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データドリブン経営に役立つ回帰分析とは何か?概要や活用事例を一挙に紹介!
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昨今、企業が保有する情報のビッグデータ化が加速しており、データ量の増加やデータの多様化が進んでいます。このような状況において、企業が効率的な経営を実現するためには、社内のデータを分析し、うまく活用することが求められています。
データ分析には様々な種類がありますが、代表的なものとして回帰分析が挙げられます。回帰分析は異なるデータ同士の関係性を調べるための分析手法であり、実際にあらゆるシーンで活用されています。回帰分析という言葉を聞いたことがあっても、正しい意味を説明できる方は少ないのではないでしょうか。
そこで本記事では、回帰分析とは何か?という基礎的な内容から、回帰分析の種類やメリット・デメリット、具体的な活用事例まで一挙にご紹介します。
目次
回帰分析とは?
回帰分析とは、データを分析するための手法の一つです。一般的には、異なるデータ同士の関係性や相関性を調べるために利用されることが多く、統計的な考え方に基づく分析手法となっています。
オーソドックスなデータ分析手法として「相関分析」というものがあり、これは異なるデータ同士の影響を調べてお互いの関係性を導き出すのに対して、回帰分析は異なる2つのデータを「影響を与えるデータ」と「影響を与えられるデータ」として別々に定義し、一方向の関係性を分析します。
例えば、各地域の学校周辺に立地しているコンビニエンスストアの店舗別の売上金額を比較するシーンを考えてみます。この場合、来店人数や広告費、学校からの距離など、店舗の売上金額に関係の深そうな要素をいくつか挙げておきます。
そして、それらのデータを対象に回帰分析を行うことで、各要素が店舗の売上金額にどのように影響しているのかを可視化することができます。その結果、さらに売上金額を伸ばすためには何が必要なのかを把握でき、今後の戦略立案に役立てられるのです。
このように、回帰分析は結果に対する原因や要因を推測したい場合に有効な分析手法だと言えます。多くの企業が回帰分析をビジネスの世界で実践しており、自社の経営戦略の策定やマーケティング施策の検討などに活用しています。
回帰分析の種類
一口に「回帰分析」と言っても、実はいくつかの種類に分けることができます。回帰分析のパターンは多岐にわたりますが、今回は代表的なものとして「単回帰分析」と「重回帰分析」の2つをご紹介します。
単回帰分析
単回帰分析はシンプルな分析手法であり「目的変数」と「説明変数」という2つの要素を使います。結果として出てくる要素を目的変数、その目的変数に影響を与える要素を説明変数として定義します。先ほどの例で言えば、コンビニエンスストアの売上金額が目的変数であり、来店人数や広告費などが説明変数ということになります。
単回帰分析では「 y = ax + b 」という回帰式が用いられており、「目的変数 y に対して説明変数 x がどのような影響を与えているのか( a と b は定数)」という考え方で分析を行います。回帰分析には数多くの種類が存在しますが、この単回帰分析は、他の分析手法のベースとなる最も基本的な手法となっています。
重回帰分析
重回帰分析は、前述した単回帰分析の発展形と言える分析手法です。単回帰分析では、目的変数 y と説明変数 x が1つずつ存在していましたが、重回帰分析では説明変数 x が複数存在します。つまり、目的変数 y に影響を与える要素が何通りか考えられているのです。
重回帰分析では、複数の説明変数 xn ( n = 1 、 2 、 3 、、、)を使い、「 y = ax1 + bx2 + cx3 + 、、、、、 + dxn + e 」のような回帰式が用いられます。要素が多い分、単回帰分析よりも複雑になりますが、それだけ実用的で応用範囲が広いため、様々なビジネスシーンで活用されている回帰分析の手法となっています。
回帰分析の活用事例
ここまで、回帰分析に関する基礎的な内容をご説明しました。それでは、実際のビジネスシーンにおいて、回帰分析はどのように活用されているのでしょうか。
本章では、回帰分析の具体的な活用事例を3つご紹介します。
EC サイトの売上予測
EC サイトの売上予測を行う際、回帰分析が役立ちます。例えば、 EC サイトへの訪問ユーザー数や掲載商品数などを説明変数として、目的変数である売上を予測するのです。このとき、過去の売上金額や訪問ユーザー数、掲載商品数のデータが揃っていれば、より正確な売上予測が可能になります。
Web 広告の効果改善
