マルチクラウドとは?メリット・デメリットや活用に向けた5ステップまで徹底解説!

マルチクラウドとは?メリット・デメリットや活用に向けた5ステップまで徹底解説!

昨今、新型コロナウイルスの感染拡大などをはじめとして、社会環境が大きく変化しています。このような変化に迅速かつ柔軟に対応するためには、クラウドの有効活用がとても重要であり、クラウドの中でもマルチクラウドに大きな注目が集まっています。

本記事では、マルチクラウドとは何か?という基礎的な内容から、マルチクラウドのメリットやデメリット、活用に向けた5ステップなど、あらゆる観点から一挙にご紹介します。

マルチクラウドとは?

マルチクラウドとは、複数の異なる事業者のクラウドサービスを組み合わせて、各社の良い箇所を活用し、より最適な運用環境を構築する方法を指します。

一般的に、ハイブリッドクラウドと同義語として扱われるケースがあるものの、主に複数の事業者(ベンダー)から提供されるパブリッククラウドを併用しながら最適化を図る運用方法をマルチクラウドと呼ぶ場合が多くなっています。

また、プライベートクラウドとは異なり、事業者から提供されるクラウド環境やサービス領域を統合せずに活用するため、バックアップやリカバリー体制の構築、業務プロセスやフェーズごとの利用など、多目的な場面で最適なクラウド環境を設計することができます。

マルチクラウドとハイブリッドクラウドとの違い

マルチクラウドと混同しやすい言葉として「ハイブリッドクラウド」が挙げられます。ハイブリッドクラウドとは、プライベートクラウドやパブリッククラウドなど、異なるサービスを組み合わせて活用するクラウドの運用形態を指します。

マルチクラウドとハイブリッドクラウドの違いは、複数のベンダーから提供されるクラウド環境を、ビジネス要件や目的に応じて「併用」させているか、「混合」させているかで明確な違いがあります。

マルチクラウドは、複数のベンダーから同一タイプを併用するため、業務プロセスやフェーズによって同時利用したり、大規模な障害が発生した際でも早急なリカバリーが行えるため、ビジネスに支障をきたすことなく最適な環境で運用することが可能です。

一方、ハイブリッドクラウドは、主にプライベートクラウドとパブリッククラウドを混合させ、それぞれを相互接続する形でシステムを構築するため、コストを抑えながらデータ管理の安全性やリスク分散を確保することができます。

このように、マルチクラウドとハイブリッドクラウドは異なるものとして区別されています。それぞれの特徴や違いを正しく理解しておきましょう。

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マルチクラウドのメリット

マルチクラウドを導入することで、企業はどのようなメリットを享受できるのでしょうか。代表的なものをいくつかご紹介します。

自由にカスタマイズできる

クラウド環境を選定する場合、各ベンダー独自の機能や価格、 IoT や AI 、ブロックチェーンといった先端技術の採用状況などを、ビジネス要件と照らし合わせて総合的に判断することになります。

しかし、マルチクラウドであれば、複数のベンダーのクラウド環境や機能、サービス特性など、それぞれの利点を組み合わせて、自社独自のカスタマイズを構築できます。そのため、用途に即した独自性あるクラウド環境をカスタマイズして構築することが可能です。

ベンダーロックインを回避できる

ベンダーロックインとは、特定のベンダー及びサービスの機能や技術に依存してしまい、システムの柔軟性が失われる問題です。具体的には、予期せぬサービス終了や価格改定などが該当しますが、ベンダーへの依存度が高い場合、ビジネスに与える影響度もそれに応じて高くなるリスクが存在します。

しかし、複数の異なる事業者のサービスを併用して使用できるマルチクラウドは、各ベンダーの依存性を低減できるため、ベンダーロックインの回避を実現でき、その結果として安定的なビジネス継続に繋がります。

リスク分散

マルチクラウドであれば、複数ベンダーを併用することから、システムの冗長化バックアップやリカバリーといったリスク分散が容易になります。大手が提供する信頼性の高いクラウドモデルであっても、障害発生時にシステムダウンや十分なバックアップ体制やリカバリー体制が構築されているとは限りません。

