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【クラウドの必須知識】「リージョン」と「ゾーン」の違いや選ぶときのポイントを徹底解説!
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「リージョン」と「ゾーン」はクラウドを語る上で欠かせない考え方です。しかし、正確に理解できていない方は多いのではないでしょうか?
「リージョン」と「ゾーン」の概念を理解することで、自社におけるクラウド運用を効率化することができます。
本記事では、クラウドにおける「リージョン」と「ゾーン」の基礎的な考え方について、わかりやすくご説明します。「リージョン」や「ゾーン」を選ぶときのポイントも記載していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
クラウドとは?
クラウドとは、「インターネット上の仮想基盤」を意味する言葉であり、PCやスマホなどの端末にデータを保存するのではなく、インターネット上に存在する仮想空間(サーバー)に保存して、運用する形態を指す言葉です。
近年、消費者ニーズの多様化や新技術の発展により、従来のオンプレミス運用では様々な変化に対応できない場面が増えてきました。そのため、多くの企業がクラウド環境への移行に踏み切っており、各クラウドベンダーは様々なクラウドサービスを市場に展開しています。
クラウドを利用することで、コスト削減や運用負荷軽減など、多くのメリットを享受することができます。また、クラウドは既に完成しているサービスであるため、契約後すぐに利用開始できる点も嬉しいポイントです。
クラウドの詳細については、以下の記事が参考になります。
リージョンとは?
クラウドには「リージョン」という概念が存在します。
リージョンとは、データセンターが設置されているエリアを指す言葉です。各リージョンはそれぞれ物理的に離れた地域に置かれることが多く、クラウド事業者は日本全国で複数のリージョンを展開しています。大手の事業者になると、日本国内だけではなく、世界各国にリージョンを保有するケースもあります。
それぞれのリージョンは独立して存在しており、まったく別のシステムとして稼働しています。そのため、お互いに影響を与え合うことはなく、仮に特定のリージョンが停止した場合でも、他のリージョンでは問題なく稼働を続けることができます。
ゾーンとは?
クラウドには、「リージョン」とは別に「ゾーン」という概念が存在します。
ゾーンとは、リージョンをさらに細分化して分割した単位を指す言葉です。各リージョンには最低1つ以上のゾーンが存在しており、クラウドサービスの利用者はリージョンとゾーンを事前に選び、仮想環境を構築することになります。
リージョンと同様に、各ゾーンも切り離されたひとつのシステムとして独立しており、同じリージョンの中に存在しているゾーンでも、それぞれの電源やストレージなどは物理的に分けられています。
そのため、ラック単位で故障や不具合が起きた場合や、ネットワーク障害が発生した場合においても、別のゾーンに影響を与えることはありません。ゾーン外の影響を受けることなく、安定的に稼働を続けることが可能になります。
リージョンとゾーンの違い
「リージョン」と「ゾーン」は混同しやすいので、それぞれの違いを正しく理解しておきましょう。わかりやすいように身近な例を挙げて、ご説明していきます。
例えば、あなたが新婚旅行の計画を立てていると仮定します。評判の良い「トップホテル」への宿泊を考えていますが、トップホテルは国内外に複数ホテルをチェーン展開しています。
「トップホテル東京」「トップホテル大阪」「トップホテルアメリカ」といった形で分かれており、各ホテルで提供されている部屋タイプは以下の通りです。
ホテルチェーン | ロケーション | 提供している部屋タイプ |
---|---|---|
トップホテル東京 | 東日本 | 本館、新館 |
トップホテル大阪 | 西日本 | 本館、別館 |
トップホテルアメリカ | 海外 | 本館、新館 |
せっかくの新婚旅行なのでスイートルームに宿泊したいと考えていますが、トップホテルでは新館にしかスイートルームが設置されていません。また、予算の関係から飛行機の利用は避けたいと考えています。
この状況でホテルを決める場合、飛行機に乗らなければいけない「トップホテルアメリカ」は候補から外れます。残るは「トップホテル東京」と「トップホテル大阪」ですが、スイートルームに泊まるためには、新館を選ぶ必要があります。
