脱 Excel で月次集計業務が1/10に!「数字の見える化」も実現

「以前は2人がかりで10人日近くかかっていた月次の実績集計作業が、今では1人で1日もかからずに終わります。経営層が迅速にデータを見られるようになっただけでなく、属人化していた業務からの脱却できました。」
株式会社ブンカ 小笠原基文氏
セールスプロモーションの提案から制作、報告までをワンストップで手がける株式会社ブンカ。同社は長年抱えていた経営実績報告の課題を解決するため、G-gen の支援のもと、BigQuery と Looker Studio を活用したデータ分析基盤を構築しました。その導入経緯と効果について、営業推進部システムサービス課の濱田様、小笠原様、南口様、大森様にお話を伺いました。

株式会社ブンカ様
1948年創業の株式会社ブンカ。印刷分野で長い歴史を持つ一方で、近年は印刷物にとどまらず、大手小売業向けの提案・キャンペーン事務局運営やデジタル施策、Webサイト制作、倉庫・発送業務など、幅広いソリューションを展開してきました。同社は時代の変化とともにデジタル分野へのシフトを積極的に進め、顧客の課題解決をトータルでサポートしています。
- ※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。
月の 1 / 3 を費やした Excel での実績集計。膨大な工数が課題に
デジタル分野に力を入れる株式会社ブンカでは、システムサービス課が情報システム全般を管理しています。その業務内容は、アカウント管理や端末のキッティング、複合機やスマートフォンの管理に加え、基幹システムの運用サポートや、社内外からのデータ加工依頼など、幅広い分野にわたります。
システムサービス課では長年、毎月の売上データや粗利計算などの営業実績を Excel で集計し、役員や営業部門に提供してきました。しかし、この作業には大きな課題があったといいます。課長の濱田隆氏はこう語ります。
「以前は旧システムでデータベースがあちこちに分散していて、何十個もクエリを実行して数字を出していました。2年前に基幹システムを導入してデータは一元化されましたが、依然として Excel での集計作業に膨大な時間がかかっていました」
同課では通常でも2人で月5日分、繁忙期の10〜12月には月の1/3にあたる10日間をこの作業に費やしていたといいます。システムエンジニアの小笠原基文氏も「年末に向けては、リソースの80%ぐらいを使ってずっと数字を見ている状態でした」と振り返ります。
また、完成した Excel ファイルは、営業担当者などがデータを深掘りして分析するには不向きでした。フィルター機能には限界があり、プロジェクトごとの数値を詳細に確認するのも一苦労だったといいます。この膨大な時間と手間がかかる作業を効率化し、誰もが簡単にデータへアクセスできる環境を整えることが、課にとって急務の課題でした。
決め手は Google Workspace との親和性と、デザインまで任せられる伴走型支援
「脱 Excel」を目指す中で、データ基盤として Google Cloud が選ばれたのは自然な流れでした。小笠原氏はこう話します。
「全社で Google Workspace を導入していたため、そのまま使える Google Cloud 以外の選択肢はほとんどありませんでした。Azure などを新たに導入するという選択もなかったですね。」
BI ツールについては、小笠原氏が個人的に使い慣れていた MicrosoftのPower BI も候補に挙がりましたが、最終的には Looker Studio が採用されました。
「社員が Google の UI に慣れ親しんでいたことが大きいですね。また、私たちは UI デザインが得意ではないのですが、G-gen にお願いすればデザイン面も含めてサポートしてくれるという安心感がありました。」(小笠原氏)
株式会社ブンカ 営業推進部システムサービス課 小笠原基文 氏
G-gen との出会いは、展示会がきっかけでした。その後のやりとりと、そこで受けた印象について、濱田氏は次のように話します。
「要望事項に対して、G-gen は複数の選択肢を提示してくれました。会話をしながらベストプラクティスを教えてもらえるという、相談ベースの進め方が私たちには合っていましたね。」(濱田氏)
段階的な開発でスムーズに移行。月10人日の作業が約1/10へ
プロジェクトは、まず基幹システムから出力される CSV ファイルを Cloud Storage に格納し、Cloud Functions や Cloud Workflows を経由して BigQuery に自動で取り込むデータパイプラインの構築から始まりました。
開発はフェーズごとに進められました。まず全社の合計実績値を見える化するフェーズ1を完成させ、次により詳細なチームごとの目標値などを表示するフェーズ2を開発。段階的に機能を拡張し、2025年3月には全社員への展開が完了しました。
導入の効果は絶大だったそうです。「非常に効率が上がりました。以前は2人がかりで5日以上かかっていた作業が、今では1人で1日もかからずに終わります。工数で言えば1/10ほどになりました。」(小笠原氏)
構成図
経営層から営業まで、全社的なデータ活用と迅速な意思決定が加速
工数削減に加え、データの活用レベルも大きく向上しました。月末のデータが締まると1〜2日という短期間で経営数値を確認できるため、経営層による迅速な意思決定が可能です。また、現場の社員による数字の確認や活用も進んでいます。
「Looker Studio ならプロジェクトごとの検索や、利益率が低い案件のソートも簡単です。Excel では難しかったデータの組み合わせも可能になり、営業担当者も自分のプロジェクトの数値をより深く分析できるようになったようです」(小笠原氏)
「経営層は事業ごとの数値を集計し、今後の投資先の判断などに活用していると思います。また、リモートワーク中の社員が社内VPNに接続することなく実績を確認できるようになったことも、大きなメリットです」(濱田氏)
「脱・属人化」を合言葉に、さらなる社内システムのクラウド化を目指す
今回の成功を受け、同社では他の社内システムのクラウド化も視野に入れています。
「実績帳票の他にも、社内にはクラウド化できる業務がたくさんあります。例えば、前任者が作成したものの引き継ぎがうまくいかず、運用停止状態になっている経費管理の仕組みや、保守ができない業務日報アプリなどを、私たちが管理できる形で刷新していきたいと考えています」(小笠原氏)
最後に、濱田氏は G-gen への今後の期待について、次のように語ってくれました。
「細かく作り込まれた属人的なシステムは、人が代わると誰も触れなくなってしまいます。今後はそうした属人的なシステムを排除し、継続的に運用できるようなシステムの設計・開発をサポートしていただきたいです。当社の困りごとについて、引き続きいろいろなアドバイスをいただけると嬉しいですね。」
株式会社ブンカ 営業推進部システムサービス課 課長 濱田隆 氏
さらなるデジタル化と、それによる業務改善を目指す株式会社ブンカ。G-gen は同社のパートナーとして、引き続きさまざまなサポートを提供していきます。
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