新潟大学 全学の学生向けに Google Cloud ハンズオンセミナーを実施
「大学で教えるのは、AI のアルゴリズムやデータ分析の方法などが中心です。社会においてシステムを使う際に避けられない『クラウドサービス』を実感できる機会を提供したいと考えました」
新潟大学 工学部工学科 兼 ビッグデータアクティベーション研究センター長 山﨑 達也教授
新潟大学 ビッグデータアクティベーション研究センターでは、2023年12月に学生向けの Google Cloud ハンズオンセミナーを実施しました。ここではセミナー実施の意図や、その背景にある想い、セミナーの成果などについて、ビッグデータアクティベーション研究センター長の山﨑 達也教授に伺いました。
新潟大学 ビッグデータアクティベーション研究センター様
ビッグデータアクティベーション研究センターは、全学にわたりデータサイエンスやAIの教育・研究をマネジメントする目的で設置された新潟大学の機関です。2017年4月の設立以来、デジタル社会における分野融合研究や人材育成、産学地域連携の推進に取り組んでいます。
- ※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。
セミナーを通してクラウドサービスを「実感」する機会を提供
山﨑教授が教鞭を執る工学部工学科では、情報化社会に対応すべくデータの収集・分析・活用を通して、社会からのさまざまな要求や産業課題を解決する研究を行っています。新潟大学は10の学部を有する総合大学です。ビッグデータアクティベーション研究センター(BDA研究センター)は、その学部の枠を超えて、あらゆる産業分野で必要とされるビッグデータ活用の研究を目的に設立されました。同センターはビッグデータや AI に関わる人材育成、分野融合研究、産学連携を通じた地域貢献などの活動を行っています。
センター長の山﨑 達也教授は、「実社会でビッグデータを扱う際はクラウドサービスが必須であると考え」、学生のうちからクラウドサービスを体験できる機会を提供するため、G-gen の協力のもと Google Cloud のハンズオンセミナーを実施しました。
学生向け Google Cloud ハンズオンセミナーの内容
オンラインで実施された Google Cloud ハンズオンセミナー。まず前半ではパブリッククラウドの概要や Google Cloud の概要、パブリッククラウド上の製品やサービスの種類・活用方法について座学が行われました。
続くハンズオンでは Compute Engine や VPC 、Cloud Storage 、BigQuery 、Looker Studio を実際に動かし、クラウドサービスを体験するという構成です。
セミナーを実施した意図について、山﨑教授はこのように語ります。
「実社会の中でシステムを活用するうえで、クラウドの利用は必須です。しかし大学で教えているのは AI のアルゴリズムやデータ分析の方法が中心で、クラウドサービスについて実感する機会はなかなかありません。このセミナーは、そうした機会を提供する目的で計画しました」
セミナー内容の企画と実施を担当したのは G-gen です。「クラウドの実態を知らない初心者の学生にもわかる内容を」という山﨑教授のリクエストに沿った形で、講義内容と実施方法を提案させていただきました。
全学部を対象にセミナーを実施
ハンズオンセミナーの対象となったのは、新潟大学にある10の学部すべてです。そもそもBDA研究センターは全学にわたり、データサイエンスや AI の教育・研究をマネジメントする組織。今回のセミナーも、その活動の一環として行われました。
「実際に参加したのは、五十嵐キャンパスに通う工学部の学生が中心です。ほかに経済科学部や、旭町キャンパスの医学部からも参加がありました」と山﨑教授は振り返ります。
一方で、セミナー参加者の反応は上々だったといいます。実際に「参加して良かった」「よく理解できた」という声が聞かれ、アンケートの満足度平均も(5段階評価の)4.5という数字でした。
学生側のカメラはオフで表情を伺えなかったものの、講師からの問いかけには Good ボタンでしっかりリアクションがあるなど「参加している感はあった」と山﨑教授。「身近に利用している大手企業の店舗や有名アプリでも Google Cloud を使っているという説明に、親近感を持ってくれたと思います」と、手応えを感じられたそうです。
データサイエンス教育への山﨑教授の想い
今回のセミナーは「データサイエンスの分野にもう一歩踏み込んでほしい」という山﨑教授の想いが背景にあります。
「本学では、すべての学部でデータサイエンスの座学が必修です。もちろんその先の学習環境も用意していますが、さらに学習を進めるかどうかは本人の選択次第。この部分で学生のモチベーションを上げていきたいのですが、大学独自で講義を行うにはリソース不足です。そのため、今回は G-gen さんにご相談させていただきました」
一方で文系の学部を中心に、基本的なPCスキルが足りない学生が増えていると山﨑教授は語ります。
「文系の学部ではこちらからコードを渡して、Python でそれを実行してもらうという内容で講義を行っています。自分でコードを書く必要がないので、それほどハードルは高くありません。ただ最近はプログラム以前に、PC をうまく扱えない学生が多いですね。まずはフォルダの概念とか、ファイルがどこにあるかとか、まずはその段階からほぐして教える必要があります」
継続的なセミナー開催が今後の目標
今後のデータサイエンス教育について「今回のようなセミナーを継続してやっていきたい」と語る山﨑教授。ただしセミナーの実施には費用が発生するため、事前の予算計画が必要とのことでした。
加えて、今後のセミナーでは文系学生向けの内容も検討したいとのこと。「文系の学生には、クラウド以前に『データサイエンスとは』『データ分析とは』といった内容が必要です。実際に AI を利用する方法についてもハンズオン形式で実施して、AI がこの先『なくてはならない技術』であることを実感してもらいたいです」と山﨑教授は語ってくれました。
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