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【2020年最新】GCPとAWSでの利用料の費用(コスト)比較をしてみた!
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2020年現在、顧客に提供するITサービス構築を始める際、コスト面や構築スピードの面から、GCPやAWSといったパブリッククラウドサービスの利用を検討することが多くなっています。
少しでも安くITサービスを構築するには、どのパブリッククラウドを利用すればいいか、悩んだ経験はございませんか?
本記事では、GCPとAWSそれぞれ、どのような点にお金がかかり、利用コストにどれくらいの差があるのか、詳しく記載していきます。
目次
GCPとは?
コストの比較をする前に、GCPとAWSについて、どのようなクラウドサービスなのか、軽くおさらいをしていきます。
GCP(Google Cloud Platform)は、Googleが提供するクラウドサービスです。
現在クラウドサービスのシェアは世界第4位になります。
TensorFlowやBigQueryといった大規模なデータ分析やAI、Kubernetesといったコンテナ管理など、最先端の分野に強みがあります。
AWSとは?
AWS(Amazon Web Services)とは、通販大手Amazonの子会社であるAmazon Web Services社が提供するクラウドサービスです。
2006年よりサービスが開始され、現在クラウドサービスのシェアは世界第1位になります。
5G通信や人工衛星、量子コンピュータといった最新技術など、ほとんどすべての領域のITサービスを利用できるのが特徴です。
主要なサービスのコスト比較
それでは、GCPとAWSについて、ITシステム構築の上でよく使うサービスのコストについて比較をしていきます。
前提として、両者とも、東京リージョンでの料金を比較していきます。
コンピューティング
GCPのコンピューティングエンジンであるGCEと、AWSのコンピューティングエンジンであるEC2のコストについて比較します。
GCPもAWSも、オンデマンド(使った分だけ課金する料金体系)と、リザーブド(1年の利用を確約する料金体系)で比較をしたいと思います。
両者ともOSはLinuxとして、比較していきます。
クラウド | GCP(オンデマンド) | AWS(オンデマンド) |
---|---|---|
コンピューティングエンジン | GCE | EC2 |
マシンタイプ | n1-standard-2(2vCPU、メモリ7.5GB) | m5.large(2vCPU、メモリ8GB) |
SSD | 750GBのインスタンス2台 | SSDは750GBのインスタンス2台 |
OS | Linux | Linux |
1ヶ月あたりの料金 | 280.56ドル | 290.16ドル |
クラウド | GCP(リザーブド) | AWS(リザーブド) |
---|---|---|
コンピューティングエンジン | GCE | EC2 |
マシンタイプ | n1-standard-2(2vCPU、メモリ7.5GB) | m5.large(2vCPU、メモリ8GB) |
SSD | 750GBのインスタンス2台 | SSDは750GBのインスタンス2台 |
OS | Linux | Linux |
1ヶ月あたりの料金 | 211.10ドル | 237.60ドル |
となり、GCPのほうが少々安い、という結果になりました。
ストレージ
GCPのストレージサービスであるCloud Storageと、AWSのストレージサービスであるS3を比較します。
長期保管なしで、1TBを保管するとします。
クラウド | GCP | AWS |
---|---|---|
ストレージサービス | Cloud Storage | S3 |
1ヶ月あたりの料金 | 23.44ドル | 25.60ドル |
ほとんど変わりませんが、GCPのほうが少々安い結果となりました。
なお、AWSはS3の使用プランがGCPよりも用意されているため、要件によってはGCPより安くなることもあります。
しかしながら、単純な利用ではGCPのほうが安いということがわかりました。
リレーショナルデータベース
AWSのリレーショナルデータベースであるRDSと、GCPのリレーショナルデータベースであるCloud SQLを比較します。
