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データ活用に欠かせない DMP とは?活用事例や導入時のポイントまで徹底解説!
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昨今、企業が保有するデータ量は年々増加し、情報の取り扱いに関しても厳しくなっています。 Google が 3 rd パーティーデータのサポート終了を発表したほか、世界各国で個人情報保護の規制強化が検討されています。
このような社会的背景から、自社の情報資産を適切に管理・活用するための DMP の重要性が高まっています。しかし、 DMP という言葉を聞いたことがあっても、正しく説明できる方は少ないのではないでしょうか?
そこで本記事では、 DMP の概要やメリット、デメリット、活用事例、導入時のポイントまで一挙にご紹介します。自社におけるデータ活用を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
DMP とは?
DMP は「 Data Management Platform 」の略であり、インターネット上のサーバーに蓄積された様々なデータを管理し、その後のマーケティング活動などに役立てるためのプラットフォームです。
DMP に格納するデータは多岐にわたり、顧客属性や Web サイトにおける顧客の行動履歴、広告配信データなどが挙げられます。これらを適切に活用することで、顧客ごとの特性に合わせた最適なアクションを検討できます。
2020年の矢野経済研究所の調査によると、 DMP の市場規模は2019年時点で約97億円でしたが、2025年には230億円に達すると予想されています。つまり、6年間で2倍以上の市場規模になると試算されており、現在 IoT や 5G をはじめとした新技術が次々に登場していることを加味すると、これからも DMP の市場規模は拡大していくと考えられます。
DMP の種類
DMP には大きく分けて2つの種類が存在し、「パブリック DMP 」と「プライベート DMP 」に分類されます。
以下、それぞれについて詳しく解説します。
パブリック DMP
パブリック DMP は外部で保有するデータを管理するためのものであり、取り扱うデータとしてはユーザー属性や行動履歴などが挙げられます。パブリック DMP ではなく、オープン DMP という呼称が使われることもあります。
パブリック DMP では、自社が保有していないデータを活用できるため、主に新規顧客の開拓に使われることが多くなっています。また、外部サイトでの自社顧客の行動をチェックできるため、顧客の関心事やニーズの把握にも役立ちます。
プライベート DMP
プライベート DMP は自社が保有するデータを管理するためのものであり、取り扱うデータとしては、顧客情報や自社アプリの利用データ、購買履歴などが挙げられます。パブリック DMP とは異なり、基本的には外部のデータは取り扱いません。
プライベート DMP は自社データを深く分析することで、既存顧客のアップセルやクロスセルを行う際の参考材料になります。また、外部の情報と組み合わせてデータを一元管理すれば、広告配信など使える高精度なマーケティングデータとして活用できます。
DMP と DWH の違い
DMP と混同しやすい言葉として DWH (データウェアハウス)が挙げられます。 DWH とは、業務に関する情報をまとめて保管しておくためのデータベースです。様々なシステムからデータを保存し、それを分析するために整理する、データの保管庫のようなイメージです。
DMP と DWH は膨大なデータを取り扱う点においては共通していますが、明確に異なる役割を持っています。 DMP は社内に存在するデータを活用しやすいように変換するためのプラットフォームであり、 DWH は様々なデータを保管するための場所そのものです。
つまり、企業がデータを効率的に活用するためには、 DWH で膨大なデータを整理された状態で保管しつつ、 DMP で 最適な形式に変換する必要があるわけです。このように、両者は似ているサービスですが、機能や役割において違うものだということを理解しておきましょう。
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DMP が取り扱う3種のデータ
DMP では、大きく分けて3種類のデータを取り扱います。これらはデータを保有する主体によって分類されており、それぞれ特徴が異なります。
1 st パーティデータ
