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自動運転と GCP - あまり知られていない自動運転分野での GCP の活用
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この記事は2016年12月、2017年7月頃に Google Cloud , Google Cloud Platform Japan Blog , MarkeZine で公開された記事をもとに編集・執筆しています。
はじめに
近年、自動車の自動運転への開発が進んでいます。実は、自動運転分野においても、 Google Cloud Platform (以下、 GCP )が活用されています。今回は、自動運転分野における GCP の活用事例を紹介します。
目次
コネクテッドカーアプリでの活用事例
IoT(モノのインターネット)により、自動車は、輸送だけを目的とした日常品から、インターネットに接続され双方向通信も可能なパソコン等と同じネットワーク端末へと変わろうとしています。最新のコネクテッドカーが作り出す新しいデータの流れは、利用状況に応じた自動車保険を実現するなどの革新的なビジネスモデルを生み出すだけではありません。新しい車内での体験を実現し、自動運転や V2V(vehicle-to-vehicle)コミュニケーションといった先進的な技術の基礎を築こうとしています。
このようなコネクテッドカーによる世界を現実のものとするために、 GCPも活用されています。
データ処理分野での GCP の活用
まずは、データ処理の分野です。自動車は 1 日に 1 台で 560 GB ものデータを生成すると言われています。これだけ多量のデータを処理できれば、大きな可能性見出します。しかし、それは可能性を秘めていると同時に、車両データの接続や管理を行うプラットフォームが、次のような難題を抱えるということも意味します。
デバイス管理 :
あらゆるプラットフォームにデバイスを接続できるようにするには、認証、権限付与、更新ソフトウェア有無の通知、構成、モニタリングを行う必要があります。これらのサービスは、数百万のデバイスに接続可能にできるようにしておかなければいけないだけでなく、いつもそれらのデバイスが利用できる状態にしておく必要があります。
データインジェスト :
デバイスに対するメッセージを確実に受信し、処理して保存できるようにしておかなければなりません。
データ分析 :
事象、許容誤差、傾向、発生し得る障害に関する知見を得るため、ただデータを保存するだけでなく、デバイスが生成する時系列データの複雑な分析が必要になります。
アプリケーション :
ビジネスレベルのアプリケーションを開発し、既存のシステムのデータソースやオンプレミスデータセンターのデータソースに統合できるようにしなければなりません。
予測モデル :
ビジネスで利用できるレベルの結果を予測するためには、現在のデータおよび履歴データに基づき予測モデルを開発する必要があります。
Google Cloud サービスを使ってコネクテッドカープラットフォームを実装
GCP サービスでは、Google のセキュリティモデルを活用し強固なコンピューティングプラットフォームを提供します。Google Cloud サービスを使ってコネクテッドカープラットフォームを実装する方法を以下に紹介します。
デバイス管理 :
強固で安心なデバイス管理と通信において、世界中あらゆる地域に分散されたデバイスと GCP を安全に接続して一元管理する作業を Cloud IoT Core により単純化できます。IoT Core Device Manager がデバイスの認証と権限付与を提供し、IoT Core Protocol Bridge が自動車とプラットフォームの間のメッセージ送受信を可能にします。
データインジェスト :
Cloud Pub/Sub が提供する拡張可能なデータインジェストポイントは、自動車から送信された膨大な量のデータ処理に対応できるようになっています。また、時系列データの格納と分析には、Cloud Bigtable の拡張可能なストレージサービスが最適となるようになっています。
データ分析 :
Cloud Dataflow は、自動車のデバイスデータと企業の車両および顧客データを結合するデータパイプラインを処理するだけでなく、結合後のデータを BigQuery に格納します。BigQuery は、強力な分析エンジンサービスであるとともに、Tableau、Looker、Qlik などの視覚化ツールとの統合を提供します。そうすることで、利用企業には、大量のデータを用いた高度なデータ分析を可能とします。
アプリケーション :
Compute Engine と Container Engine、および App Engine というサービスにより、コネクテッドカープラットフォーム向けの計算に必要な機能を提供します。
予測モデル :