両者ともオンデマンド(使った分だけ課金する料金体系)の料金として比較を行い、可用性確保のため、AWSはマルチAZ、GCPはHAの設定を通用にします。
クラウド | GCP | AWS |
---|---|---|
リレーショナルデータベース | Cloud SQL | RDS |
使用データベース | MySQL | MySQL |
インスタンスタイプ | db-n1-standard-2(2vCPU、メモリ7.5GB) | db.m5.large(2vCPU、メモリ8GB) |
データ容量 | 1000GB | 1000GB |
バックアップデータ | 1000GB | 1000GB |
1ヶ月あたりの料金 | 796.38ドル | 1,333.20 ドル |
RDSのサービスに関しても、GCPのほうがAWSよりも安い結果となりました。
データ転送
GCPとAWSのデータ転送料金について比較します。
GCP、AWSともに、クラウドの内部から外部へ通信する場合に課金が発生します。
1月あたり1TBのデータが外部へ通信される場合について比較を行います。
GCPはInternet Egress、AWSはAWSの仮想ネットワークサービスであるVPCで比較します。
クラウド | GCP | AWS |
---|---|---|
データ転送サービス | VPC | Internet Egress |
1ヶ月あたりの料金 | 112.64ドル | 116.62ドル |
両者ともあまり変わりませんが、GCPのほうが若干安い結果となりました。
ロードバランシング
GCPの負荷分散サービスであるCloud Load Balancingと、AWSの負荷分散サービスであるELBを比較します。
AWSはELBの中でもALB(Application Load Balancer)とし、AWSとGCPは1時間当たり1GB(=1月あたり730GB)のデータを負荷分散させるとします。
クラウド | GCP | AWS |
---|---|---|
負荷分散サービス | Cloud Load Balancing | ELB |
1ヶ月あたりの料金 | 36.38ドル | 23.58ドル |
AWSのほうが安い結果となりました。
ユースケースで見たコスト比較
では、実際にGCPとAWSでITシステムを構築する場合のユースケースでコストを比較してみます。
今回は、標準的な3層WebアプリケーションのシステムをAWSまたはGCP上に構築することとします。
では、実際に比較していきましょう。
- サーバ
Webサーバ2台、アプリケーションサーバ2台とします。
GCPはn1-standard-2、AWSはm5.largeのインスタンスタイプを選択し、
それぞれ1年のリザーブド、ディスクは750GBを付与するとします。 -
ロードバランシング
それぞれ1台ずつ負荷分散のインスタンスを構築するとします。
データは1時間あたり1GBとします。 -
ストレージ
ログの保管を目的とし、両者1月あたり3TB利用するとします。 -
リレーショナルデータベース
データ容量1000GB、バックアップデータ1000GBとし、
両者とも可用性を考慮してGCPはHA、AWSはマルチAZの設定を通用にします。
また、Cloud SQLのMySQLとし、インンスタンスタイプはdb-n1-standard-2(2vCPU、メモリ7.5GB)とします。
AWSはRDSのMySQLインスタンスとし、Aインスタンスタイプはdb.m5.large(2vCPU、メモリ8GB)とします。 -
データ通信
両者とも、クラウドから外部への通信を1月あたり1TBとします。
さて、結果はどのようになったのでしょうか。
以下の表に見積もりの結果をまとめてみました。
クラウド | GCP | AWS |
---|---|---|
サーバ | 422.21 | 475.20 |
ロードバランシング | 36.38 | 23.58 |
ストレージ | 70.66 | 76.80 |
リレーショナルデータベース | 796.38 | 1,333.20 |
データ通信 | 1,126.40 | 1,167.25 |
合計 | 2,452.03 | 3,076.03 |
※単位はUSD,1月あたりの料金
このように、GCPの方がAWSよりも安い値段でITシステムを構築することが可能です。
高額請求を招く落とし穴
