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エッジコンピューティングとは何か? IoT を陰で支える新しいコンピューティング技術に迫る!
- エッジコンピューティング
エッジコンピューティングとは何かをご存知でしょうか。昨今、 IoT の技術があらゆるシーンで活用されていますが、エッジコンピューティングは IoT における従来の課題を解決するための有効なソリューションとなっています。
本記事では、エッジコンピューティングの概要、注目されている背景、メリット、デメリット、活用事例まで、一挙にご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
エッジコンピューティングとは?
概要
エッジコンピューティング( edge computing )とは、スマートフォンやタブレットなどのデバイスやユーザーの近くにサーバーを分散配置し、処理を行うためのコンピューティングモデルを意味しています。
このコンピューティングはエッジ処理とも呼ばれており、ユーザーや端末の近くでデータを処理することで、インターネットに接続されている IoT 機器の情報をリアルタイムに処理することができるため、上位システムへの負荷や通信遅延の解消に寄与します。
仕組み
エッジコンピューティングは分散型アーキテクチャの仕組みを採用しており、 IoT 機器の近くにエッジサーバーを設置することで、デバイスから取得したデータを迅速に処理しつつ、必要なデータのみをネットワーク経由でクラウドに送ります。
従来の IoT では、センサーが収集したデータをインターネット経由で直接クラウドへ転送し、分析や解析を中央集中的に行なっていました。一方、エッジコンピューティングでは、デバイスとクラウドの間にエッジサーバーを設置して、データを分散した上で処理を行う仕組みとなっているため、リアルタイムかつ負荷の低いデータ転送を実現できます。
クラウドコンピューティングとの違い
エッジコンピューティングと混同されやすい言葉にクラウドコンピューティングがあります。クラウドコンピューティングとは、クラウド環境(インターネット環境)でコンピューティングサービス(サーバー、ストレージ、ネットワーク、データベース、ソフトウェアなど)を利用することを意味しています。
クラウド環境でコンピューティングサービスを利用する点はエッジコンピューティングも共通していますが、両者は異なる仕組みを採用しています。クラウドコンピューティングがサーバーを集約して集中的に処理を実行する「集中処理型」であるのに対して、エッジコンピューティングはネットワーク上の機器で情報を処理したり、ネットワークにサーバーを分散配置して処理を実行する「分散処理型」のモデルとなっています。
クラウドコンピューティングに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
クラウドコンピューティングとは何か?仕組みやメリットまで徹底解説!
エッジコンピューティングが注目されている背景
エッジコンピューティングを語る上では IoT の存在が必要不可欠です。 IoT は Internet of Things の略であり、日本語では「モノのインターネット」と表現されています。物理的な「モノ」自体にインターネットの仕組みを搭載し、デバイスや感知センサーをサーバーと接続することで、様々なデータ収集を効率的に行うためのシステムです。
昨今、あらゆる分野において IoT の活用が進んでおり、 IDC Japan の市場予測によると IoT インフラの市場規模は2023年に1,788億円に達するとの試算結果が出ています。さらに、2025年には IoT 機器の台数は世界中で416億台にまで増加すると言われており、データ量の合計はなんと79.4兆 GB になると見込まれています。
このように、 IoT が急速に普及する一方で、いくつかの課題が顕在化しています。 IoT における課題の代表的な例として、ネットワークにかかる負荷が挙げられます。 IoT は常に大量のデータをサーバーやデータセンターに送信しているため、ネットワークに多大な負荷がかかり、ネットワークの維持・管理にかかるコストが増大します。
また、 IoT ではデータのリアルタイム性が重要なポイントになりますが、従来のクラウドによるデータ処理の場合、取り扱うデータ量によってはレイテンシ(通信の遅延時間)が発生し、データの価値が半減してしまいます。加えて、 IoT はインターネットを経由するため、セキュリティの担保も課題の一つとなっていました。
そして、このような IoT の課題を解決するための技術として、いまエッジコンピューティングが注目を集めています。エッジコンピューティングは IoT と密接に関係しており、従来のクラウド運用による課題を解消できる新技術だという点を覚えておきましょう。
IoT に関心のある方は以下の記事がオススメです。
【IoTとは?】ビッグデータ、クラウドとの違いや関係性まで一挙紹介
エッジコンピューティングのメリット
ネットワーク負荷の軽減
エッジコンピューティングは、エッジサーバーでデータ処理を実行し、必要なデータのみをクラウドに送ります。そのため、取得したデータをすべてサーバーに転送する従来のクラウド運用と比較して、ネットワーク負荷を軽減することができます。近年、あらゆる情報のビッグデータ化が進んでいるため、ネットワークの負荷軽減はとても大きなメリットになります。
レイテンシの解消
エッジコンピューティングでは、物理的に IoT 機器の近くにエッジサーバーを設置するため、データ処理にかかる遅延を軽減できます。 IoT においてはリアルタイム性が強く求められるため、レイテンシを解消できる点はエッジコンピューティングの大きなメリットだと言えます。今後、5G の技術とエッジコンピューティングを組み合わせれば、限りなくレイテンシがゼロに近い状態で運用できることでしょう。
セキュリティの強化
