なぜ人命救助の現場で GCP が選ばれるのか? GCP の信頼性とセキュリティについて

なぜ人命救助の現場で GCP が選ばれるのか? GCP の信頼性とセキュリティについて

この記事は2014年8月と2018年3月頃に Google Cloud Platform Japan Blog で公開された記事をもとに編集・執筆しています。

はじめに

クラウドサービスの Google Cloud Platform (GCP)は、 IT 業界で利用されるイメージがありますが、 IT 業界だけでなく、様々な業界で利用されています。医療業界においても GCP の利用が進んでいます。今回は、医療業界において GCP が選ばれる理由を説明します。

医療業界でも広がる GCP の利用

広島市に拠点を置く「株式会社エムネス」(以下、エムネス)では、診察から治療に至る一連の医療行為の中で、CT や MRI などの「画像診断」に特化している企業です。エムネスでは、病院とアウトソーシング契約を結び、画像診断を代行しています。

医療業界において、 画像診断に特化しているエムネスでは、2014年に GCP の導入を行いました。また、クラウドの導入を機に、日本で先進的ともいえる放射線画像診断と病理診断を統合した診断システムを構築しました。

エムネスでは、診断システムを開発するにあたり、Google Cloud Platform の PaaS 部分である Google App Engine、 IaaS 部分である Google Compute Engine、ストレージの Google Cloud Storage 及び Datastore、Search API 等を、それぞれの利点にあわせ組み合わせてクラウド基盤として採用しました。

画像診断は画像を開く時間の短縮と素早い検索が課題

画像を診断する際には、多数の検査画像を次々とチェックする必要がありますが、医師にストレスを与えないよう、画像を開く時間を短縮することが至上命題でした。この難題は、自動的にスケールアウトし高速性のある Google App Engine が解決しました。また、Chrome ブラウザ上で画像を参照するための画像変換については、仮想マシンインスタンスが選択できる Google Compute Engine を利用し、処理を行っています。

さらに、画像診断では、過去のレポートを診断名や患者名などを基に素早く検索できることで、より迅速に、より正確な診断が可能となりますが、エムネスでは、今後、何十万・何百万件とレポートデータが増えた時のために、Googleの検索機能とそのスピードに期待しています。

エムネスが構築したこの診断システムを採用した医療機関では、遠隔診断放射線画像と病理画像を統合画面で表示迅速で高品質な診断を実現し、患者の不安を低減することにつながっています。

医療業界に GCP が選ばれる理由

先ほど紹介したエムネスでは、以下の6つの観点から GCP を採用することを決定しました。

1. 短期かつ安価にシステム構築が可能

自社サーバを構築するとなると、設計期間、ハードウェアの購入に際しての時間がかかり、また、可用性・拡張性・事業継続性を見据えた場合、システム基盤構築にかかる投資が多大となりますが、クラウドの場合、小規模小額からスタート可能です。

2. アクセス数の増加にも難なく対応

クライアントからのアクセス数の増加に伴い、Google App Engine は自動でスケールアウトし、読影医が放射線画像を診断する際も、短時間で複数の画像や所見を参照可能です。

3. セキュリティと信頼性

Google が Gmail などに使用しているインフラと同じものを利用できるため、高いセキュリティと、システムダウンの可能性が非常に少なく信頼性が高い点が医療情報を扱う上で重要と考えました。

4. 優れた検索機能との連動

Google Cloud Platform 導入の検討にあたり、「数十万件のデータを検索し、数秒で検索結果が出た」デモを見ました。エムネスでも、大量の検査画像・所見データを扱うため、この検索機能を重要視しました。

5. IT 担当者が、アプリケーションの開発に専念することが可能

PaaS の「Google App Engine」は、サーバやミドルウェア環境の完全なマネージドサービスを提供しています。そのため、アプリケーションの開発に専念することができます。また、開発したアプリケーションの動作を直ぐに確認することができるため、「診断医サイドの思い」と「開発サイドで作ろうとしているもの」が同期したシステムを構築可能でした。

6. 開発したアプリケーションの動作を直ぐに確認できる

開発したアプリケーションの動作を直ぐに確認することができるため、「診断医サイドの思い」と「開発サイドで作ろうとしているもの」が同期したシステムの構築が可能です。

エムネスがクラウド導入を検討していた頃、病理診断の専門医との連携を模索していました。近年、病理診断は、デジタルファイル上に表示された標本をモニター上で見て、診断できるようになっています。

そのため、エムネスは、もともとデジタルだった放射線画像と病理画像を統合した診断システムをクラウド化と同時に開発することにしました。画像診断医が病理診断結果を参照し、病理診断医が画像診断結果を参照する。両者がお互いの知恵を共有することにより、より迅速かつ正確に診断できるようになります。

このシステムは、アプリケーションを迅速に構築しながら、診断医に直ちに確認してもらうという形で開発を続けたいという要求がありつつ、医療情報を扱うために高度なセキュリティや法令への準拠が求められます。このようなシステムを構築する基盤として、 GCP は適していたのでしょう。

高いデータセキュリティと法令準拠に対処

Google では医療業界に対して、 GCPを業界最良のプラットフォームとすることに力を注いでいます。医療業界において、扱うものが患者データと請求書データのいずれであっても、関連するデータ セキュリティとコンプライアンスの要件に適切に対処できていなければ、その医療ソリューションは完全だとは言えません。

GCP は、保存データと転送データの両方を対象とするデフォルトでの暗号化、信頼性の高いサーバー・ブート、データ漏洩防止ツールなど、市場をリードする最先端のセキュリティ テクノロジーを提供しており、コンプライアンス対策に取り組む利用者を強力に支援しています。

Google では、 HIPAA (米国における医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令)に準拠し、サービスの開発に努めています。

まとめ

今回は、医療業界においても GCP の利用が広がっている状況を説明しました。 GCP は拡張性が高いという特徴があります。また、医療業界というシステムを止めることが許されない現場においても、Google が確立した高い可用性・セキュリティが担保されていることにより、安心して利用できるようになっています。このような特徴から、GCP は医療業界において、今後さらに利用が拡大していくことでしょう。

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