AI エージェント活用の新時代 Google Cloud 合同アイデアソン開催レポート
- アイデアソン

アイデアソン開催概要
- 日時: 2025 年 8 月 27 日(水)10:00 - 17:00
- 会場: Google 渋谷オフィス
- 形式: オンサイト限定
参加企業様(順不同 / 敬称略)
- 石原産業株式会社
- 株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングス
- 株式会社日新
- 旭有機材株式会社
他、4 社
イベント概要
2025 年 8 月 27 日、株式会社G-gen は Google Cloud Japan 合同で、AI エージェントをテーマとしたアイデアソンを開催いたしました。多様な業界から 8 社の企業様にご参加いただき、AI エージェントの理解を深めながら、各社の業務変革の可能性を探求する一日となりました。
本アイデアソンは、単なる生成 AI の活用を超えた「自律的に行動する AI エージェント」に焦点を当て、参加企業の皆様に実際の業務課題解決の観点から AI エージェントの可能性を体験していただくことを目的としました。
AI エージェントとは?次世代AI活用の核心
AI エージェントは、目標を達成するために世界を観察し、利用可能なツールを使って自律的に行動するアプリケーションです。従来の生成 AI との根本的な違いをご説明します。
従来の生成 AI
- 指示駆動型:一度の指示で完結するタスクが中心
- アシスタント的役割:指示されたコンテンツの生成
- 単発のタスク処理:テキスト生成、画像生成、要約など
AI エージェント
- 自律型:継続的な「思考→行動→観察」のサイクル
- プロジェクトマネージャー的な役割:自分で考えて実行し目的を達成
- 複合的なタスク処理:複数のツールや情報を連携して活用
この違いにより、AI エージェントは単一の作業を超えて、業務プロセス全体を自律的に遂行する能力を持ちます。
Google Cloud の最新技術動向
今回のアイデアソンでは、Google Cloud が提供する最新の AI エージェント関連技術についても詳しく紹介されました。
Agent Development Kit(ADK)
Google がオープンソースとして提供する AI エージェント開発に特化したフレームワークです。
- 本番環境対応:Python 版(v1.12.0)の継続的なリリース
- 迅速な開発:直感的なコーディングでエージェント構築が可能
- Gemini エコシステム最適化:Google 製モデルとの高い親和性
- 多言語対応:Java 版(v0.2.0)のリリース
Google Agentspace
企業が大規模かつ迅速に AI エージェントを導入できるハイパースケールプラットフォームです。3 つの核心要素で構成されます。
- 検索:Google 品質のマルチモーダル検索を企業全体に適用
- 理解:強力な LLM による複雑な情報の統合と要約
- 行動:エージェントによるワークフロー効率化と意思決定支援
Gemini 2.5 の進化
最新のGeminiモデルファミリーでは、以下の進化が実現されています。
- Gemini 2.5 Flash:応答速度とコストのバランスに優れたモデル
- Gemini 2.5 Pro:高度な数学やプログラミング課題などに対応
- Live API:低レイテンシーでの音声対話が可能
- Model Optimizer:プロンプト内容に応じた最適モデルの自動選択
マルチメディア生成の新境地
メディア生成特化モデルも大幅に進化しています。
- Imagen 4:最大 2K の高品質画像生成・編集
- Veo 3:オーディオ付き高品質動画生成
- Chirp and Lyria 2:複数話者対応の音声・音楽生成
アイデアソンの進行
今回のアイデアソンは、以下の構成で進行しました。
午前:座学セッション
- AI エージェントの基礎概念
- 従来型生成 AI との違い
- 実用的なユースケース紹介
- Google Cloud 最新技術のデモ
午後:ワークショップ
- 課題の洗い出し:各参加者が業務上の課題を可視化
- テーマ選定:グループで重点的に取り組む課題を決定
