Zion株式会社様のGoogle Workspace導入およびAppSheetの活用による業務効率化事例
"案件数の増加に伴い、プロジェクトの進捗管理と情報共有が課題となっていました。Google Workspaceは増加する案件のタスク管理と、社内でのナレッジ共有の効率化に役立っています。"
Zion株式会社 長谷川幹夫氏
増加するプロジェクトの進捗管理と担当者同士のナレッジ共有を効率的に行うため、Google Workspaceを導入したZion(ザイオン)株式会社。導入に至る経緯とその効果について、Zion株式会社 代表取締役 長谷川幹夫氏、取締役 吉田政幸氏にお話しを伺いました。
Zion株式会社様
Zion株式会社は、生産設備の制御・監視で稼働する古いパソコンのリプレイスや、IoTセンサーによる工場の見える化を手掛ける会社です。NEC製パソコンPC-9801を最新のWindows上で仮想的に動作させてリプレイスするサービス「Neo」や旧バージョンのWindowsを最新のWindowsにリプレイスするサービス「Switch」、フロッピーディスクやHDDの完全バックアップサービス「Link」といった主力製品を通して生産現場の安定稼働を支援し、工場を持つ会社の事業継続に貢献しています。
- ※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。
Google Workspaceでプロジェクトの進捗管理と情報共有を効率化
Zion株式会社では、プロジェクトのタスク管理と社員同士のナレッジ共有が課題となっていました。従来はExcelでの情報記録や口頭での情報伝達が行われていましたが、これらの方法では案件数が増えるほど「更新頻度の遅れ」や「漏れ」が発生しやすくなります。
同社ではG-genのサポートのもと、2021年11月よりGoogle Workspaceの試験運用を開始。無料のダッシュボードツールであるデータポータルやノーコードで開発できるAppSheetなど各種ツールを活用することで、より効率的な進捗管理と情報共有を実現しました。
Zionでは今後も利用ツールの幅を広げつつ、情報の一元管理をさらに進めると同時に、特約店や代理店など社外との連携も積極的に進めていきます。
案件数の増加によって社内のタスク管理とナレッジ共有が課題に
2016年設立のZion株式会社は、多くの生産現場で今なお使用されているNEC製パソコンPC-9801を、低コスト・短納期で最新Windowsパソコンにリプレイスする独自のサービスを提供しています。製造から30年以上が経過したパソコンは同じものを買い換えることができず、修理もできないため、同社のニーズは拡大する一方です。
しかし案件数が増加するにつれ、社内ではプロジェクトの進捗管理やタスク管理に関する課題が表面化してきたといいます。「これまではタスク管理にExcelを使っていましたが、担当者の記入が遅れたり、忘れると他の社員と情報共有できませんし、進捗も見えません。案件が少ないうちは良いのですが、案件が増えるとどうしても『抜け』が出てきてしまいます」と語るのは代表取締役の長谷川幹夫氏です。
Zionでは案件ごとに「要件確認」や「バックアップの見積もり」「リプレイスの見積もり」など十数の工程が発生しています。また案件ごとに事情が異なるため、必要とされるノウハウもさまざまです。増加する案件のタスク管理と、社内でのナレッジ共有を効率化するため、同社ではクラウドサービスの活用を検討することにしました。
導入ハードルの低さと情報の多さがGoogle製品導入の決め手
導入候補となったのはAmazon Web Services、Microsoft(Azure、Microsoft 365)、Google(Google Cloud、Google Workspace)の3つ。これら3大クラウドサービスのうち、Googleを選定する決め手となったのは2つの理由でした。
まず1つ目の決め手は「導入コスト」と「ノーコード開発ツールによる開発の効率化」です。Googleではデータポータルをはじめさまざまなサービスが無料で用意されていますし、少人数のアカウントであれば利用料金も大きな負担になりません。またノーコード開発ツールのAppSheetを使って、Zionの業務フローに合わせた進捗管理システムを構築できることも大きなアドバンテージでした。
2つ目の決め手となったのは「情報量」です。Google Workspace や AppSheet は、インターネット上に日本語のコンテンツが豊富にあったことが強みになったといいます。
Zionでは2021年の11月からGoogle Workspaceの試験導入を開始し、AppSheetによる進捗管理機能は2022年2月プロトタイプ公開、3月半ばに本番運用を開始、ナレッジ管理機能は同月末にプロトタイプの公開を行っています。パートナーとしてG-genを選んだ理由について、取締役の吉田政幸氏は「もともと前職で(G-genの親会社)サーバーワークスさんとやりとりをしていました。そのときに『今度Google専門のSIerを立ち上げる』という話を聞き、今回のタイミングに合わせて声をかけさせていただきました」と振り返ります。
担当同士の情報共有と管理側の進捗把握がより効率的に
Google Workspaceの導入効果として吉田氏が真っ先に挙げるのは「情報がオープンになり、誰でも同じ情報を共有できるようになったこと」です。Zionではこれまで口頭などで互いの進捗報告や情報共有をしていましたが、システムが情報共有の拠りどころとなったことで担当者同士の情報のやりとりも密になりました。
一方、管理側ではより大きな効果を感じています。これまでは毎週のように「全案件」の進捗を確認していましたが、システム上で進捗の変化に合わせた表示が行われることで「変化した案件」のみを的確に効率よくフォローできるようになりました。加えて「主業務だけでなく、それに紐付いた上流や下流の業務の洗い出しの検討にも役立っています」と吉田氏は語ります。
BigQueryなど幅広いツールを利用して一層の情報活用を目指す
今後の展開について、「社内的には情報の一元管理の幅をもっと広げ、より一層の情報共有を進めていきたい」と吉田氏は語ります。現在はGoogle Workspaceでタスク管理とナレッジ管理を実現していますが、さらに売上の管理や人件費の管理もリアルタイムで共有できるようにしていく予定です。
特約店や代理店との情報共有も今後の大きなテーマです。「特約店や代理店が全国から集めてくれる情報に対して当社がボトルネックにならないよう、しっかり情報提供していきたいですね」(吉田氏)。
こうした目標に向け、今後も段階的にさまざまなツールを使っていきたいと語る長谷川氏と吉田氏。それにはクラウド型データウェアハウスのBigQueryのようなGoogleのサービスも含まれますが、一方で吉田氏は「今後すべてのサービスをGoogle前提で行くのは、いろいろ限界があると思っている」とも考えています。社内であればツールや運用ルールの統制は可能ですが、社外の方と連携するためには臨機応変にツールを使い分けなければなりません。
社内はGoogleが中核になりますが、今後は特約店や代理店と業務連携を強化していく上で、より自由度の高いツールが必要になります。Slackのようなアプリのハブになるデファクトスタンダードなツールの活用も、今後の検討課題のひとつです。Zionでは引き続き、G-genと連携してこうした課題に取り組んでいきます。
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