1 st パーティデータとは、自社が保有するデータを意味しています。例えば、自社顧客の氏名やメールアドレスなどの顧客情報、自社アプリケーションへの接続履歴や POS データなどの購買履歴が該当します。
2 nd パーティデータ
2 nd パーティデータとは、自社以外の他企業などが展開しているデータを意味しています。主に 1st パーティーデータだけでは情報が足りない場合、データを補うために利用されるケースが多くなっています。
3 rd パーティデータ
3 rd パーティデータとは、調査会社による統計データや国や自治体が公表している情報など、第三者機関による客観的なデータを意味しています。3 rd パーティーデータは量が膨大になることが多いため、潜在顧客の開拓に活用されることが多くなっています。
DMP のメリット
DMP を導入することで企業は様々なメリットを享受できます。本章では、 DMP の代表的なメリットを4つご紹介します。
データを一元管理できる
DMP を導入することで自社が保有するデータを一元管理できます。データは活用することで価値が出るものであり、ただ単に存在しているだけでは意味を為しません。
DMP でデータを一元管理すれば、必要な情報を必要なタイミングで取得することが可能になります。そして、そのデータを分析・活用することで、広告配信や商品開発などの次のアクション検討に役立てることができます。
自社顧客の理解が深まる
DMP が取り扱うデータの一つとして顧客情報が挙げられます。自社が保有する顧客データを複合的な観点から分析することで、顧客に対する理解を深めることができます。
例えば、年齢や性別、居住エリアなどの基本情報はもちろんのこと、 Web サイト上の行動履歴や過去の購買履歴を活用すれば、顧客ごとの興味関心や行動特性を把握することが可能です。自社の利益を最大化するためには顧客の理解が必要不可欠になるため、この点は DMP の大きなメリットだと言えます。
PDCA サイクルを効率化できる
生産性の高い経営を実現するためには、定期的に PDCA サイクルを回すことが重要ですが、 DMP を活用することで PDCA サイクル自体を効率化することができます。DMP には様々なデータが格納されており、これらの情報が PDCA の各フェーズにおける分析作業や意思決定に大きく寄与するためです。
例えば、 Plan (計画)のフェーズではデータにもとづいて効率的な戦略を検討できますし、 Check (評価)のフェーズでは実行した施策結果を DMP で分析することで、効率的に課題や改善点を探すことができます。このように、企業経営の効率化を図る上でも、 DMP は強力な武器となることでしょう。
データドリブンなマーケティングを実現できる
従来のマーケティングでは、担当者の経験や勘に依存してアクションを検討していましたが、 DMP を活用することでデータドリブンなマーケティング戦略を実現できます。DMP で管理しているデータを分析することで、事実にもとづいた客観的な判断を行うことができ、自社のマーケティング戦略を最適化することが可能です。
また、データ量が増えるほど分析精度は高まるため、ビッグデータ化が進む現代においては、データドリブンマーケティングの重要性はさらに高まります。このように、データを根拠とした最適なマーケティング施策の実行により、顧客単価や LTV (顧客生涯価値)の向上を実現できます。
データドリブン経営に関しては以下の記事が参考になります。
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DMP のデメリット
DMP には多くのメリットが存在する一方でデメリットも存在します。本章では、 DMP のデメリットや注意すべき点について解説します。
コストが増大する
DMP のデメリットとして、コストが増大する点が挙げられます。これは DMP に限った話ではありませんが、新しいツールを導入するには当然ながら費用が発生します。そのため、事前に IT 予算を確保しておく必要があります。
ただし、 DMP 導入を単なるコストアップとして捉えないでください。 DMP を導入することで、自社の業務効率化やマーケティング精度の向上などを見込めるため、ツールの費用と導入によって得られる恩恵を比べて、費用対効果で考えることが大切です。
手作業が必要な部分もある
DMP は多くのシーンにおける業務効率化に寄与するツールですが、すべての作業を任せられるわけではありません。例えば、取り込むデータの指定は人間が行いますし、ツール自体を管理するための管理者を任命する必要もあります。