そのため、新館を提供している「トップホテル東京」が宿泊先としてベストな選択になります。
この例で言うと、各ホテルチェーンが「リージョン」であり、部屋タイプは「ゾーン」に置き換えることができます。では、実際にクラウドを導入するシーンで考えてみましょう。
あなたはシステムのクラウド化を担当することになり、クラウドサーバーの契約を検討しています。レスポンスが早く、自社の複雑な要件に対応できることが必須条件です。
まずはリージョンを選びます。自社とリージョンとの物理的な距離が遠いほど、データ遅延のリスクが高まるため、海外リージョンは検討から外れます。
次にゾーンですが、複雑な要件に対応するためには、特定のゾーンでのみ提供している機能を使う必要がありました。その結果、すべての要件を満たすことのできる東京リージョンでの契約を決めました。ここで言う「複雑な要件」が前述のスイートルームに該当します。
このように「リージョン」と「ゾーン」はまったく別の概念であり、リージョンという大きな箱の中に複数のゾーンが存在しているイメージです。リージョンやゾーンは、それぞれが独立したシステムなので、機能や特徴はリージョン・ゾーンごとに異なります。
クラウドを導入する際は、自社の要件をあらかじめ明確化した上で、条件に合った最適なリージョンやゾーンを選択する必要があります。
リージョン・ゾーンを正しく理解して活用するメリット
BCP 対策を実現できる
BCP とは「Business Continuity Plan」という言葉を略したものであり、日本語では「事業継続計画」と表現されています。非常事態に備えて、事業を継続するための方法や体制を事前に決めておくことが BCP の基本的な考え方です。
リージョンを分けておくことで、地域に依存する災害リスクを低減することができます。例えば、国内で大地震が発生した場合でも、海外リージョンを利用していれば、データが消失することはありません。
また、ゾーンを分けて冗長構成を作っておくことで、仮に物理的な装置が故障しても、他のゾーンで稼働を継続することができ、致命的な状況を避けることができます。
BCP 対策に関して詳しく知りたい方は以下の記事がオススメです。
オンプレよりも安全?クラウドがBCP対策に選ばれる理由とは?
クラウドの導入効果を最大化できる
利用するリージョンやゾーンによって、強みや特性はそれぞれ異なります。そのため、リージョンやゾーンについて正しく理解し、どのような活用方法が効率的なのかを把握しておきましょう。
そうすることで、自社要件に沿った最適なリージョン・ゾーンを選択することが可能になり、クラウドの導入効果を最大化することができます。結果として、会社の業務効率化や生産性向上にも繋がります。
リージョン・ゾーンを選ぶときの3つのポイント
物理的な距離
利用者とリージョンの物理的な距離が離れるほど、データ遅延が発生するリスクは高まります。そのため、レスポンスを重視する場合は、国内リージョンがオススメです。
ただし、自社とリージョンの距離が近すぎると、 BCP の観点からは自然災害のリスクが高まります。パフォーマンスとセキュリティを天秤にかけて、自社にとって最適なリージョンを検討してください。
提供されているサービス
クラウド事業者が提供するサービスは、リージョンやゾーンごとに異なる場合があります。そのため、自社に必要な機能を明確化して、希望が実現できるものを選択してください。
例えば、日本向けのサービスにも関わらず、必要機能が海外リージョンでしか提供されていないケースも存在します。まずは自社要件を整理した上で、最適なリージョン・ゾーンを慎重に検討することが大切です。
各国の法律
データの取り扱いに関しては、リージョンが設置されている国の法律が適用されるケースがあります。そのため、海外リージョンを採用する場合は注意が必要です。
事前にサービス契約の準拠法を確認し、自社運用において問題がないかどうかをチェックすることで、データの取り扱い制限などのリスクを低減することができます。
まとめ
本記事では、クラウドを語る上で欠かすことのできない「リージョン」と「ゾーン」について、詳しくご説明しました。リージョンとゾーンは明確に異なる概念であり、どちらもクラウド導入の成否を分ける重要なものです。
リージョンとゾーンを正しく理解して活用することで、 BCP 対策やクラウド運用の効率化など、様々なメリットを享受することができます。
本記事を参考にして、リージョンとゾーンに対する理解を深め、自社でのクラウド導入を本格的に検討してみてはいかがでしょうか。
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