エッジコンピューティングは、外部ネットワークを介さずにエッジサーバーの中でデータ処理を行うため、データの漏洩リスクを最小限に抑えることができます。 IoT 機器の中には機密情報をデータとして取り扱うものも存在するため、安心して運用していくためにはエッジコンピューティングの技術が心強い味方になります。
エッジコンピューティングのデメリット
コストの増加
エッジコンピューティングを実現するためのデバイスやゲートウェイには、高性能な CPU や大容量メモリが求められます。また、データ受信後の加工・分析を行うためのプログラムやデータベースも必要になります。
そのため、受信したデータを送るだけのクラウドコンピューティングと比較して、コストは大きくなる傾向にあります。さらに、 IoT 機器の近くにエッジサーバーを置くためには設置拠点を増やす必要があり、保管・管理する場所が増えることで運用コストが増加する可能性もあります。
データの消失リスク
エッジコンピューティングでは、エッジサーバーでデータを処理し、必要なデータのみをクラウドへ転送します。このとき、不要なデータは削除されることになりますが、実はこのデータが「必要な情報」だったという可能性もあります。
データの処理・選別を行わずにすべての情報をクラウドに送るクラウドコンピューティングではデータが消失することはありませんが、エッジコンピューティングはその仕組み上、重要なデータが消えてしまうリスクをはらんでいます。
エッジコンピューティングの活用事例
車の自動走行
車の自動走行では、自動車をネットワークに接続して様々な情報を活用することで、渋滞の緩和や交通事故の減少を実現でき、人間が運転操作をせずに目的地にたどり着くことができます。
自動走行では、データ遅延が致命的な事故に繋がりかねないため、膨大なデータをリアルタイムに処理する必要があります。この課題を解決するためにエッジコンピューティングの技術が注目されており、日々研究・開発が進められています。
高精度な気象予測
気象予測では、シミュレーションモデルを構築して天候を予測しています。近年では気象予測と個人データを掛け合わせて、個人ごとにオススメの行楽情報の提供や、安全な避難経路の提示ができるようになりました。
膨大なデータを遅延なく処理するために、ここでもエッジコンピューティングの技術が活用されています。効率的かつ高速にデータを処理することで、地球規模の広範囲から都市や街といった小さな範囲までの予測計算を迅速かつ高精度に行うことが可能になります。
マーケティングデータの取得
とある小売店では、エッジコンピューティングの技術を採用した人物行動分析サービスを導入しています。これは店舗に来店した人の動きをチェックし、購買行動データを分析するためのサービスです。
店舗に設置したカメラの映像をエッジサーバーに取り込み、画像データの解析・検証を行なった上で、人物座標などの必要データだけをクラウドに送ります。このとき、容量が大きい画像データそのものは転送されません。
そして、転送されたデータをもとにクラウドで顧客の購買行動を分析し、その結果もクラウド上で一元的に確認できます。これにより、店舗担当者は来店者の購買行動を把握・分析することが可能になり、今後のマーケティングデータとして活用できます。
エッジコンピューティングのサービス例
ニューラルポケット
ニューラルポケットは最先端の物体・人物認識 AI やエッジ端末への実装技術を武器として、様々なエッジコンピューティングソリューションを提供しています。例えば、 SNS に掲載されているファッションを AI で分析・ビッグデータ化することで、ファッション業界の定量的なトレンド予測を実現しています。
Intel
Intel は医療データの収集、分析、合成を目的とした医療業界向けのエッジコンピューティングソリューションを提供しています。医療に使用される画像データなどを圧縮し、演算の高速化を実現するとともに、複数のアプリケーションを単一サーバーで実行することで、医療システムによる IT 負担を軽減しています。
NVIDIA
NVIDA では、エッジコンピューティングで AI を管理、拡張するための「 NVIDIA Fleet Command 」を提供しています。例えば、物流の分野では、倉庫に設置した IoT デバイスとエッジコンピューティングの技術を掛け合わせて AI 処理を行うためのプラットフォームを構築しており、集荷・梱包・出荷の精度を高めています。
TSMC
TSMC では、エッジコンピューティングの技術を採用した小型チップを製造しています。このチップを SoC (車載型システムオンチップ)として車両に搭載することで、高精度かつ効率的な自立走行を実現できるとして、いまも自動車業界で研究が続けられています。
まとめ
本記事では、エッジコンピューティングの概要、注目されている背景、メリット、デメリット、活用事例まで、一挙にご紹介しました。エッジコンピューティングは、主に IoT 分野において活用されている技術であり、ネットワーク負荷の軽減やレイテンシの解消など、様々なメリットが存在します。
ただし、コストが高くなる傾向にあるため、いきなりエッジコンピューティングを導入するのはハードルが高いと感じるかもしれません。そこでオススメなのが、まずはクラウドコンピューティングを試してみて、実際に運用しながらエッジコンピューティングの必要性を探る方法です。
昨今、クラウドコンピューティングの技術も進化しており、自社に合わせた最適なサービスを選択することで業務効率化や生産性向上を実現できます。市場には多くのクラウドコンピューティングサービスが存在しますが、幅広い用途に対応できるものとしては Google Cloud (GCP)がオススメです。
Google Cloud (GCP)には、自社の要件や実現したいことに応じて、自由に活用できる様々なコンピューティングサービスが揃っています。また、それぞれのサービス自体が高性能であるため、あらゆるシーンにおける業務効率化や生産性向上に直結します。
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