Web 広告の効果改善を行う場合、回帰分析を有効に活用できます。広告のクリック率を目的変数として設定し、広告の色やサイズ、文字数などの要素を説明変数として設定します。そして、回帰分析を行い、広告のクリック率に大きく影響を与えている要素を把握することで、より効果の高い広告を打ち出すことができます。
アパレルショップの店舗運営
アパレルショップを運営する上では、重要な要素が数多く存在します。例えば、価格や商品数、接客スタイル、購入方法などが挙げられます。これらの要素を説明変数として回帰分析を行うことで、各要素の店舗売上への影響度を測ることができ、この結果をもとに戦略を立て直すことで、より効率的な店舗運営を実現できます。
回帰分析のメリット・デメリット
回帰分析を活用することで、企業は様々なメリットを享受できますが、その反面デメリットも存在します。具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのか、順番に見ていきましょう。
メリット
回帰分析を行うことで、根拠に基づいた推論が可能になります。従来の日本企業においては、ベテラン社員の勘や経験によってビジネスの方向性を決めていましたが、変化の激しい現代においては通用しないケースも存在します。しかし、回帰分析はデータを使って相関関係を調べるため、正確かつ客観的な意思決定を実現できるのです。
また、実際のデータが存在しない場合でも、回帰式を用いて結果を推論するため、将来予測のようなシミュレーションを行うことも可能です。ビッグデータ化が加速し、データドリブンな経営が求められているいま、回帰分析の重要性は高まっていると言えるでしょう。
デメリット
回帰分析の進め方によっては、正確な結果を得られないリスクがあります。例えば、重回帰分析では複数の説明変数を用いるとご説明しましたが、目的変数に影響を与える要素(説明変数)を漏れなく洗い出せるとは限りません。仮に見落としている要素があった場合、正確な分析結果を得ることはできず、その結果を基にした意思決定の信頼性も低くなります。
また、重回帰分析のように複数要素を考慮する場合、とても複雑な計算処理が求められます。そのため、正しく回帰分析を行うためには相応の学習が必要になり、多くの時間と工数が発生します。回帰分析は表面的に知っているだけでは意味がなく、正確な分析を実践できてこそ真の価値を発揮するのです。
このように、知識のない人が複雑な回帰分析を行うのはハードルが高いため、自社完結が難しい場合は IT ツールの活用がオススメです。回帰分析に役立つツールを導入することで、初心者でも簡単に正確な分析結果を導き出すことができます。
回帰分析にオススメのツールをご紹介!
先程、効率的に回帰分析を行うためには IT ツールの導入がオススメだとご説明しました。市場には様々なツールが存在しますが、どれでも良いというわけではありません。
ツールの選び方には多くの観点が存在しますが、以下の3点を意識しておけば失敗することはないでしょう。
- 誰でも簡単に扱える
- セキュリティレベルが高い
- データ処理速度が速い
まず、誰でも簡単に扱えることは必須条件です。せっかくツールを導入しても、使いにくいツールであれば意味がありません。また、回帰分析を行うためのデータは自社の貴重な情報資産であるため、安全性の観点も大切になります。さらに、膨大なデータを扱う場合は処理が重くなるので、データの処理速度も重要なポイントだと言えるでしょう。
これらを踏まえて考えた場合、回帰分析には Google Cloud (GCP)が最適なソリューションだと言えます。以下、 Google Cloud (GCP)の概要と回帰分析にオススメな理由をご説明します。
Google Cloud (GCP)とは?
Google Cloud (GCP) は Google が提供しているパブリッククラウドサービスです。同じ種別のサービスとしては、 Microsoft 提供の Azure や Amazon 提供の AWS などが挙げられます。
Google Cloud (GCP) は 「 Gmail 」や「 YouTube 」などの有名サービスで実際に動いているプラットフォーム技術をそのまま使用でき、非常に高いインフラ性能を誇ります。コンピューティングやストレージをはじめ、様々な機能が搭載されています。
この Google Cloud (GCP)に内包されている BigQuery ML を活用することで、手間なくデータ分析を行うことができます。
Google Cloud (GCP)については、以下の記事で詳しく解説しています。
クラウド市場が急成長中?数あるサービスの中でGCPが人気の理由5選!
BigQuery ML とは?
