Google Cloud - Vertex AI へのスムーズな移行により、
80%のコスト削減とグループ全体でのAI活用推進に貢献

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「Vertex AI へ移行したことで、ツール利用にかかるコストが従来よりも80％削減できました。また、シンプルで使いやすい操作性だったので、グループ全体で AI 活用の機運が高まっています」
キリンビジネスシステム株式会社 枡野優輝氏

キリングループ全体の IT 関連業務を担っているキリンビジネスシステム株式会社。ビジネスの効率化を目指し2018年から AI プロダクトをいち早く導入し、自動販売機の販売予測などに生かしています。同社は、2023年12月に G-gen のサポートのもと、Vertex AI への移行を実施しました。今回は、キリンビジネスシステムの枡野優輝氏と辻隆嗣氏に移行に至った背景や導入効果、今後の展望まで伺いました。

機能制限とコスト面の課題から、Google Cloud - Vertex AI への移行を決意

一番搾り、氷結、午後の紅茶などを販売する大手飲料メーカーのキリンホールディングス。そのグループ全体のIT関連業務を担っているのが、キリンビジネスシステム株式会社です。同社では、2018年にいち早く AI プロダクトを導入し、AI 予測技術をグループ全体の業務に活用してきました。

そうした中、従来活用していた他社 AI プロダクト( SaaS ) では「機能制限が厳しくコスト面でも負担になっていた」と枡野氏は以下のように振り返ります。

「AI の業務活用をグループ全体で進めていたにも関わらず、従来使用していた製品は大きな機能制限があり、使用するプロジェクトを絞っているという本末転倒な状況が起こっていました。また、定額料金だったため、あまり使用していない月でも同額料金がかかり、コスト負担も大きな課題となっていました」。

そこで同社では、AI プロダクトの移行を計画。従来のものを含め3つのプロダクトを選定し、最終的に Vertex AI の活用を決定しました。

「機能面では3つのプロダクトの差があまりなかったのですが、従量課金制が決め手となり Vertex AI を選定しました。機能制限がほぼなく、使用したい量だけ使用できますので、キリンの活用状況にも合致していると思いました。従来利用していた製品とは異なり、予め定義したプロジェクト以外でも制限なくできるようになったのは非常に良かったです」（辻氏）

キリンビジネスシステム株式会社 経営企画部 デジタルソリューショングループ 辻 隆嗣 氏

事業に寄り添った伴走支援により、スピーディーかつスムーズな移行を実現

今回、同社の Vertex AI への移行作業は G-gen がサポートしています。プロジェクトパートナーとして G-gen を選んだ理由について、枡野氏は以下のように話します。

「システム構築を得意としているベンダーについて Google Cloud Japan に相談したところ、一番に Ｇ-gen を紹介してもらいました。G-gen は Google Cloud プレミアムパートナーで実績も十分でしたのでお願いすることにしました」。

Vertex AI への移行作業は、2023年9月からスタート。そして、同年12月には環境構築が終了し、運用が開始されました。わずか3カ月という早いスピード感での移行作業に「大変驚いた」という枡野氏は、運用後も「使用する上で苦労はほぼなく、切り替え時も全く問題はなかった」と話します。

キリンビジネスシステム株式会社 経営企画部 デジタルソリューショングループ 枡野 優輝 氏

「移行作業に際して、G-gen に10回以上も勉強会や説明会を開催してもらいました。当グループ内の各事業会社が、AI をどのように活用しており、今後どう活用していきたいのか、ということを徹底的にヒアリングしてもらいました。G-gen の顧客ビジネスに寄り添った伴走支援は非常に心強く、そのおかげでスムーズな移行につながりました。移行後の利活用促進を行うフェーズでも G-gen に引き続き支援をお願いしています」（枡野氏）

シンプルで使いやすい操作性から、AI 活用の際の心理的ハードルも下がった

同社は Vertex AI への移行後、課題だったツール利用にかかるコストが 80％削減できたといいます。また、Vertex AI を活用することで、これまで頭を悩ませていた機能制限もなくなり、「グループ全体で AI 活用の機運が高まっている」と辻氏は以下のように語ります。

「課題だった機能制限が撤廃されたので、グループ全体で AI ツールを使用するハードルが下がったと思います。キリンビールの工場は全部で9つあり、AI 予測ツールを使用していたのはそのうち1工場だけでしたが、Vertex AI の移行後、ほかの工場にも展開する動きが出ています」

キリングループの従業員からは、Vertex AI への移行後「シンプルで分かりやすく、使いやすい」、「使う際の心理的ハードルが下がった」という好意的な反応が多かったといいます（主には AutoML で、回帰モデルを活用）。さらに、同社ではグループ内の各事業会社で IT ツールを使用する際は、活用方法などの伴走支援を行っていますが、辻氏は「教育もしやすくなった」と感じており、思わぬ付加価値も享受できたようです。

今後は Vertex AI を活用し、マーケティング施策にも生かしたい

現在、Vertex AI はキリングループ各社において、工場の排水処理予測、自動販売機の販売予測、ビールブランドの出荷予測などで活用されています。今後は、さらなる幅広い業務での活用はもちろん、「販促施策の改善にも活用していきたい」と辻氏は以下のように話します。

「当グループでは、飲料以外に健康サプリなども販売しています。今までの通信販売業務を通して多くのデータが蓄積されていますので、Vertex AI を活用して、マーケティング領域の販促施策の改善に生かしていきたいです。さらにその先は業務領域を制限せずに展開し、『業務で AI を使うのは当たり前』というところまで、グループ社員の意識を高めていきたいですね」。

一方、枡野氏は今後も G-gen との連携を深めていき、「システム活用だけでなくその中身まで提案していきたい」と意気込みます。

「G-gen と協力していく中で、AI の活用事例などの知見も深めていければと考えています。その上で、システムに詳しい私たちだからこそ、個々の事業会社の課題を解決できるような中身（活用方法）の部分も提案していければと思います」（枡野氏）

今後、Vertex AI の活用をグループ全体で推し進めていくと力強く語ってくれた枡野氏と辻氏。キリングループ全体でさらなる業績拡大が期待できることでしょう。

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