AI エージェント アイデアソン in 神戸 開催レポート
- アイデアソン

はじめに
2025 年 10 月 2 日、G-gen は神戸市のアンカー神戸にて「AI エージェント アイデアソン」を開催しました。東京以外での初の出張開催となり、関西地区の企業 8 社から 22 名の皆様にご参加いただきました。
参加企業は、製造業からメディア、IT まで多岐にわたる業種の方々にお集まりいただきました。
アイデアソン開催概要
- 日時:2025 年 10 月 2 日(木)10:00 - 17:35
- 会場:ANCHOR KOBE(アンカー神戸)
- 形式:オンサイト限定
参加企業様(順不同 / 敬称略)
- IMV株式会社
- 株式会社ノエビア
- 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
- 株式会社ワコール
他、 4社
イベント概要
本アイデアソンは、参加者が自社の課題を深く理解し、AI エージェントによる解決の可能性を具体的に描き、導入に向けた第一歩を踏み出すための明確なアクションプランを策定することをゴールに設計されております。
単なるアイデア出しに留まらず、ビジネス実装への道筋を描くために、一日を通して理論と実践を往復する濃密なプログラムが組まれています。
イベントは、AI エージェントの基礎から最新の開発フレームワークまでを網羅する「座学」セッションから始まり、その後、参加者が自社の課題に没頭し、解決策を練り上げる長時間の「アイデアソン」ワークショップへと続きます。この構成は、参加者が確かな知識基盤の上に、現実的かつ創造的なアイデアを構築できるよう意図されたものです。G-gen のファシリテーションのもと、課題の特定からソリューションの具体化、そして発表まで、体系化されたプロセスを通じてイノベーションを創出しました。
座学パート:AI エージェントの基礎を学ぶ
優れたアイデアは、確かな知識基盤の上に生まれます。アイデアソンの成功は、参加者全員が AI エージェントという技術の本質を正しく理解し、その可能性を共有することから始まります。そのため、ワークショップに先立ち、G-gen のエキスパートによる「座学」セッションが設けられました。
午前の座学では、以下のトピックについて解説しました。
- AI エージェントとは: 目標達成のために自律的に PDCA を回す AI
- 技術動向: ADK ( Agent Development Kit )や MCP ( Model Context Protocol )など最新の開発フレームワーク
- Google Cloudの AI ソリューション: Gemini 2.5、Deep Research、NotebookLM Enterprise、Gemini Enterprise(旧称 Google Agentspace)など
- 具体的なユースケース: 契約書レビュー、カスタマーサポート、旅行プランニングなどのデモ
特に、Gemini 2.5 Flash や Imagen 4、Veo 3 といった最新モデルの紹介や、Gemini Enterprise による企業全体でのエージェント活用の可能性について、参加者の皆様から高い関心が寄せられました。
アイデアソンの進行
前半:課題の洗い出しと深掘り
確かな知識という羅針盤を得た参加者たちは、いよいよ自社の課題という大海原へと漕ぎ出しました。アイデアソンワークショップは、G-gen がこれまで数々のイベントで培ってきた体系的なフレームワークに沿って進行されました。このプロセスは、混沌とした問題意識から、磨き上げられたソリューションを結晶させるための錬金術とも言えます。
構造化されたアプローチにより、参加者は思考の迷路に陥ることなく、着実に議論を深めていくことができました。
こうして、各社の潜在的なビジネス課題は、AI エージェントという強力なレンズを通して、具体的な変革の設計図へと姿を変えていったのです。
後半:AI エージェント活用アイデアの具体化
午後のセッションでは、Google Cloud の社員も各グループに加わり、技術的な観点から積極的に意見交換を行いました。プロダクトの機能提案や実装方法のアドバイスなど、具体的な解決策の創出まで踏み込んだディスカッションが展開されました。
各テーブルでは、参加者がホワイトペーパーを埋め尽くす勢いで自社の業務フローを可視化し、課題の本質に迫っていました。業界も企業文化も異なるメンバーが、互いの課題に真剣に耳を傾け、自社の経験を元にアドバイスを送り合う。時折、大きな笑い声が響き渡るリラックスした雰囲気の中で、部門や企業の壁を越えたオープンな議論が終始繰り広げられました。