AWSよりGCPが非常にお得になるように見えますが、ここでは、使い初めに陥りがちな高額請求の原因について記載していきます。
セキュリティキーの漏洩
GCPの認証情報をアプリケーションなどにコーディングしたまま、GitHubの公開リポジトリのような、世界中で閲覧が可能な環境にPushしてしまうと、認証情報が悪用されてしまいます。具体的には、サービスアカウントの秘密鍵(JSONファイル)や、Google Cloud SDKの認証情報などは流出させないようにしましょう。
世界中では、このようにミスで流出した認証情報を悪用し、GCEのインスタンスを複数立ち上げて仮想通貨のマイニングなどを行う集団がいます。
そのような集団に認証情報を悪用されると、利用額が高額になってしまいます。
BigQuery
GCPのサービスの中でも非常に優れているのがBigQueryと呼ばれるサービスです。数億行にもおよぶデータを分析する場合でも、最短で数秒で終わってします。
AWSにおいて、似たようなサービスにAthenaが存在しますが、BigQueryはAthenaの数倍分析スピードが速く、コストも安価です。
しかしながら、こちらは数TBにおよぶデータに対して頻繁に分析を行ってしまうと、思わぬ高額課金が発生してしまうので注意が必要です。
BigQueryは、1TBの分析あたり5ドル課金が発生します。
例えば、10TBのデータを分析すると1回で50ドルの課金が発生してしまいます。
BigQueryは大変便利で高速な分析サービスですが、分析対象を選別するなどしてコストを抑えましょう。
こんなところもGCPは優れている
コスト管理という面では、GCPはAWSと比較して、まだまだ優れている点があります。具体的に記載していきます。
永久無料の利用が可能
GCPには、AlwaysFreeといわれる、永久に利用しても一切料金がかからない使い方が可能です。これはAWSにはない料金体系になっています。
AlwaysFreeの対象としては f1-microのサーバをus-west1、us-central1、us-east1のいずれかのリージョンで構築した場合のみ有効です。
ちょっと調べ物をしたいときや、お試しにサーバを触ってみたいときなどに、AlwaysFreeを利用するといいでしょう。
わかりやすい無料使用枠
GCPは12か月間、300ドル分だけ無料で使用することが可能です。クレジットカードを登録することで、無料トライアルがスタートします。300ドルという明瞭な点もいいですが、無料枠を使用しきっても、課金が勝手に開始されない点が非常にすばらしいです。
AWSも同様に無料の利用枠がありますが、サービスごとに無料の利用枠が設定されており、少々わかりにくい場合があります。
また、AWSは利用枠をオーバーすると課金が始まります(事前にメール等で通知は行われます)。加えて、ElasticSerchServiceなど、無料枠が設定されていないサービスもAWSにはあります。
GCPは300ドルまでであれば、どのサービスを利用しても無料になる点がメリットです。
パブリッククラウドを利用するにあたり、いきなり高額な請求が来ないか心配している方でも、GCPは安心して利用を開始することができます。
プロジェクト単位の管理でリソース消し忘れを防止
課金単位はGCPとAWSで大きく異なっています。AWSは「アカウント」の単位で課金が行われますが、GCPは「プロジェクト」の単位で課金が発生します。「プロジェクト」とは、GCPのサービスを利用するにあたって、ユーザー管理と課金を行うための単位です。
したがって、開発者はプロジェクト毎にユーザー管理や課金が別個に行えるため、課金の管理が容易になります。
また、リソースを消したい場合はプロジェクトを削除すると、プロジェクト居紐づいたリソースはすべて削除されます。
AWSだとそのようなことはできず、リソースの消し忘れにより課金が発生してしまうことがしばしばありますが、GCPではそのような消し忘れによって余分な課金が発生してしまうことは起こりません。
まとめ
GCPとAWSを比較していきました。
AWSが扱う、人工衛星や量子コンピュータといったサービスも魅力的ですが、一般的なITシステムの構築ではGCPのほうが安価になる場合があります。
ITシステムの構築の際は、ぜひGCPを検討対象としてみてはいかがでしょうか?
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