プライベートクラウドとパブリッククラウドの違いとメリット・デメリットについて徹底解説

プライベートクラウドとパブリッククラウドの違いとメリット・デメリットについて徹底解説

近年IT技術の進歩によって、多くの企業でクラウドサービスの活用や導入が促進されています。

しかし、未だに多くの企業でクラウド環境やサービスに対する理解が進まず、多様化するクラウドの特徴をつかめてない人も多いのではないでしょうか?

現在(2020年7月30日)、で導入されるクラウドサービスは、大きく分けると自社専用のクラウドサービスが構築できる「プライベートクラウド」と、不特定多数のユーザー間でクラウドサービスを共有する「パブリッククラウド」の2種類に分類することができます。

本記事では、プライベートクラウドとパブリッククラウドの違いについて、基本的な特徴をはじめ、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。

プライベートクラウドとは?

プライベートクラウドとは、企業が自社専用(専有)でクラウド環境を構築・運用するクラウドサービスのことを指します。

プライベートクラウドの特徴

プライベートクラウドの主な特徴は以下の通りです。

専用のクラウド環境が構築できる

プライベートクラウドは、自社専用のクラウドサービスを整備・構築する形態のことを指します。また最近の傾向では、自社内部にサーバーや回線といったインフラの構築及び運用を行う「オンプレミス型(所有)」*と、クラウド事業者が提供するクラウド環境に自社専用のクラウド環境を設ける「ホスティング(ホステッド)型(利用)」の2種類に分類することが出来ます。

*従来のオンプレミス型とは異なり、クラウドのサーバー環境を仮想化して自社内のエンドユーザーに提供。そのため、物理的なサーバー体制を構築する場合と異なり、クラウド環境に必要なリソースを迅速に提供することが可能。

用途に応じたシステムが構築・運用できる

プライベートクラウドでは、クラウドサービスを一から構築できるため、カスタマイズ性が高く、自社用途に応じた独自のシステムを作り上げることができます。

その他にも、従来の社内システムとの統合や互換性、独自のセキュリティーポリシーを適用できるなど、自社のクラウドサービスを運用する環境をより柔軟かつ自由に設計することが可能です。

プライベートクラウドのメリット

プライベートクラウドを活用するメリットについて解説します。

独自のクラウドサービスを構築できる

プライベートクラウドを利用する上での最大のメリットは、自社独自のクラウド環境を自由にカスタマイズできるため、安定的なシステム構成を構築できます。

特にオンプレミス型であれば、OSや仮想化環境の設定をはじめ、サーバーやストレージ、回線の設計など、細部にわたる箇所まで自由にカスタマイズ可能です。

高度なセキュリティ

プライベートクラウドは、自社専用のクローズドシステムのため、パブリッククラウドと比べて高度なセキュリティレベルを誇ります。

安定的にビジネスを運営していくためには、クラウドサービスで発生するセキュリティ上のリスクを最低限にすることが重要です。

その上で、プライベートクラウドでは、データの所在管理に対する懸念を払拭するだけでなく、自社内の専有かつ閉鎖的な環境で情報を管理できるため、より強固なセキュリティ体制を構築することができます。

プライベートクラウドのデメリット

自社独自のカスタマイズされたクラウド環境や、高度なセキュリティレベルを誇るプライベートクラウドですが、利用する上では把握しておくべきデメリットも存在します。

以下では、プライベートクラウドのデメリットについて解説します。

コストが高い

プライベートクラウドは、標準化されたシステムとは異なり、一から自社のビジネス要件や環境に適したシステムを構築するため、比較的に導入コストが高くなります。

また物理的なインフラの設置や、メンテナンス、セキュリティなど、またシステムを安定的に運用していくためには、専門知識を有する人材の配置も不可欠です。

そのため、自社独自のシステムを安定的に運用していくためには、高額なコストが発生します。

柔軟にリソースを追加・縮小できない

プライベートクラウドは、容量の増減や、定期的なリソースの追加及び縮小が難しいため、導入後は柔軟にリソースを変更することができません。

専門知識を要する

プライベートクラウドは、自社独自のクラウドサービスを自由にカスタマイズできる一方、安定的かつ効果的なシステム構成にするためには、クラウド環境に対する専門知識が必要になります。

パブリッククラウドとは?

