株式会社viviON様 分散したデータを集約し、「Looker」でデータの可視化と活用の実現
「グループ全体でサービス数が増え続ける一方で、それぞれのサービスのデータを統合して横断的なデータ分析・活用したいと考えていました。G-genさんのサポートで Looker を導入したことで、データの統合はもちろん、データ処理の効率化や使用感の向上も実現しています」
株式会社viviON マーケティング部マネージャー 藤井紀之氏
増え続けるサービスと供に蓄積される膨大なデータ。株式会社viviON(ヴィヴィオン)は、このデータを活用するために、「Looker」によるデータの可視化、データを活用したメール配信の最適化を図りました。これらの導入の経緯とG-genのサポート内容、導入効果について、マーケティング部マネージャー の藤井紀之氏に伺いました。
株式会社viviON様
株式会社viviONは「ユーザーとクリエイターが楽しみながら幸せに生きていける社会」を目指して、総合二次元コンテンツサービスを展開。個人のクリエイターによって制作された同人作品から、出版社やメーカーが作ったコミック、ゲームまで扱う各種サービスアプリの開発・提供を行っています。
- ※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。
BIツールでの「データ分析」とデータを活用した「メール配信」の2つのプロジェクトをサポート
2021年設立の株式会社viviON(以下、viviON)。GEOグループの再編にともない株式会社エイシスから移籍したメンバーで構成され、2次元コンテンツの取り扱いを中心としたサービスアプリの開発・運営を行っています。
viviONの特徴は、多くのサービスを次々に展開していることと、1000万人を超えるという膨大なユーザー数です。一方でサービス間の横断的なデータ分析が行われていないことや、メールマーケティングの費用がかさんでいることなどが課題でした。
同社はG-genのサポートのもと、それまで使っていたBIツールに代えて Google の Looker を導入。その後、メールマーケティングの業務も新しいメール配信ツールに移行することで、コスト削減・処理時間の短縮・UI(使用感)の改善という3つの成果を実現しました。
「コストの増加」「処理速度の遅さ」「使いやすさ」の3つが課題
GEOグループの中で次々と新しいサービスが立ち上がるなか、viviONは「データ量の増加とデータの分散」という課題に直面していました。社内のマーケティング施策を一括サポートしているマーケティング部のマネージャー 、藤井紀之 氏はこう語ります。
「せっかくマーケティング部として全社を一括サポートしているのに、なかなか横断的な活用ができない状況が続いていました。自分たちが運営しているサービスはすべて横断的にデータを統合し、データマーケティングを推進することが大目標です」。
一方、データ分析やメールマーケティングに使用するツールについては「コスト」「処理速度」「使いやすさ」の3つの面で課題を感じていたそうです。
たとえばBIツールの場合、規模の拡大にともない「データ分析に使わないデータ」の管理コストが増大していました。前日のデータを当日の始業時間までに処理できないことも大きな課題だったといいます。
メールマーケティングも同様で、グループ全体で会員が1000万人を超え、メール送信にかかるコストが課題になっていました。一方、既存のメール配信ツールは処理が重く、業務に関るメンバーに大きなストレスを与えていたそうです。
加えて社内のローデータとメール配信ツールに登録するデータを分けて運用しなければならないため、データ管理に膨大な時間がかかり、同記事のデータの乖離などによるトラブルも発生していました。
課題の解決に向けてツール移行プロジェクトをスタートしたマーケティング部。複数製品を比較検討した結果、移行先のBIツールとして Looker 、データ分析基盤として BigQuery 、データパイプラインのツールとして Cloud Composer 、メール配信ツールに MPSE( Mail Publisher Smart Edition )を選択しました。
「提供サービスのリリース期間の長さよりも、従来使っていたツールと操作感が共通しているか、パフォーマンスの要件を満たしているかに注目しました」と藤井氏は振り返ります。
自社運用を前提とした伴走支援でG-genを選択
データ分析ツールの移行とメールマーケティングに利用するツールの移行という「二本立てのプロジェクト」を進めるにあたり、viviONがパートナーに選んだのはG-genです。ツール移行の実際の手順は、viviONが主体となってプロジェクト進行を行う中で、viviONのノウハウだけでは対応しきれない部分をG-genが伴走支援するという形で進められました。
「BIツールの移行では、要件定義のサポートから実際の接続周りまで、ユースケースレベルで手伝っていただきました。ツールの操作方法を教わるというより、データ分析などのフローを教えてもらった感じです。メール配信ツールの移行でも、コストカットや工数カットに留意してサポートしてもらいました」(藤井氏)。
一方、プロジェクトを進行する際のG-genの対応について、藤井氏は「G-genさんには、我々がやりやすいようにフォローしていただきました。基礎から教えるというよりも、こちらが求めるものに柔軟に対応し、スマートな道筋を示してもらえた点が良かったと感じています」と評価しています。
ちなみにPoCではサンプルデータを一切使わず、実際に社内のデータベースに接続して検証しました。viviONではマーケティング部に限らず、営業や、実際にサービスを運営する従業員もBIツールを利用します。そうした人々にとって使いやすいシステムとするために、検証作業では「処理速度」のみに限らず、「操作の簡易性」や「インターフェース」も意識して行われました。
大幅なコスト削減と業務の効率化の実現
BIツール( Looker )、メールマーケティングツールの移行はそれぞれ別のプロジェクトとして実施されましたが、ツール導入の効果は共通しています。まずコスト面の効果については、現在は移行期間中で併用期間ではあるものの、完了後には2本のプロジェクトを合わせて年間で数千万単位の経費削減を達成する見込みです。
Looker 構成図
たとえばBIツールの場合、従来使用していたツールでは分析に使われるかどうかに関係なく、システムと連携するデータすべてが課金対象になるのに対し、 Looker は接続した分だけが課金対象で、分析に使わないデータのメンテナンスコストは発生しません。さらに Google Cloud の BigQuery 、Cloud Composer と MPSE で構築したシステムは従来のメール配信ツールよりもメール送信単価が低いため、メール送信件数を増やしつつコストを抑えられると考えています。
ツールの使用感についても効果が見られます。従来のBIツールではコストを抑えるため「投入するデータ量に上限」を設けており、「本当は投入したいデータがあるのに入れられない」という課題が発生していました。これに対し Looker ではより多くのデータを投入し、従来のツールでは不可能だったレベルのデータまで見られるようになっています。
データの処理速度についても前日のデータが朝の就業時間までにおおむね終わるようになったそうです。UIについては「慣れも必要ですが、いままでのところ従業員からほとんど問い合わせが来ておらず、選んだだけの成果が出ていると感じています」と藤井氏は語ります。
メール配信ツールの移行では、これまで2つに分けて管理していたデータベースの集約に成功。一元化された社内のローデータを BigQuery で呼び出してメール配信先を抽出することで、業務をスケールアウトできました。
シナリオメール配信基盤構築
経営判断に活かせるデータ活用が次のステップ
「データツールの移行プロジェクトはまだ完了していない」と語る藤井氏。一方で、目の前のやりたいこととして、経理部門や経営企画系部門でのデータ分析を挙げます。「事業部門以外でも同じデータ分析を利用して、経営判断にデータを活用していけないかと考えています」。
この目標を達成するうえで、viviONがG-genに期待するのは「知見に基づくアドバイス」です。特に「どのキーでデータベースを結びつけるか」について、「我々にはまだまだ持っていない知見がたくさんあります。データベースの構築や、基盤作りのところから相談したい」と話していただきました。
Contactお問い合わせ
Google Cloud / Google Workspace導入に関するお問い合わせ