株式会社構造計画研究所様のGoogle Cloudを活用して刷新した管理会計システム

株式会社構造計画研究所様のGoogle Cloudを活用して刷新した管理会計システム

「管理会計システムの刷新に Google Cloud を活用したことで、データをリアルタイムでビジュアル化できるようになり、経営陣からも高評価を得ています。」株式会社構造計画研究所 持田尚幸氏
「部門長も、本来確保したかった『考える時間』が増えてきていると思います。」株式会社構造計画研究所 反後浩徳氏

それまで利用していた Google Workspace に加え、Google Cloud を導入して管理会計システムの刷新を進めている株式会社構造計画研究所。導入の決め手や得られた効果、そして今後の展望について、株式会社構造計画研究所 専門役員 社内ICTセンター センター長 持田尚幸氏、同センター 技術室 室長 反後浩徳氏にお話を伺いました。

株式会社構造計画研究所様

株式会社構造計画研究所様

構造計画研究所は、工学知を用いて社会の諸問題の解決に挑む技術コンサルティングファームです。1956年に構造設計事務所として創業して以来、「大学、研究機関と実業界をブリッジする Professional Design & Engineering Firm」として、建設・防災、情報・通信、製造分野や意思決定支援など多様な領域に事業を拡げてきました。工学知をベースにしたエンジニアリングコンサルティングおよびプロダクツサービスの提供を通じて、複雑化する社会課題の解決に日々取り組んでいます。

  • この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。

管理会計システムを刷新するプロジェクト「KOHAKU(コハク)」

構造計画研究所は設立当初から、建物の構造計算に膨大な労力を費やさなくて済むようにと業界に先駆けてコンピュータの導入を進め、現在では人の意思決定を技術で支援する事業を展開するなど、先進的な取り組みが豊富です。

「物理的なものを工場で作るといったことではなく、人が知恵を絞っていろいろな技術を組み合わせお客様に良いものを提供するという、人が中心の会社です。人を大事にしながら、新しいことにチャレンジしていく社風がありますね」と、社内ICTセンターの持田尚幸センター長は語ります。

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同社の社内情報システムは、2000年頃にフルスクラッチで構築したものでした。しかしその後20年近く経った頃には、管理会計システムを見やすく根本的に改良していくことが求められるようになります。2022年に始動したシステム刷新プロジェクトに付けられたのが、「KOHAKU(コハク)」というコードネームです。

データを即時ビジュアル化していくことが、KOHAKUプロジェクトの重要なテーマの一つでしたが、膨大な処理を必要とするその根幹に採用されたのが Google Cloud でした。
事業の部門数も多い同社で、どの部門が好調なのかそうでないのか、リアルタイムで可視化できるため、経営層の方々からも高評価を得られているとのことです。

Googleとのカルチャーマッチとコスト面での優位性

もともと同社では2014年からメールやスジュール管理に Google を利用しており、その後 Google Workspace も使うようになっていたそうです。一方でKOHAKUプロジェクトでは、膨大なデータの分析が可能なプラットフォームが求められており、BIツールの導入が検討されることになりました。

2000年代の初め頃、当時世の中にあったBIツールを調べて試したときには、全社的に使用するには導入面と費用面のコストがネックとなり導入に至らなかった経緯がありました。しかしKOHAKUプロジェクトでBIツールを検討することになった2022年には、社員600人全員がGoogleアカウントを持っており、新規ライセンス契約や追加費用なしでBIツール Looker Studio を使うことができるという状況がありました。

さらに、他社クラウドを導入していても分析基盤は Google の BigQuery を使っている場合が多かったこと、そしてインストールの必要がなくWeb上で完結するクラウドであるということが決め手となり、せっかくなら Google のクラウドサービス全般をもっと上手く活用したいということになりました。
新しいことにチャレンジしていく社風ともマッチしたこの提案が採用され、Google Cloud の活用がスタートしました。

独学での構築も万全のセキュリティを担保

KOHAKUプロジェクトのためのGoogleクラウド環境は、当初、エンジニア出身である社内ICTセンター技術室の反後浩徳室長が独学で構築してきたものでした。リリースが近くなった段階で懸念事項にあがったのが、セキュリティの部分です。

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「以前のシステムは社内にサーバがありましたが、刷新するにあたっては管理会計という最高機密をクラウド上に上げることになります。セキュリティに関して本当に大丈夫と言い切れるかという懸念から、G-genのサポートを受けることにしました。設定を見てもらい、さらに良い提案をいただき、今は安心安全の体制です」と、反後氏が語ってくれました。

加えて、古くなっている場合も多いネット上の情報に対し、G-genからは常に最新の情報を得られるので、例えば Looker Studio でサービスアカウントを使う、VPC Service Controls と Access Context Manager を使用してアクセスを制限するなど、最新技術でセキュリティの担保を実現できているそうです。

株式会社構造計画研究所_構成図.png構成図

的確なアドバイスにより自立的な運用へ

G-genのアドバイスにより、「今後データが増えていったときにも、その状況に見合った設定を自分たちでできるようになりました」と反後氏は語ります。

「メモリについてはパフォーマンス抜群のBI Engineがありますが、それだけ費用もかかります。どのくらいBI Engineを使うかはこちらの責任で設定することになりますが、最適な設定はどこか、いわゆるコストバランスの検討が必要でした。G-genには一般的な決め方を教えてもらうのと同時に、KOHAKUでの使い方を見ていただき、どの程度の設定がいいか決めることができました」。

「そのアドバイスがなければ、ユーザーに遅いと言われてからの対応になっていたと思います。もしくは、全く必要のない高い設定にしてランニングコストを垂れ流していたかもしれません。G-genには考え方を教えてもらいました」。

本来必要な「考える時間」を確保

管理会計のデータについて、長年の課題であり夢であったリアルタイムの確認ができるようになり、「これまで見えなかった部分が可視化され、一日ずっと見ていられる」と、経営陣にもとても気に入っていただけているといいます。さらに部門からの発表資料にもKOHAKUのデータを活用する部門長がいて、今後はもっと活用の幅を広げていきたいとのことです。

「従来、部門長からは『データの集計や加工作業が仕事じゃない、課題をどうやって解決して今後伸ばしていくかを考えることに時間を使いたい』という声もありましたが、今ではレポートがすぐ出てくるようになったので、考える時間が増えてきていると思います」。

Google Cloud でさらにセキュアな環境に

今後の展望について尋ねると、「データが多くなると運用面やセキュリティの担保はさらに難しくなっていくと思いますが、今後もG-genとお付き合いさせていただき、新しい知見など得ながら進めていきたいですね」とのことでした。

さらには管理会計システム以外の、まだ社内にあるサーバーについて、「BCP対策が不十分という認識もあるので、そこを解消するために、必要なものについては Google Cloud にどんどん移していきたいと思っています」と反後氏。

続けて持田氏も、「クラウドに乗せてセキュアに上手く運用したいというのは、ある意味長年の希望なので、G-genさんに支援いただいて、スピーディーに進めていきたいです。そして運用・構築の仕方を教えてもらって、我々でやれるようになっていきたいですね」と語ってくれました。

人を大事にしながら最先端を走る構造計画研究所の、今後のますますの進化が楽しみです。

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