Cloud Run 2020 年のアップデートおさらい
- Cloud Run
はじめまして!新卒の takoyaki です。今日は Google Cloud のコンピューティングサービスである Cloud Run の 2020 年アップデート内容を紹介していきたいと思います。
目次
Cloud Run とは?
Cloud Run は、コンテナ化されたアプリケーションを素早くデプロイできるフルマネージドのコンピューティングプラットフォームです。2019 年 11 月 14 日に一般提供(GA)としてリリースされました。
コンテナ化によりプログラミング言語に制約がなく、コードと依存関係をパッケージ化するため、システムの移行が容易になります。
また、フルマネージドであるためインフラストラクチャの管理が不要で、トラフィックに応じて自動スケーリングを行い、使用したリソース量に対してのみ課金されます。東京・大阪リージョンは下図のティア1料金になります。(2021 年 7 月 14 日現在)
最新の料金詳細はこちらから確認できます。
コンテナを扱うコンピューティングサービスの使い分け
コンテナを扱うことができるコンピューティングとして、Google Kubernetes Engine や、App Engine Flexible があります。これらのサービスは、インスタンスが常に1つ以上起動しますが、Cloud Run は自動スケーリングによりゼロまでスケールインするため、使い方次第で料金を抑えることができます。
しかし、Cloud Run は CPU やメモリの割り当て数が大きくないため、長時間の処理や多くのリソースを要する演算処理の場合は向いていません。
要件に合わせて適したコンピューティングサービスを選択する必要があります。
2020 年のアップデート内容
2020 年の Cloud Run アップデート内容を見ていきましょう。
Cloud Run は一般提供(GA)になってから日が浅いので、2020 年のアップデート内容はサービスを使用する上で重要な機能をサポートした内容が多い印象です。
対応したリージョン
2020 年に下記のリージョンで使用可能になりました。日本では大阪リージョンが追加されたため、アプリケーションを東京と大阪のマルチリージョンで構成し、可用性を向上させることができます。
- asia-east1(Taiwan)
- asia-east2 (Hong Kong)
- asia-northeast2(Osaka)
- asia-northeast3 (Seoul, South Korea)
- asia-southeast1(Singapore)
- asia-southeast2 (Jakarta)
- asia-south1 (Mumbai, India)
- australia-southeast1(Sydney)
- europe-north1(Finland)
- europe-west2 (London, UK)
- europe-west3 (Frankfurt, Germany)
- europe-west4(Netherlands)
- europe-west6 (Zurich, Switzerland)
- northamerica-northeast1(Montréal)
- southamerica-east1 (Sao Paulo, Brazil)
- us-east4(Northern Virginia)
- us-west1(Oregon)
インスタンスの CPU , メモリの割り当て
Cloud Run サービスのコンテナインスタンスに対して、下記のように CPU、メモリの割り当て可能な数が増えました。
- vCPU: 最大 4 つ。
- メモリ: 最大 8GiB。
ユーザーインターフェースの拡張
下記のようにコンソール画面での機能が追加されました。より直感的に操作できるようになり、開発しやすくなりました。
- サービス YAML ファイルの編集。
- Cloud Run サービスのコピー。
- Cloud Build を使用したGitからの継続的デプロイメントのセットアップ。
- 継続的デプロイメントを設定する際に、Go、Node.js、Python、Java、.NET Core のコードを含むリポジトリの選択。
- Cloud Run のリビジョン詳細パネルでビルド情報やソースリポジトリ情報の表示。
- Cloud Domains 経由でカスタムドメインの購入。
コマンドラインの拡張
- 「--command」「--args」コマンドラインフラグを使用したカスタムのコマンドと引数の設定。
- 「--revision-suffix」コマンドラインフラグを使用したカスタムリビジョン名の設定。
- 「gcloud run services describe SERVICE --format export」コマンドで Cloud Run サービスを YAML ファイルにエクスポート。
- 「gcloud beta run deploy --source .」コマンドでソースコードのビルドと Cloud Run へのデプロイを 1 つのコマンドで実行可能。
ネットワーク
- Serverless VPC Access による VPC ネットワークへの接続。
- サーバーレスネットワークエンドポイントグループを介した Cloud Run サービスで、外部 HTTP (S)ロードバランシングをサポート。(ベータ版)
- 共有 VPC のサーバーレス VPC アクセスをサポート。(ベータ版)
- サービスからの egress トラフィックを制御し、すべての外向きリクエストを VPC ネットワークにルーティング可能。(Cloud NAT で静的外部IPアドレスを設定できるようになった。)
- Cloud Run サービスの内向きの制限が可能。
デプロイメント
- ローカルの設定ファイル(YAMLファイル)から Cloud Run サービスのデプロイ。
- Artifact Registry からのコンテナイメージのデプロイ。
- ロールバック、Blue/Green デプロイ、リビジョン間のトラフィック移行。
その他、機能の追加など
- リクエストが送信されるコンテナポートのカスタマイズ。
- リソースロケーションの制約を含む組織ポリシーを使用して、Cloud Run サービスの展開に利用できる地域の制限。
- Cloud Code 拡張機能で Cloud Run サービスをサポート。Cloud Run サービスをローカルで開発・デバッグ可能。
- Cloud Run のコンテナインスタンスメタデータサーバーが、コンテナインスタンスの一意の識別子と Cloud Run サービスのリージョンを公開。
- Cloud Asset InventoryでCloud Run リソースを利用可能。
- Cloud Run のリビジョンへのタグ付け。
- サーバーサイドの HTTP および gRPC ストリーミングをサポート。
- 60 分までリクエストタイムアウトをサポート。(15 分以上のタイムアウトはベータ版)
- コンテナインスタンスをシャットダウンする必要があるときに、SIGTERM シグナルを受け取るようになり、コンテナがシャットダウンされるまでの間、最大 10 秒間 CPU を割り当てる。
- Cloud Run サービスへのリクエストのトレースを自動的に Cloud Trace に取り込む。
- レイテンシーやコールドスタートの低減を必要とするサービスのために、ウォームスタートのコンテナインスタンスの最小数を指定可能。
- Cloud Run サービスで Eventarc を使ったトリガー設定。(パブリックプレビュー版)
- Cloud Run のコンテナインスタンスが最大 250 の同時リクエストを処理可能。(デフォルトは 80)
まとめ
Cloud Run の 2020 年アップデート内容をおさらいしました。
Cloud Run は GKE(Google Kubernetes Engine) より学習コストが低く、実装しやすいと思っていましたが、コンソール画面の操作で CI/CD の設定ができたり、ローカルの YAML ファイルからデプロイができるようになったので、さらに開発しやすくなった感じがします。
コンテナインスタンスに割り当てられる CPU、メモリが増加し、同時リクエスト数が増加したため、より大規模なアプリケーションに対応できるようになりました。
2021 年上半期には、IAP や Secret Manager, CMEK などアクセス制御やシークレット管理といった機能がパブリックプレビュー版として提供されています。一般提供(GA)になったらより使いやすくなりそうですね!
執筆者:takoyaki
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