株式会社労働新聞社様 Google CloudによるADセカンダリ刷新から始まる、未来へ向けたクラウドジャーニー

株式会社労働新聞社様  Google CloudによるADセカンダリ刷新から始まる、未来へ向けたクラウドジャーニー

「ADセカンダリを Google Cloud で刷新したのを機に、Google の世界観によるセキュアなシステムの全体像や新たなワークスタイルへと視野が広がりました」 株式会社労働新聞社 山村信一郎氏

Active Directory(以下、AD)と顧客管理システムを兼ねるサーバ及びファイルサーバの保守期限の満了が近づいたため、Google Cloud を導入した株式会社労働新聞社。その検討の経緯や導入プロセスの様子、そして今後の展望について、労働新聞社 デジタルサービス局 局次長 山村信一郎氏にお話を伺いました。

株式会社労働新聞社様

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労働新聞社は、昭和26年創刊の『週刊労働新聞』など、4種の定期刊行物を発行するほか、労働行政ならびに労働法令関係の解説書を改正ごとに出版。Webサイトでも、人事、労務、労働・社会保険、労働法、労働行政、安全衛生に関するニュース・書籍・セミナー・動画等の情報を発信しており、行政機関、一般企業の人事労務担当者、中小企業経営者、労働組合、社会保険労務士、建設業・製造業等の安全衛生担当者から幅広く支持されています。

  • この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。

ハードウェア保守の満了に備え、オンプレミス/クラウドの検討を開始

労働新聞社には、新聞編集、Web編集、書籍編集、読者対応などの部署があり、営業部門は支所を含めて全国8ヵ所に拠点があります。そのなかで、Web編集を担当するデジタルサービス局 局次長の山村信一郎氏が全社の情報システム業務をほぼ1人で担っており、システム管理や従業員からの問い合わせ対応も行っています。

従業員数は約40名ですが、新聞・出版業では業務で扱うファイルが膨大にあり、ファイルサーバの権限管理を厳格に行う必要から、顧客管理システム構築の際に、ユーザー認証システムであるADも導入していました。これらのオンプレミス環境のハードウェア保守が2023年3月に満了を迎えるため、安定稼動を目指すべく、オンプレミスとクラウドの両面でシステムのリプレイスを2022年春頃より検討したといいます。

 顧客管理システムはメディア/出版業向けのSaasサービスへクラウド化することとしました。そしてADプライマリについては1年間の保守延長を受けられたため、今回はADセカンダリについての移行を検討しました。

妥当な費用感と、セットアップまでカバーする万全な提案が決め手に

まず検討したのが、オンプレミスかクラウドかというところです。オンプレミスだと今後も保守切れの度に検討および移行・構築作業をする必要があり、さらにサーバ環境における放熱対策に伴う光熱費も近年負担が増していることから、クラウドにすることを決めました。

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クラウドの選定については、他のベンダーからAWSを提案されましたが、初期構築費用もランニングコストも大きかったため、 Google Cloud へのリプレイスを決定したと山村氏は語ります。

Google Cloud の選定理由についてですが、労働新聞社では2009年3月に Google Workspace を導入済みだったため、 Google Cloud との親和性が高いと判断したといいます。また複数社から Google Cloud の提案がありましたが、「他社は導入支援が含まれておらず、自分ですべて設定を行う時間や手間を考えると、導入から内製化できるまで支援してくれる伴走サポートを提案してくれたG-genが好ましく思えました」(山村氏)。

また、G-genの提案ではコストも、仮想マシン1台あたりのメモリやCPUの単価が抑えられており、ルーターの設計及び設定値の支援も含まれていたのもポイントでした。さらに Google Cloud のメリットとして、運用中の Google Workspace のアカウントをそのまま利用でき、 Google Drive にも適用できるため、従業員に新たにIDを設定・付与する必要がないという点も説明があったため、G-genに依頼を決めています。

Google Cloud と他社ルーターの高難度な調整も、協力体制でクリア

G-genとの初面談は2022年5月。そこからヒアリング内容を受けて提案が幾度かあり、保守満了の2023年3月に余裕を持って、2022年7月から検討を開始し、2022年11月から Google Cloud によるADセカンダリのクラウド導入が本格的に始まりました。

その際、G-genでは Google Cloud の導入思想として、安全に運用するためにセキュリティガードレールを作るなど、外部からのセキュリティに特に配慮した環境構築を意識しています。「構築したシステムを後からよく調べてみると、そうした配慮が随所にあって勉強になります。 Google Cloud の専業ベンダーだからこそかもしれませんね」と、山村氏は語ります。

また、同時にルーターのリプレイスをしましたが、 Google Cloud とルーターで使用するVPNの暗号化の仕様が異なるため、当初接続がうまく行きませんでした。しかし、G-genと協力する中で、解決に漕ぎ着けることができたといいます。それ以外はスムーズに導入が進み、2023年3月のサーバ保守の満了前に余裕を持ってクラウドへADセカンダリの構築を済ませ、引き続き安定稼動ができています。

Google Workspace や Google Drive のフル活用により、システム構成も再検討

今回は Google Workspace もプランアップして容量を増やして、ファイルサーバもクラウドに切り出し、データを Google Drive に集約していくことで変更履歴機能により、シンプルで分かりやすいファイル管理を実現しています。

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しかし、「ADの冗長構成を今後も続けていくかは検討したい」と山村氏は語ります。今はADでパスワードを変更する場合に、従業員から申請書をもらって手作業で変更をかけるというアナログな運用になっているとのこと。「 Google Workspace とのさらなる連携を図り、そちらのパスワード変更まで自動化するなど、シングルサインオンに近づけることで使用感を向上させたいですね。それを見据えると、AD自体を一本化してもよいかと考え始めています」。

G-genの示すシステムの世界観や、闊達なワークスタイルが刺激に

今回のG-genの提案は、 Google Cloud 上にADセカンダリ環境を構築するのを最初のステップとして、喫緊の課題に対処した先の未来も見据えたものとなっています。たとえば、 Google Cloud Directory Sync を活用して Google Workspace とADを統合管理するのもその一つで、これによりセキュリティ対策の強化とともに、山村氏が懸念する管理工数の削減・改善につながるでしょう。

また、現在はリモート環境をVPNで構築していますが、それによらないゼロトラストな環境構築も見据えています。今は Windows PC を従業員全員に貸与していますが、 Windows 11 へのアップグレードができない機種のため、いずれは総入れ替えの検討を迫られます。それが ChromeOS Flex を導入すれば、既存デバイスを持続的に再活用でき、コスト面やエコの観点でメリットを享受しながら、セキュアなリモート環境も実現が可能。「G-genの示してくれた、そうした未来像はとても魅力的でした」。

実際、提案から導入の過程でG-genとリモート会議を重ねるなかで、 Google の闊達な文化を取り入れているG-genのワークスタイルや業務の進め方、考え方に大きな影響を受けたと山村氏は語ります。「互いをニックネームで呼び合い、チームビルディングができているので、コミュニケーションも円滑です。当社でも、部門や業務によっては参考にできる部分もあり、刺激になりました」。

技術面でも引き続き、メルマガや勉強会で新しい情報を提供してくれているといいます。「労働領域の専門紙として、当社には膨大な情報ストックがあるので、たとえば読者相談に対する回答を ChatGPT で専門的かつスピーディに実行できるようなサービスができないかと考えたりします。G-genのおかげで、そうした発想もしやすくなりました。今後も刺激をもらい、一緒に新しい世界を創っていきたいですね」。

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