TensorFlow と Cloud Machine Learning Engine が、洗練されたモデリング フレームワークと拡張可能な実行環境を提供します。
自動車がインターネットと接続されることで、システムの高度なサービスを提供できるモバイル・テクノロジー・プラットフォームが組み込まれた、洗練された IoT デバイスとなりつつあります。そのような状況に対して GCP は、高度なヘッドユニットから低消費電力のシンプルなセンサーまで広く IoT デバイスの接続に対応するだけでなく、安全かつ強固で拡張性のあるプラットフォームを提供します。
GCP を使ったドローンとクラウドサービスによる産業用基盤の構築
エアロセンス株式会社は、自律型無人航空機( UAV )いわゆる「ドローン」とクラウドサービスを組み合わせたソリューションを提案するスタートアップ企業です。自動運転カーや各種ロボティクス事業で知られる株式会社 ZMP とソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社が共同出資する形で 2015 年 8 月に設立されました。
エアロセンス社の中心的業務となっているのが、ドローンを使った測量事業です。土木建設現場などの上空にドローンを飛ばして自動撮影した写真をクラウド上で計算し、従来だと一ヶ月かかっていたような測量を、数日で行える事業を展開しています。3D モデルの精度も数 cm 程度の誤差におさまっているだけでなく、土量計測に関しても精度の桁が上がりました。
エアロセンスでは、ドローンからクラウドアプリまで全体システムを自社で設計しています。そのため、ドローンの飛行に限らず様々な処理を自動化・最適化するだけでなく、効率的かつ精度の高いオペレーションを実現することができています。
Google App Engine が開発作業へ集中することを実現
エアロセンスでは、自社のシステムに利用するプラットフォームに GCP を選んでいます。 GCP を選んだ理由に、 Google App Engine (以下、 GAE ) を挙げています。エアロセンスは、少人数のベンチャー企業であり、サーバーの運用に人員を割くことができませんでした。GAE であればミドルウェアのアップデートの実施や、インフラの一時停止に伴うお客様へのご案内などに時間を割く必要がなく、運用への負荷を減らすことが出来ます。GAE を利用することで、運用に割いていた稼働を開発に集中することができるようになっています。
それだけではありません。 GCP を使い始めたエアロセンスでは、使い続けていく中で、その先進性が同社業務に大いに役立つということに気がつき始めました。
GCP は単なる自社で開発していたオンプレミスの置き換えではなく、“今までできなかったこと”をできるようにしてくれるのがものだと考えるようになったそうです。その例として Google Cloud Vision API や TensorFlow を挙げています。これをエアロセンスのサービスに組み込むことで、空撮写真のどこに何があるのかを自動検出できるようになりました。エアロセンスでは、広大な設備の管理をドローンで行うというサービスもすでに提供しています。広い敷地内で発生する異変を人間の目で漏らさずチェックすることには多大な労力が必要となりますが、Googleのテクノロジーの力を借りることで、効率化が可能となりました。
エアロセンスのエンジニアチームでは、撮影・処理された空撮データをクラウド上で解析し Web アプリケーションとして顧客に提供する仕組みにも取り組んでいます。
バックエンドのデータ解析だけではなく、Web アプリケーションでも、GCP を使っています。GCP を利用することで、ソフトウェア開発者の気持ちをよく理解して作られた開発環境とヘルプがあるおかげで、エアロセンスのエンジニアチームは開発効率が高くなりました。
まとめ
今回は、自動運転分野における GCP の活用事例を紹介しました。自動運転分野は、高齢化や過疎化対策、危険運転防止など、運転の省力化としてだけでなく様々な問題への解決策になることが期待されており、活用が進む分野です。自動運転が発展し続けるとともに、自動運転と GCP の相性が良いことから、 自動運転において GCP の採用が拡大していくことも見込まれます。 GCP は、あらゆる分野で活用できるため、まずは、GCP の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
参考記事
- Googleが火をつけた自動運転競争、自動運転とビッグデータ×AIの深い関係とは?
- ソリューション ガイド : Cloud IoT Core でコネクテッドカー アプリを構築
- 独自のドローンとクラウド サービスによる産業用ソリューションの基盤を Google Cloud Platform で
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