しかし、マルチクラウドは複数のベンダーから同一タイプのサービスを利用するため、リスクを分散するだけでなく、ビジネスの可用性を確保することに寄与します。

マルチクラウドのデメリット

マルチクラウドには、メリットだけではなくデメリットも存在します。導入後に慌てないよう、事前に内容を理解しておきましょう。

運用負荷が大きい

マルチクラウドは同時に複数のサービスを併用するため、クラウドの管理コンソールが多様化することから、運用自体が複雑化したり、運用負荷が増大する恐れがあります。

リスク分散や BCP 対策冗長化に優れるといった側面を有する一方、多様化したマルチクラウドの運用を行う際は、複数のクラウド環境を一元化して、管理運用できる体制を整備することが重要です。

運用コストが高い

多機能を有するマルチクラウドですが、複数のベンダーからサービスの提供を受けることで、運用コストが割高になるケースがあります。

またマルチクラウドの特性上、複数のクラウド環境を利用することから、通常受けられるディスカウントが得られないことから、結果的にイニシャルコストも増大する可能性もあるため、一貫してコストが増えるデメリットが挙げられます。

セキュリティリスクが高まる可能性がある

マルチクラウドは複数のクラウド環境を併用することから、セキュリティ基準や対象が増加することでセキュリティ強度の脆弱性がリスクになる点が挙げられます。

リスク分散の観点からは有効性があるマルチクラウドですが、複数のクラウド環境を併用することに比例して管理が複雑化します。当然、利便性を図るために、共通のIDやパスワードを設定すればリスクは高まります。セキュリティ強化とシステムの利便性を同時に向上させるためには、従来のセキュリティ対策とは異なる管理体制を構築することが重要です。

マルチクラウドでできること

マルチクラウドを導入することで、どのようなことが実現できるのでしょうか。具体的な内容を見ていきましょう。

サービスごとにクラウド環境を使い分けできる

マルチクラウドを活用することで、サービスごとにクラウド環境を使い分けできます。例えば、社内システムと外部向けサービスに異なる OS を採用している場合や、利用中のソフトウェアのバージョンが違う場合などに効果を発揮します。

機能ごとにクラウドサービスを使い分けできる

マルチクラウドでは、サービス単位だけではなく、機能単位ごとに複数のクラウドを使い分けることができます。近年、 AI や IoT などの新技術を活用するため、それぞれに対応しているクラウドサービスを使う場面があります。

このようなシーンでマルチクラウドを活用すれば、例えば、音声認識が優れている A 社のクラウドサービスと、チャットボットが優れている B 社のクラウドサービスを併用し、自社の生産性をより向上させることが可能です。

グローバルな拠点展開を実現できる

グローバルな拠点展開を検討している企業では、各国の法規制対応(データは国内のデータセンターに保存する必要がある等)が大きな問題になります。しかし、マルチクラウドを活用することで、日本向けのサービスと国外向けのサービスでクラウド環境を分けられるため、法規制にも柔軟に対応できます。

障害などのリスクを分散できる

障害やトラブルでクラウドサーバーが停止した場合、自社のビジネスが停滞するリスクがあります。しかし、マルチクラウドは特定のベンダーに依存しないため、リスク分散やリカバリ対応を柔軟に行うことができ、より安定的にシステムを運用可能になります。

マルチクラウド活用の5ステップ

マルチクラウドを活用する際は、次の5ステップで順番に進めていきます。

各ステップについて順番に見ていきましょう。

1.自社課題の見える化

まずは自社の課題を見える化することが大切です。課題や問題点を正しく把握してこそ、自社に最適なマルチクラウドの構成を検討できるため、多角的かつ慎重に検討しましょう。この最初の作業がマルチクラウド導入の成否を分かつと言っても過言ではありません。

2.マルチクラウドの必要性を検討

課題を見える化できたら、次はマルチクラウドの必要性を検討してください。課題の内容によっては、マルチクラウドよりも他の方法が効果的なケースもあり得ます。そのため、本当にマルチクラウドが課題解決に有効なのか?という目線で慎重に考えることが大切です。

3.複数クラウドサービスを比較

マルチクラウドの導入が決まったら、複数のクラウドサービスを比較検討しましょう。一口にクラウドサービスと言っても、その種類は多岐にわたりサービスごとに特徴や強みは異なります。そのため、様々なサービスをチェックした上で、自社に最適なものを選択してください。

