生成 AI の仕組みやメリットとは?活用時のポイントや具体的なサービス例まで一挙にご紹介!
- 生成AI
昨今、数多くの企業が生成 AI をビジネスへ活用し、自社の業務効率化や生産性向上を実現しています。しかし、生成 AI という言葉を聞いたことがあっても、その内容を詳しく理解している方は少ないのではないでしょうか?
本記事では、生成 AI の概要や仕組みに加えて、活用時のポイントや具体的なサービス例まで一挙にご説明します。生成 AI について理解を深めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
生成 AI とは?
まずは、生成 AI の概要について理解しておきましょう。
生成 AI とは、コンピュータープログラムが自らデータや情報を生み出す能力を持つ、次世代の AI を意味する言葉です。
従来の AI では、主に学習済みデータから適切な回答を見つけることに重点を置いていましたが、生成 AI は新しいデータやコンテンツを作り出すことが可能であり、ゼロから一を生み出す能力が大きな特徴です。なお、生成 AI は「ジェネレーティブ AI ( Generative AI )」と呼ばれることもありますが、本記事では「生成 AI 」という表記に統一します。
一般的な生成 AI は、広範なトレーニングデータに基づいて反復学習を行うことで、新しいデータやコンテンツを生成できるように設計されています。有名な生成 AI としては、 OpenAI 社の ChatGPT が挙げられますが、これはテキストデータをもとに新しい文章を自動的に生成できるものです。
ただし、 ChatGPT の最新モデルである GPT-4o (正式名称: GPT-4 Omni )は、マルチモーダルな方向に向かっているため、この点は覚えておきましょう。マルチモーダルとは、テキストや音声、画像など、複数の異なるソースから情報を収集し、統合して処理する仕組みのことであり、 Google が 2023 年 12 月に発表した最新の生成 AI モデル「 Gemini 」も、このマルチモーダルに対応しています。
このように、テキストだけではなく、画像や動画を自動生成できる AI も存在し、マーケティング活動におけるコンテンツ作成やテレビ CM など、あらゆるシーンで活用されています。このように、企業が業務効率化や生産性向上を実現し、自社のビジネス成長を実現するためには、生成 AI が有力なツールになると言えます。
生成 AI の仕組み
次に、生成 AI の仕組みについて解説します。
生成 AI のベースになっているのはディープラーニング(深層学習)の技術であり、これを活用して構築された機械学習モデルの一つが生成 AI です。なお、ディープラーニングとは、 AI が自動的に大量のデータを解析し、データの特徴を抽出する技術のことを指します。下記のイメージ図のように、機械学習の中にディープラーニングが内包されているとイメージするのがわかりやすいでしょう。
例えば、テキストデータを使った生成 AI の場合、何百万もの文章や会話データを学習し、文法や意味の理解を深めていきます。これにより、 AI がパターンや文脈を把握し、新しい文章を自動的に生成することが可能になります。
また、画像生成の分野においては、事前に数千枚の写真データを学習させることで、「犬」や「猫」などの特徴を AI が理解できるようになり、インプットした情報をもとに生成 AI が新たな画像を生成できるようになります。
このように、生成 AI の仕組みは機械学習やディープラーニングがベースとなっており、事前に膨大なデータをもとに学習することで、 AI がデータの特徴やパターンを理解し、それらの情報をもとに新たなコンテンツを生成します。
生成 AI の活用メリット
企業が生成 AI を活用することで、具体的にどのような恩恵を受けられるのでしょうか?本章では、生成 AI の代表的な活用メリットを 3 つご紹介します。
コンテンツを自動的に作成できる 生成 AI の最大のメリットは、クリエイティブなコンテンツを自動生成できる点です。画像や動画、テキストなど、多種多様なコンテンツを自動的に生成することが可能なため、あらゆるビジネスシーンで有効的に活用できます。具体的な利用シーンとしては、広告用の画像作成や動画作成、スライド資料のデザイン化など、幅広いユースケースが考えられます。
以下、 Canva (デザイン系の生成 AI )で自動生成したスライド資料のイメージです。
このように、スライド資料をはじめとした高品質なコンテンツを手間なく短時間で作成することが可能になります。
誰でも簡単にコードを記述できる
生成 AI はクリエイティブコンテンツの作成だけではなく、プログラミングコードの記述にも役立ちます。自然言語をテキストで入力すれば、その内容に合わせてコードを自動的に書いてくれるため、プログラミングの知識がない人でも簡単にコードを作成できます。昨今、エンジニアや IT 人材の不足が続いていますが、生成 AI を活用することで、コード作成を効率的に進められるでしょう。
以下、 ChatGPT でプログラミングコードを作成した一例をご紹介します。
このように、具体的なプログラミング言語を指定して、 ChatGPT に指示を与えることで、必要なコードを瞬時に生成してくれます。さらに、コード文に関する補足説明を付加してくれるため、生成されたコードの理解にも役立ちます。
業務効率化・コスト削減に繋がる
従来、上述したコンテンツ作成やコード記述などは、人間が手作業で行うことが一般的でした。しかし、これらの作業は専門的な知識が求められるとともに、多くの時間を費やす必要があるため、組織の生産性や人的コストの観点から多くの課題が残っていたのです。
その点、生成 AI を活用すれば、高品質なコンテンツやプログラミングコードを短時間で自動的に作ることが可能になります。このように、生成 AI は自社の業務効率化や生産性向上に直結するため、実際に多くの企業が生成 AI を導入し、様々なビジネスシーンで活用しています。
代表的な生成 AI サービス 3 選
ここまで、生成 AI について詳しく解説してきましたが、実際にどのようなサービスがあるのでしょうか?本章では、代表的な生成 AI サービスを 3 つに厳選してご紹介します。
