Office を使っていても検討可能? Microsoft から Google Workspace へ移行するための導入シナリオを徹底解説!

Office を使っていても検討可能? Microsoft から Google Workspace へ移行するための導入シナリオを徹底解説!

全世界で多くの組織で活用されている Google Workspace 。 Google が提供するクラウドネイティブなグループウェアサービスであり、 導入することで組織全体のコラボレーションを促進し、生産性向上を実現します。本記事を読まれている方の中にも Google Workspace の導入を検討している方も多いのではないでしょうか?

しかし、多くの日本企業では、 長年 Word や Excel 、 Powerpoint などの Office ソフトを利用してきた経緯から、グループウェアも Microsoft 365を利用しているケースが少なくありません。

このような場合、 Microsoft 環境の移行が懸念点となり、 Google Workspace の導入に踏み切れない可能性があります。そこで今回は、 Google Workspace の概要をご紹介しつつ、 Microsoft 365 環境から Google Workspace へ移行する際のシナリオを具体的かつ、わかりやすくご説明します。

Google Workspace とは?

Google Workspace は、Google が提供する法人向けのクラウド型のグループウェアサービスです。Gmail や Google カレンダー、Google ドライブといった各ツールがシームレスに連携し、組織での利用を前提とした多くの機能がパッケージで提供されています。

以前は G Suite という名称でしたが、2020年10月に Google Workspace へとブランド名を変更。以降もプランの改定や機能拡張が続けられ、企業の多様なニーズに対応できるサービスへと進化しています。

Google Workspace の主なエディションは、中小企業向けの「Business」と、大企業向けの「Enterprise」に大別されます。各プランの詳細についてはこちらよりご確認ください。

企業ごとの細やかなニーズに応えられる柔軟なプラン体系が、現在の Google Workspace の大きな特徴と言えます。

Google Workspace に関しては、以下の記事が参考になります。

【最新情報】G Suiteがブランド変更!Google Workspaceの料金、機能、既存契約への影響は?

Microsoft 365 の5つの利用状況

本題である移行シナリオに入る前に、まずは現状を整理しましょう。この記事では、Microsoft 365(2020年4月にOffice 365から名称変更)の活用度合いに応じて、以下の5つの状況に分類して解説します。

自社の利用状況がどこに当てはまるかによって、Google Workspace への移行シナリオは変わります。

利用状況1:各機能の単品利用

Word, Excel などのデスクトップアプリのライセンス利用が主で、Teams をWeb会議やチャットで部分的に利用している状態です。グループウェアとしては別のサービス(オンプレミスのメールサーバーなど)を併用しているケースも多く、クラウドへの本格移行の過渡期にある企業が当てはまります。

利用状況2:メール・カレンダー・ストレージの利用

Exchange Online でメール、Outlook でカレンダー、OneDrive for Business で個人ストレージを利用している状態です。グループウェアとしての基本機能は Microsoft 365 で運用していますが、より直感的なコラボレーションや情報共有の活性化に課題を感じ、他の選択肢を模索し始める段階です。

利用状況3:共有環境の整備およびアプリケーションの複合利用

SharePoint Online や Teams のチーム機能を活用し、部門やプロジェクトごとの情報共有環境を構築している状態です。しかし、情報のサイロ化や検索性の問題に直面したり、より高度なセキュリティ対策とコストのバランスに悩んだりするケースが見られます。

利用状況4:セキュリティ環境の整備

ゼロトラストの考えに基づき、Microsoft Entra ID (旧Azure AD) Premium や Microsoft Intune などを活用して、高度なID管理やデバイス管理を行っている状態です。Microsoft のエコシステムに深く入り込んでいる段階です。

利用状況5: Microsoft Azure などを活用した業務環境の構築

Power Platform で業務アプリを内製したり、Dynamics 365 と連携したりするなど、Microsoft のクラウドサービス全体を業務基盤として活用している状態です。社内の業務プロセスが Microsoft 製品群を前提に最適化されています。

利用状況ごとのMicrosoft から Google Workspace への移行シナリオ

正直なところ、利用状況4以降まで Microsoft 365 の活用が進んでいる場合、 全面的な移行は大規模なプロジェクトとなります。しかし、決して不可能ではなく、専門ベンダーの支援のもとで共存や段階的移行を実現する道もあります。

一方で、利用状況3までの段階であれば、多くの企業で Google Workspace への移行が現実的な選択肢となります。ここでは、それぞれの状況に応じた移行シナリオをご紹介します。

シナリオ1:Google Workspace の新規導入(利用状況1の企業向け)

Office アプリのライセンス管理やオンプレミスのメールサーバー運用に課題を感じている場合、シンプルに Google Workspace を新規導入するのがおすすめです。

ブラウザベースで直感的に使えるUI、大容量のGmail、そしてリアルタイムでのスムーズな共同編集機能は、組織のコラボレーションを飛躍的に向上させます。スモールスタートでAI活用の効果を検証したい企業にも最適です。

導入にあたっては、IT部門のリソースに応じて、外部ベンダーによる導入支援やトレーニングサポートの活用も有効です。

シナリオ2:データ移行を含めた Google Workspace の導入(利用状況2の企業向け)

既に Exchange や OneDrive にメールやファイルのデータが蓄積されているため、これらのデータをスムーズに移行することが重要になります。

現在では、Microsoft 365 から Google Workspace へのデータ移行を支援する公式ツールやサードパーティ製のサービスが充実しています。メール、カレンダーの予定、連絡先、ストレージ内のファイルなどを業務への影響を最小限に抑えながら移行できます。

働き方の変化に対応するため、よりコラボレーティブな環境へシフトしたいと考える企業にとって、データ移行は十分に乗り越えられるハードルです。

シナリオ3:高度なセキュリティとガバナンスを前提とした導入(利用状況3の企業向け)

SharePoint などで情報共有を進めてきたものの、より高度なセキュリティやガバナンスが求められるようになった企業には、Google Workspace の Enterprise プランが有効な選択肢です。

Enterprise プランには、電子情報開示とデータ保持を実現する「Google Vault」、ユーザーの状況に応じてアクセスを動的に制御する「コンテキストアウェアアクセス」、標的型攻撃などから保護する「セキュリティサンドボックス」といった高度なセキュリティ機能が搭載されています。

これらの機能を管理コンソールから一元管理できるため、管理者の負担を増やさずにセキュリティレベルを引き上げることが可能です。

シナリオ4:専門家と連携した移行・共存プランの策定(利用状況4・5の企業向け)

Microsoft のエコシステムで業務基盤を構築している場合、全面移行は非効率な場合があります。しかし、「特定の部門でコラボレーションを強化したい」「生成AIはGoogleのものを活用したい」といったニーズから、Microsoft 365 と Google Workspace の共存も現実的な選択肢です。

複雑な要件を実現するには、高度な専門知識が不可欠です。Google Workspace への移行や共存に強い実績を持つ外部ベンダーに相談し、自社の状況に最適なプランを策定することをお勧めします。

まとめ

本記事では、Microsoft 365 から Google Workspace へ移行するためのシナリオを解説しました。

Microsoft 製品を長く利用していると、それが唯一の選択肢だと考えがちですが、Google Workspace は生産性向上やコラボレーション促進において、独自の強力な価値を提供します。特に、生成AIの登場により、どちらのプラットフォームが自社の未来にとって最適か、という視点での再検討が重要になっています。

大切なのは、ツールの導入そのものを目的にするのではなく、それによって「どのような働き方を実現したいか」を具体的にイメージすることです。この記事を参考に、自社の状況に合わせた移行パターンを検討し、組織のさらなる成長に向けた一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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