- 業務フロー分析:現状プロセスの詳細理解
- AI エージェント活用アイデア創出:解決策の検討
- 実装イメージの具体化:導入後のプロセス設計
- 発表準備:成果のまとめと共有
アイデアソンの成果
今回は、多様な業界からご参加いただいた企業様が、それぞれの業務課題を AI エージェントでどう解決するかについて活発な議論を交わしました。
その中から、特に需要が高く、多くの企業で共通して見られる課題と、その解決策として生まれたアイデアの一部をご紹介します。
A 社
解決したい課題
- 社員数の増加が見込めない中での効率化と、新人社員の即戦力化です。また、顧客ごとに対応が異なる受注業務の複雑さも課題でした。
AI エージェントでできること
- 受注業務支援エージェント:顧客の発注内容を精査し、社内システムへのデータ入力や、顧客への送信メール文面の作成を自動化します。
- 過去内容推察エージェント:過去の受注内容を分析し、複雑な対応や調整事項を推察することで、新入社員でもスムーズに業務を進められるようにします。
B 社
解決したい課題
- 営業活動における情報収集の非効率と、社内ナレッジの属人化です。各営業担当者が個別に情報サービスを確認している点や、過去の案件情報が分散して活用できていない点が課題でした。
AI エージェントでできること
- 情報収集エージェント:外部の情報サービスや自治体などの情報を自動で収集・調査・分析し、効率を向上させます。
- 受注確度判定エージェント:過去の案件情報や日報、名刺情報といった社内データを統合的に分析し、受注確度の高い案件を自動で判定・提示します。
参加者の反応
参加企業の皆様からは以下のような声をいただきました。
- 「AI エージェントと従来の生成 AI の違いが明確になり、自社での活用可能性が具体的にイメージできるようになった」
- 「他社の視点や取り組み方を知ることで、自社の課題を新しい角度から捉え直すことができた」
- 「Google Cloud の技術ロードマップを理解することで、中長期的な AI 活用戦略を検討する材料が得られた」
- 「実際にワークショップを体験することで、AI エージェント導入に向けた具体的なアクションプランが見えてきた」
今後の展望
AI エージェント市場の成長
AI エージェント技術は急速に成熟しており、単純作業の自動化から複雑な判断を伴う業務プロセスの効率化まで、幅広い領域での活用が期待されています。特に以下の分野での成長が見込まれます。
- 顧客対応の自動化:問い合わせ対応から提案まで
- データ分析の高度化:収集から洞察抽出まで
- 業務プロセスの最適化:判断を伴う複合的な作業の自動化
- 新しい価値創出:創造的なタスクへの貢献
G-gen の取り組み
G-gen では、今回のアイデアソンでの知見を活かし、以下の取り組みを強化してまいります。
- AI エージェント導入コンサルティング:企業の課題分析から実装まで
- 技術支援:ADK や Google Agentspace を活用した開発サポート
- 教育・啓蒙活動:継続的なセミナーやワークショップの開催
- コミュニティ形成:企業間でのベストプラクティス共有の場づくり
まとめ
今回のアイデアソンを通じて、AI エージェントが企業の業務変革を実現する実用的なソリューションであることが改めて確認できました。参加企業の皆様には、AI エージェントの可能性を具体的に理解していただき、それぞれの組織での活用に向けた第一歩を踏み出していただけたものと思います。
AI の進化は日進月歩であり、特にエージェント技術は今後さらなる発展が期待されます。G-gen では、Google Cloud と緊密に連携しながら、企業の皆様の AI 活用を継続的に支援してまいります。
AI エージェントの導入や活用についてご相談がございましたら、お気軽に G-gen までお声がけください。次世代の AI 活用を一緒に探求していきましょう。
G-gen では、定期的に AI 技術に関するセミナーやワークショップを開催しております。最新情報は弊社ウェブサイトをご確認ください。
Contactお問い合わせ

Google Cloud / Google Workspace導入に関するお問い合わせ