネージドサービスの違いとは?メリット・デメリットまで徹底解説!
面倒な環境構築が不要
本来、データ処理を行うためには動作環境を構築する必要があります。難しいコードを記述したり、問題なく動作するかテストをしたり、動作環境の構築は時間も手間もかかります。
その点、 Dataflow は Apache Beam で記述された処理を Dataflow 上で実行することで、最適な動作環境を自動的に構築します。そのため、自社の環境構築にかかる負荷を削減でき、生産性向上に大きく寄与します。
また、 Dataflow には「オートスケーリング」という機能が備えられており、自社の利用状況に合わせて、 Dataflow が自動的にリソースの拡大縮小を行ってくれます。つまり、管理者が利用状況を細かく管理する必要はなく、さらに生産的な業務に集中することができます。
Google Cloud (GCP)の他サービスと連携可能
Apache Beam には SDK ( Software Development Kit :ソフトウェア開発キット)が用意されており、これらを活用することで Dataflow を Google Cloud(GCP)の他サービスと簡単に連携させることができます。
以下、 Apache Beam で利用可能な SDK の一覧です。
- Cloud Storage
- Cloud Bigtable
- Cloud Pub / Sub
- Cloud Spanner
- BigQuery
例えば、 Cloud Pub / Sub と連携してデータ処理の結果をメッセージで通知したり、 BigQuery と連携して処理したデータを分析するような使い方が考えられます。もちろん、この他にも様々な利用方法が存在します。
まずは自社の実現したいことを明確にした上で、 Dataflow の活用方法を検討してみてください。
作業配分を自動で最適化
Dataflow には「作業配分の自動化と最適化」の機能が搭載されており、当初のスケジュールよりも遅延している作業を優先してくれるなど、管理者が設定しなくても Dataflow が作業の優先順位を自動的に判断してくれます。
そのため、人の手で細かい作業配分を都度設定する必要はなく、自社の業務効率化を実現することができます。
このように、本来は人が手作業で行うべき作業を自動化できる点が Dataflow の大きな特徴であり、世界中で多くの支持を集めている理由となっています。
まとめ
本記事では、 ETL とは何か?という基礎的な内容から、メリットやデメリット、活用事例、 DWH や BI ツールとの違いなど、あらゆる観点から一挙にご紹介しました。
データ活用が強く叫ばれている現代において、 ETL の重要性は益々高まっています。企業が ETL を活用することで、効率的なデータ抽出やデータ加工など、様々なメリットを享受できます。実際に多くの企業が ETL を導入しており、自社の業務効率化や生産性向上を実現しています。
市場には数多くの ETL ツールが存在しますが、せっかく導入するのであれば Google Cloud (GCP)の Dataflow がオススメです。フルマネージドで提供されているため、自社の工数をかけずに高品質な ETL ツールを運用できます。
本記事を参考にして、 Google Cloud (GCP)の導入および Dataflow の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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