4.運用管理の方法決定

導入するクラウドサービスが決定した後は、具体的な運用管理の方法を決めていきます。マルチクラウドは複数クラウドを並行的に稼働させるため、一般的に運用負荷・管理負荷が大きくなる傾向にあります。実運用後の稼働を具体的にイメージして、極力手間の掛からない方法を検討しましょう。

5.移行計画の策定

運用管理について内容が固まったら、最後に移行計画を策定します。現環境からマルチクラウド環境に移行する上での移行対象データや移行方法などを決めてください。状況に応じて最適な移行方法は異なるので、複数人で意見を出し合いながら多角的な目線で検討することが大切です。

クラウド移行に関心のある方は以下の記事がオススメです。

【実例つき】クラウド移行で失敗する原因と解決策を紹介

クラウドを利用するなら Google Cloud (GCP)がオススメ

マルチクラウドを導入する際、複数のクラウドサービスを比較検討することが重要だと前述しました。市場には様々なクラウドサービスが存在しますが、せっかく導入するのであれば Google Cloud (GCP)がオススメです。

以下、 Google Cloud (GCP)の概要とオススメな理由をご説明します。

Google Cloud (GCP)とは?

Google Cloud (GCP) は Google が提供するパブリッククラウドサービスです。同じ種別のサービスとしては、 Microsoft 提供の「 Azure 」や Amazon 提供の「 AWS 」などが挙げられます。

Google Cloud (GCP) は、セキュアで高い安定性を持つ Google の IT プラットフォーム環境を自社で利用することができます。ビッグデータや Google Workspace との連携など、『クラウド利用を越えた先の IT 戦略』をシームレスに実現することが可能です。

また、「 BigQuery 」をはじめとした優れたデータ解析ツールが用意されているため、一部のエキスパートだけでなく、組織全体でデータを活用し、経営戦略の策定や業務改善に繋げていくことが可能です。さらに Google Cloud(GCP) の多種多様なサービスを活用することで、高精度なデータ分析を実現することができます。

ユーザーインターフェースが使いやすい

Google Cloud (GCP)の大きな特徴として、使いやすいユーザーインタフェースが挙げられます。あらゆる操作がボタンクリックやドラッグ&ドロップなどで完結するため、専門知識を持たない人でも簡単に使うことができます。

データ処理速度が速い

Google Cloud (GCP) は月間60億時間分の動画を再生する YouTube や、10億人のユーザーが利用している Gmail と同じインフラをベースとしています。そのため、高速で安定したパフォーマンスを誇り、大量のデータに対してもスムーズなリアルタイム処理を実現します。

柔軟にスケーリングできる

Google Cloud (GCP)は 100% クラウドで提供されているサービスであるため、状況に合わせて柔軟にスケーリングできます。将来的にデータ量が増加した場合でも簡単にリソースを追加できるため、安心してサービスを運用できます。

また、 Google Cloud (GCP) は自動スケーリングに対応しており、自社の状況に応じてリソースを自動的に増減してくれます。そのため、管理者が都度設定を変更したり、煩雑なリソース調整を行う必要はありません。面倒な作業は Google Cloud (GCP) が自動で行ってくれるため、自社は本来注力すべき作業に集中することができ、結果的に業務効率化や生産性向上に直結します。

セキュリティレベルが高い

Google Cloud (GCP) は第三者認証取得のハイレベルなセキュリティを備えており、

など、さまざまな年次監査を受けています。そのため、安全なセキュリティのもとで自社のクラウド環境を管理・運用でき、情報漏洩などの各種リスクを低減した形で、安心して作業を進めることが可能になります。

まとめ

本記事では、マルチクラウドとは何か?という基礎的な内容から、マルチクラウドのメリットやデメリット、活用に向けた5ステップなど、あらゆる観点から一挙にご紹介しました。

変化の激しい現代において、マルチクラウドはとても有効な選択肢です。柔軟なカスタマイズ性やベンダーロックインの回避など、マルチクラウドを導入することで、企業は様々なメリットを享受できます。

市場には様々なクラウドサービスが存在しますが、せっかく導入するのであれば Google Cloud (GCP)がオススメです。使いやすいユーザーインターフェースや高速データ処理、高いセキュリティレベルなど、企業にとって嬉しいポイントが多数存在します。

本記事を参考にして、ぜひ Google Cloud (GCP)を検討してみてはいかがでしょうか。

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