また、 DMP は効率的なデータ分析が可能ですが、「どのデータとどのデータを組み合わせるか」といった、ルール設定は手作業で進めていきます。このように、あくまで DMP はデータ活用の全体プロセスを効率化するためのツールであり、部分的に人が介在する必要がある点は覚えておきましょう。
DMP の活用事例
昨今、 DMP は幅広い業界で活用されています。本章では、 DMP を活用して大きな成果を出した企業の事例を3つに厳選してご紹介します。
ゴルフメディア
とあるゴルフメディアでは、 Web 上のユーザー行動を把握できておらず、適切にコミュニケーションを取れていない点が課題として挙げられていました。そこで DMP を活用し、顧客の属性データとサイト上の行動データを統合し、顧客一人ひとりに対して最適なコミュニケーション施策を実行しました。
例えば、ゴルフ場の予約をしている顧客に対して、ボールや消耗品のクーポンを配信することで売上アップに成功しています。さらに、パーソナライズマーケティングの実現とともに、広告施策の改善にも並行して取り組みました。
その結果、すべての顧客に同じ広告を配信していたときと比較して、コンバージョン率は約8倍にまで増加しました。
コンテンツ制作会社
とあるコンテンツ制作会社が運営する Web サイトには月間18億 PV 以上の大量トラフィックが発生しており、サイト内で実施したアンケートやキャンペーンにより、大量の顧客データが蓄積されていました。
しかし、ユーザー情報を適切に管理できていなかったため、具体的にどのような顧客がいるのか、リアルなユーザー像を把握できないという課題がありました。そこで DMP を活用し、自社サイトへの訪問データと 3rd party データを掛け合わせることで、ユーザーのリアルな姿を可視化し、新たなニーズの発見に成功したのです。
自動車メーカー
とある自動車メーカーでは、各部署が独立してデータを管理しており、会社全体で一元的に顧客情報を管理する仕組みがありませんでした。そこで DMP を導入し、全社的な目線で効率的にデータを活用できる環境を整備しました。
例えば、各店舗が保有している来店データとカーナビの移動データを掛け合わせることで、顧客の生活圏を特定することが可能になり、顧客の転居に伴う不達 DM を防止し、コストの削減を実現しています。
また、カーナビの移動データと車の購入時期のデータから推定走行距離を算出し、対象顧客に対して消耗品の交換をタイムリーに告知することで、効果的なクーポン配信ができるようになりました。
DMP 導入時のポイント
市場には数多くの DMP サービスが存在しているため、自社に最適なものを選択することが重要になります。本章では、 DMP 導入における大切なポイントをいくつかご紹介します。
自社の導入目的を明確化する
DMP の導入自体が目的になっている場合、思うような効果を得ることはできません。まずは自社の状況を冷静に分析して、どのような目的で DMP を活用するのかをイメージしてください。このとき、単に「マーケティングに活用する」ではなく、「どのようなマーケティング戦略を目指すのか」まで具体化することが大切です。
具体的な機能を比較検討する
一口に DMP と言っても、提供している機能はサービスごとに様々です。そのため、自社が求める機能要件や実現したいことを踏まえて、最適なサービスを選択することが大切です。一つのサービスに絞って考えるのではなく、複数サービスを複合的な目線から比較検討してください。
事前に料金体系を理解する
機能と同様、料金体系もサービスごとに大きく異なるポイントです。自社が求めている内容に対してオーバースペックな製品を選んでしまうと、無駄なコストが発生するリスクもあります。初期費用やランニング費用の課金条件などを細かくチェックして、自社に合ったサービスを選択しましょう。
ベンダーの信頼性をチェックする
DMP には自社の貴重な情報資産を保管するため、ベンダーの信頼性は考慮すべき重要なポイントです。セキュリティ体制、有事の際の対応、サポート体制など、様々な観点から信頼できるベンダーを選んでください。
データの分析・活用は Google Cloud (GCP)の「 BigQuery 」がオススメ
データ活用に使えるサービスは数多く存在しますが、せっかく導入するなら Google Cloud (GCP)がオススメです。 Google Cloud (GCP)は Google が提供しているパブリッククラウドサービスです。
そして、 BigQuery は Google Cloud (GCP)に内包されているビッグデータ解析サービスです。記事の前半で DMP と DWH の違いをご説明しましたが、 BigQuery は DWH に位置付けられます。