ChatGPT
※参照: ChatGPT 公式ページ
ChatGPT は OpenAI 社が提供している生成 AI サービスであり、ユーザーが入力したテキスト情報をもとにして、適切な回答を返してくれます。違和感のない自然な文章を生成する点が ChatGPT の大きな特徴であり、人間が書いた文章と遜色ないようなテキストを自動で作成します。そのため、 ChatGPT は議事録作成やカスタマーサポートなど、様々なビジネスシーンで活用されています。なお、前述した ChatGPT-4o は現在マルチモーダルで提供されており、 2024 年 7 月 18 日には 高性能でコスト効率の良い小型モデル ChatGPT-4o mini がリリースされました。 ChatGPT-4o よりも安価に利用できますが、高品質で高いコストパフォーマンスを誇るモデルとして注目されており、今後は様々なシーンで ChatGPT-4o mini が活躍の幅を広げていくことでしょう。
Midjourney
※参照: Midjourney 公式ページ
Midjourney は Midjourney 社が提供している生成 AI サービスであり、ユーザーが入力したテキスト情報をもとにして、その指示にマッチした画像を自動生成します。例えば、「ポメラニアン」などの単語を入力することで、高精度なポメラニアンのイラスト画像を自動生成するほか、「黒いポメラニアン」のように色を指定すれば、その通りに黒いポメラニアンのイラストを描いてくれます。また、 Midjourney はディープラーニングの技術をベースに開発されているため、使えば使うほど精度が高まる点も大きなメリットだと言えるでしょう。
Canva
※参照: Canva 公式ページ
Canva は Canva Pty Ltd が提供している生成 AI サービスであり、様々なデザイン業務を効率化できるプラットフォームとなっています。 Canva に搭載されている生成 AI を活用すれば、作成したスライド資料を綺麗なデザインに仕上げてくれるほか、 AI による翻訳・ナレーション追加などを行うことも可能です。これにより、従来人間が対応していたデザイン業務を自動化できるため、組織の生産性向上に繋がります。
生成 AI の活用事例
某 IT 企業では、 B to B 向けのカスタマーサポート窓口に生成 AI を活用しており、顧客の問い合わせに対して、生成 AI が自動で回答を作成・返答する仕組みを構築しています。これにより、社員の対応工数は大幅に削減され、組織全体の業務効率化に繋がりました。
また、同社が抱える顧客は数十万社にのぼりますが、これらの分析作業も生成 AI が行っています。顧客に関する膨大なデータを AI に学習させることで、市場トレンドや業界課題などを分析し、提案に役立てるための情報を効率的に取得しているのです。
さらに、同社はマーケティング活動にも力を入れており、保有する顧客アドレスに対して定期的にメルマガ配信を実施していますが、そのアイキャッチ画像の作成も生成 AI で自動化しています。従来、コンテンツ作成は社員の仕事であり、多大な時間・労力をかけて行っていましたが、生成 AI の活用により、高品質なコンテンツを短時間で手間なく生成できるようになりました。
このように、生成 AI をあらゆる業務シーンで活用し、組織全体の生産性向上を実現した好事例となっています。
生成 AI を活用する際のポイント
最後に、生成 AI 活用時の重要なポイントについて解説します。自社で生成 AI を導入・活用する際の参考になると思いますので、ぜひ内容を理解しておきましょう。
利用用途を明確化する
生成 AI は導入すること自体が目的ではなく、何かを実現するための手段に過ぎません。そのため、まずは自社業務の棚卸を行い、自動化できそうなものがないかを把握することが大切です。
これにより、生成 AI の活用イメージを具体化でき、利用用途の明確化に繋がります。その結果、用途から逆算して最適なサービスを選択可能になるため、生成 AI の導入効果を最大化できます。
プロンプトの精度を高める
プロンプトとは、生成 AI に指示を与えるためのテキスト情報を意味する言葉です。 ChatGPT の例で言えば、「第 5 代目の内閣総理大臣について詳しく説明してください」のような文章が該当します。
そして、生成 AI を活用する際には、このプロンプトの精度を高めることが重要なポイントになります。先程の例を踏まえて、具体的に見ていきましょう。
仮に「内閣総理大臣について詳しく説明してください」というプロンプトを入力した場合、第 5 代目という情報が記載されていないため、 AI が特定の人物に関する解説を行うことはなく、「内閣総理大臣」という言葉についての一般的な説明を返すでしょう。
このように、生成 AI の活用時には、欲しい情報を得るための具体的かつ正確なプロンプトの入力を心掛ける必要があります。
検証・評価を繰り返し行う
生成 AI はディープラーニングの仕組みを採用しているため、使えば使うほど AI が学習を行い、徐々に賢くなっていきます。そのため、生成 AI を活用する際には、一度使って満足するのではなく、検証・評価を繰り返し行うことが大切です。
仮に、ユーザーが求めているものとは異なるアウトプットを生成 AI が返してきた場合は、その原因を特定し、モデルを改良する必要があります。このような作業を継続的に行うことで、生成 AI の品質向上に繋がります。
まとめ
本記事では、生成 AI の概要や仕組みに加えて、活用時のポイントや具体的なサービス例などを一挙にご説明しました。
企業が生成 AI を活用することで、コンテンツの自動生成やコスト削減など、様々なメリットを享受できます。この記事を読み返して、具体的な活用事例や活用時のポイントなどを理解しておきましょう。
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本記事を参考にして、生成 AI の導入を検討してみてはいかがでしょうか?
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