パブリッククラウドとは、一般のユーザー及び企業向けなど、多くユーザーでクラウド環境を共有して使うことができるサービスを指します。代表的なパブリッククラウドサービスには、AWS(Amazon Web Services)やGCP(Google Cloud Platform)、IBM Cloudなどが該当します。

そのため、クラウド環境の構築に不可欠なサーバーやソフトウェア、通信回線などのリソースを持たずに、安定的なクラウド運用を行うことが可能です。

パブリッククラウドの特徴

パブリッククラウドの主な特徴は以下の通りです。

必要な分だけ利用することが可能

パブリッククラウドを利用するユーザーは、必要なときに、必要な分だけサービスを利用することが可能です。

そのため、急やアクセス数の増加や会員数の増減といったスケールイン(アウト)などの拡張性に優れており、迅速な対応を必要とするユーザーに適しています。

不特定多数のユーザーがどこからでも利用できる利便性の良さ

パブリッククラウドは、不特定多数のユーザーが、場所を問わず、どこからでも利用できるため、利便性の高いサービスと言えます。先述したプライベートクラウドとは異なり、利用できるオープンなクラウド環境が整備されていることから、機動的にクラウドサービスを使いたいユーザーには最適です。

パブリッククラウドのメリット

パブリッククラウドを使用するメリットは以下の通りです。

導入・運用負荷が少ない

パブリッククラウドの魅力は、なんといってもITサービスの調達を受けやすいことになります。

使いたい時に使えるだけでなく、オープン環境で提供しているサービスになるため、システムの構築や運用、OSのアップデートなどもベンダー側に一任できるため、導入コストや運用負荷を最小限に抑えてクラウド環境を使うことが可能です。

開発スピードの迅速化

プライベートクラウドと異なり、パブリッククラウドはオンラインで申し込むことができ、誰でもすぐに使うことができるため、開発スピードの迅速化を図ることができます。

またビジネス要件やニーズに応じて、適宜利用量も変更できるため、コスト削減にも寄与します。

柔軟な拡張性

標準化されたサービス及び機能を利用することができるため、ビジネス要件や用途に合わせた柔軟な拡張性を享受することができます。

またプライベートクラウドとは異なり、パブリッククラウドは従量課金制(データ容量に応じた定額プランも有り)をとっているサービスが多いため、柔軟に容量だけでなくコストも決定することができます。

パブリッククラウドのデメリット

パブリッククラウドは、柔軟かつコストパフォーマンスに長けたクラウド環境である一方、利用する上では注意すべき点も存在します。

以下では、パブリッククラウドのデメリットについて解説します。

カスタマイズ性が低い

パブリッククラウドは、クラウドサービスを不特定多数のユーザーで共有するため、企業ごとに自由にカスタマイズすることができません。

ある程度仕様の決まった中で、システムを設計することになるため、既存のビジネス環境に適していないことも想定されるため注意が必要です。

システム障害やトラブルの対処ができない

パブリッククラウドは、ベンダーが提供するサービスや環境に対する依存度が高いため、障害発生時や予期せぬトラブルが起こった際は、自社でそれらの対処ができず、基本的にはベンダーの復旧連絡を待つ形になります。

そのため、有事の際に状況の把握が難しい点や、システムを思い通りに利用できない点はパブリッククラウドのデメリットと言えるでしょう。

既存のサービスと互換性がない場合も…

パブリッククラウドはプライベートクラウドとは異なり、クラウド環境の構築において自由度やカスタマイズ性に欠けるため、既存のサービスとの互換性がないことがあります。

このサービスには対応しているのに、このソフトは対応していないと言ったケースも多く見られるため、パブリッククラウドに移行を検討される場合は、既存のサービスとの互換性についても事前に確認するようにしましょう。

プライベートクラウドとパブリッククラウドの違いとは?

プライベートクラウドとパブリッククラウドの違いは「共有」と「専有」です。プライベートクラウドは、自社独自のクラウドサービスを構築できるだけでなく、高度なセキュリティ環境や一貫した操作性を確保することに長けています。

また、クラウドを利用する領域(プロセス)が多岐にわたる場合や、管理するデータの徹底や、情報漏洩の防止、高度なセキュリティレベルを必要とするビジネスを行う場合は、企業の特徴に合わせたシステム構築や運用が行えるプライベートクラウドがおすすめです。

対するパブリッククラウドは、導入及び運用コストや負荷を最小限に抑えることができ、必要な分だけ利用することが可能なため、ビジネスに柔軟性と機動性をもたらします。

そのため、コスト(初期投資/運用・管理)を最小限に抑えたい場合や、業務領域の拡大や追加、縮小が定期的に必要になることが想定される場合は、必要な分を柔軟に変更できるパブリッククラウドを使うことをおすすめします。

まとめ

本記事では、クラウドサービスの中でも、プライベートクラウドとパブリッククラウドの違いについて、基本的知識をはじめメリットやデメリットの観点から解説してきました。

今後クラウド環境を適切に構築できているかは、ビジネスの持続性や発展する上では不可欠な要素になります。そのため、ビジネス要件や用途にあわせて、クラウドサービスを共有すべきか、専有すべきか見極めることが重要です。

この記事を機に、クラウド環境の構築だけでなく、より一歩踏み込んだクラウドサービスの選択を検討してみてはいかがでしょうか。

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