BigQuery とは Google Cloud (GCP)で提供されているビッグデータ解析サービスです。通常では長い時間かかるクエリを数 TB (テラバイト)、数 PB (ペタバイト)のデータに対し数秒もしくは数十秒で終わらせることができます。
BigQuery はクラウドで提供されているため、サーバーレスでスケーラビリティがあり、非常にコストパフォーマンスに優れています。他の多彩な Google Cloud (GCP)の提供するサービスともシームレスに連携もでき、扱いやすいサービスの一つです。
この BigQuery には BigQuery ML (以下、 BQML と記載)という機械学習機能が組み込まれており、 BQML を活用することで手間なく時系列分析を行うことができます。
通常、機械学習モデルを作成するためには、様々な場所からデータを移動して加工する必要がありますが、 BQML は BigQuery 上のデータをそのまま SQL で処理できるため、生産性が大きく向上します。専門的な知識は必要なく、簡単な SQL で手軽にモデルを作成できる点も嬉しいポイントです。
BQML では以下のモデルがサポートされており、分類や回帰だけでなく、時系列データを用いた時系列分析を行うことも可能となっています。
分類 | ・ロジスティック回帰 ・DNN 分類 ( TensorFlow ) ・XGBoost ・AutoML Tables |
回帰 | ・線形回帰 ・DNN 回帰 ( TensorFlow ) ・XGBoost ・AutoML Tables |
その他のモデル | ・時系列予測( ARIMA ) ・k-means クラスタリング ・リコメンデーション: Matrix factorization |
モデルのインポート・エクスポート | ・バッチおよびオンライン予測用 TensorFlow モデル |
以下の記事で BigQuery ML を活用した時系列分析のやり方を解説しています。
こんなに簡単にできるの? Google Cloud (GCP)を活用した時系列分析のやり方を徹底解説!
回帰分析に Google Cloud (GCP)がオススメな理由
Google Cloud (GCP)や BQML は直感的に使えるサービスとなっており、初心者でも簡単に回帰分析を行うことができます。 IT ツールを導入する大きな目的が工数削減なので、誰でも容易に扱える点は大きなメリットだと言えるでしょう。
また、 Google Cloud (GCP)はセキュリティレベルが非常に高いサービスです。第三者機関によるセキュリティに関する監査を定期的に受けており、そのレポート内容を一部公開しています。
例えば、 ISO / IEC 27001 や HIPAA 、 SOC 1/2/3 といったセキュリティや運用手法に関する一般的な認証はもちろん、 FISC や FedRAMP といった各種業界別の基準も満たしているため、実業務でも安心して利用できます。
加えて、データの処理速度が速い点も Google Cloud (GCP)や BigQuery の大きな特徴です。通常の分析サービスであれば、GB(ギガバイト)程度であれば問題なく分析できますが、TB(テラバイト)規模になるとデータがなかなか返ってこないことが多いです。しかし、 BigQuery は、さらにその上の PB (ペタバイト)規模のデータも高速で分析して、解を返すことができます。
約3 GB (ギガバイト)のデータ処理の要した時間は1.2秒という驚異のスピードです。(2020年5月段階)
【参考記事】
【トップゲート主催】StudyJam Google Cloud (GCP) 無料ハンズオンラボの体験レポート
このように、 Google Cloud (GCP)および BigQuery を活用することで、手間なく簡単に、かつ安全で高速な回帰分析を実現できるのです。効率的に回帰分析を行いたい場合は、これらのサービスが強い武器になると言えるでしょう。
まとめ
本記事では、回帰分析とは何か?という基礎的な内容から、回帰分析の種類やメリット、具体的な活用事例まで一挙にご紹介しました。
回帰分析を活用することで、企業はデータドリブンな意思決定を実現でき、自社の業務効率化や生産性向上に直結します。ビッグデータ化が進む現代において、回帰分析の重要性は高まっていると言えるでしょう。
ただし、回帰分析は表面的な理解では意味がなく、正しく活用できてこそ真の価値を発揮します。重回帰分析のように複雑な分析を初心者が行うのは難しいため、このような場合は IT ツールの活用がオススメです。
回帰分析に役立つツールは数多く存在しますが、せっかく導入するのであれば Google Cloud (GCP)がオススメのソリューションになります。 Google Cloud (GCP)に内包されている BigQuery や BQML を使うことで、誰でも簡単に高速・安全なデータ分析を実現できます。
本記事を参考にして、ぜひ Google Cloud (GCP)の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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