本来、 DWH はデータの保管庫として機能するものであり、本格的なデータ活用には DMP が必要になりますが、 BigQuery にはデータを最大限に活用するための様々な機能が搭載されています。また、高速なデータ処理の BigQuery の特徴であり、通常では長い時間かかるクエリを、数 TB (テラバイト)、数 PB (ペタバイト)のデータに対して、数秒もしくは数十秒で終わらせることができます。
さらに、クラウドで提供されているサービスであるため、サーバーレスで柔軟に拡張することができ、非常にコストパフォーマンスに優れています。他の多彩な Google Cloud (GCP)サービスともシームレスに連携できるため、とても扱いやすいサービスとなっています。
以下、データ分析・活用に BigQuery がオススメな理由を詳しくご紹介します。
多くの機能を兼ね備えている
BigQuery はデータを保管する DWH としての役割はもちろんのこと、他にも様々な機能を搭載しています。
BigQuery は ETL の領域も一部カバーしており、分析に必要なデータ加工を行うことができます。例えば、膨大な元データに対する検索のクエリ結果を BigQuery のテーブルとして出力することが可能です。
さらに Hadoop や Cloud Dataflow といったデータ処理エンジンと連携できるため、複雑なデータ加工やリアルタイムなデータストリーミング分析などを実現することができ、今後に向けた効果的な経営戦略の策定に寄与します。
このように BigQuery はデータ活用に必要なすべての領域をカバーしており、企業におけるデータの分析作業を一気通貫で行うことが可能になります。
データの処理速度が早い
BigQuery の強みとして、データ処理が高速な点が挙げられます。
通常の分析サービスであれば、GB(ギガバイト)程度であれば問題なく分析できますが、TB(テラバイト)規模になるとデータがなかなか返ってこないことが多いです。BigQuery は、さらにその上の PB (ペタバイト)規模のデータも高速で分析して、解を返すことができます。
約3 GB (ギガバイト)のデータ処理の要した時間は1.2秒という驚異のスピードです。(2020年5月段階)
【参考記事】
【トップゲート主催】StudyJam Google Cloud (GCP) 無料ハンズオンラボの体験レポート
データベースの専門知識がなくても扱える
データベースを活用する際、特にクエリ用途などがある場合には必ずチューニングが必要です。テーブルや各種領域、インデックスなどに対し、最適な計算・シミュレーションなど必要です。当然データベースのスペシャリストが必要で、スペシャリストがいるか否かなども、チューニングパフォーマンスに影響します。
ところが、BigQuery はそれを必要としません。従来のデータベース概念とは異なり、今までデータベースでのクエリでは必須だったインデックスすら必要としません。つまりデータベースの専門知識がなくても高速クエリが可能となっています。
コストパフォーマンスが高い
BigQuery はコストパフォーマンスが圧倒的に優れています。
利用料金の目安も 1TB (テラバイト)500円程度とものすごくリーズナブルであるため、愛用者が多いです。データ量が分析開始前にわかり、事前に処理に要する目安料金がわかり安心してサービス利用可能です。
いくら高速なサービスがあっても扱いにくくてコストが高いものであれば、なかなか拡まらないと考えられます。しかし、BigQuery は扱いやすくかつコストも安いため、総合的に見て優れたサービスであると言えます。
まとめ
本記事では、 DMP の概要やメリット、デメリット、活用事例、導入時のポイントまで一挙にご紹介しました。企業データのビッグデータ化が進む現代において、 DMP は欠かせない存在となっています。
DMP を導入することで、データの一元管理や自社顧客に対する理解の深化、データドリブンなマーケティングの実現など、様々なメリットを享受できます。記事の中でご説明したように、 DMP を活用して業績アップに成功した企業も数多く存在します。
市場には 数多くの DMP サービスがありますが、導入するなら Google Cloud (GCP)がオススメです。Google Cloud (GCP)に搭載されている BigQuery を使えば、膨大なデータを高速に分析できますし、他にも多彩なソリューションが用意されており、あらゆるシーンで自社の業務効率化に寄与します。
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