創出されたアイデア事例
ワークショップの集大成として、各グループから生み出された革新的なソリューションが発表されました。8 つの企業が提示した未来像は、それぞれが個性的でありながら、全体として現代企業が AI エージェントに何を求めているかという大きな潮流を示唆していました。分析すると、そのユースケースは大きく 3 つのテーマに分類できました。
- 社内ナレッジの解放 ( Internal Knowledge Liberation ): 組織内に散在・サイロ化し、有効活用されていない「知」を AI エージェントが横断的に検索・統合し、必要な人へ瞬時に届ける。
- 複雑なプロセスの自動化と最適化 ( Complex Process Orchestration ): 複数の部門やシステムをまたがる複雑な業務フローを AI エージェントが司令塔となって実行・管理し、リードタイム短縮と人的ミス削減を実現する。
- 次世代の顧客・ステークホルダーエンゲージメント ( Next-Generation Customer/Stakeholder Engagement ): AI エージェントが顧客やパートナーとの対話やマッチングを自動化・高度化し、新たな価値体験を創出する。
ここで、各社から発表された素晴らしいアイデアから 3 件ご紹介します。
- IT 部門の問い合わせ対応自動化
月 80 時間かかっている問い合わせ対応を AI エージェントで自動化し、社員の自己解決を促進 - 社内ポータル検索の改善
管理職年間 36,000 時間の削減を目指す野心的な取り組み - 販売価格設定の最適化
営業部門で年間 10,000 時間削減と利益最大化を両立
どのアイデアも、単なる業務効率化にとどまらず、従業員の働き方改革や新しい価値創出まで視野に入れた提案となっていました。
これらの革新的なアイデアは、静かな会議室で生まれたわけではありません。当日の ANCHOR KOBE の会場は、まさに「共創」という言葉を体現する、活気と熱気に満ちた空間でした。
G-gen のファシリテーターが「AI エージェントなら、こんなことも可能ですよ」と新たな視点を投げかけると、参加者の目から鱗が落ちたような表情と共に、「それなら、あの業務にも使えるかもしれない!」と、アイデアが連鎖的に生まれていく。そんな化学反応が、会場の至る所で起きていました。この活気ある議論の雰囲気こそが、各社から具体的で実践的なアイデアが続々と登場した原動力となったのです。
発表されたアイデアは、AI エージェントがもたらす変革の核心が、「社内ナレッジの解放」「複雑なプロセスの最適化」「次世代の顧客エンゲージメント」という 3 つの領域に集約されることを明確に示していました。これらは、現代のあらゆる企業が直面する普遍的な課題であり、AI エージェントがその解決策として極めて有効であることを証明しています。
しかし、本アイデアソンの最大の成果は、生み出されたアイデアそのもの以上に、参加者の皆様のマインドセットに起きた変化にあるのかもしれません。
神戸新聞NEXTでも本アイデアソンの記事が掲載されました!
▼ 企業のAIスキル向上で業務効率化へ 神戸でイベント
https://www.kobe-np.co.jp/news/economy/202510/0019558716.shtml
おわりに
イベントに参加する前は漠然とした課題意識や AI への期待感だったものが、一日を終える頃には、自社で推進すべき具体的な AI プロジェクトと、その実現に向けた「明日からのアクションプラン」へと結晶化していました 。G-gen の役割は、その変革の触媒となることです。企業の潜在的な課題を、テクノロジーを活用した明確な野心へと転換する。これこそが、私たちが提供する価値の本質です。
G-gen は、今後も Google Cloud との強固な連携のもと、AI エージェントをはじめとする最先端技術を活用し、お客様のビジネス課題解決を支援してまいります。
今回のレポートで紹介された事例に触発され、自社でも変革の第一歩を踏み出したいとお考えの企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。アイデアソン参加企業様向けに提供された特典もございます 。共に、ビジネスの未来を共創できることを楽しみにしています。
Contactお問い合わせ

Google Cloud / Google Workspace導入に関するお問い合わせ