IT モダナイゼーションとは?種類、メリット、実現するためのポイントまで徹底解説!

IT モダナイゼーションとは?種類、メリット、実現するためのポイントまで徹底解説!

IT モダナイゼーションという言葉をご存知でしょうか?老朽化した自社の IT 資産を最新のものに刷新することであり、現在 IT モダナイゼーションの重要性は年々高まっています。

近年、様々なシーンで IT が活用されており、もはや IT は社会インフラの一部と化しています。企業が市場競争を生き残るためには IT の活用が必要不可欠ですが、中には古い IT 資産をそのまま利用している企業も存在し、これでは生産性向上を実現することはできません。

このような状況を打破するための考え方が IT モダナイゼーションです。古い IT システムを刷新することで、企業は様々なメリットを享受できます。本記事では、 IT モダナイゼーションの基礎的な知識から、市場背景、種類、メリット、実現するためのポイントまで、一挙にご紹介します。

IT モダナイゼーションとは?

IT モダナイゼーションは「 IT ( Information Technology ):情報技術」と「モダナイゼーション( Modernization ):近代化」という2つの英単語を組み合わせた言葉であり、自社の古くなった IT 資産を新しいものに刷新することを意味しています。

ここでいう IT 資産とは、 PC やスマートフォンなどの端末、サーバー、プリンター、ネットワーク機器、システム、ソフトウェアなどを指しており、ここで挙げた以外にも企業活動に必要なあらゆる資産を意味する言葉として使われています。

これらの IT 資産は時間の経過とともに老朽化するため、そのまま使い続けた場合、様々な問題が発生します。そのため、 IT モダナイゼーションによって IT 資産の刷新を行い、企業経営を継続するための基盤を整備する必要があります。

IT モダナイゼーションが注目されている背景

現在、 IT モダナイゼーションは多くの企業から注目されています。その大きな理由として、社会全体の急速な IT 化が挙げられます。現代社会では、業種や規模を問わずにあらゆるビジネスシーンで IT が活用されており、もはや IT は社会インフラの一部と化しています。

また、近年では AI (人工知能)IoT などに代表される新しい IT が続々と登場しています。その結果、自社の生産性向上を実現するためには、様々な変化に対応できる柔軟な経営が求められるようになりました。老朽化した IT 資産では、多様化するニーズへの対応が困難なケースも多いため、 IT モダナイゼーションにより IT 資産の刷新を行う企業が増えているというわけです。

IT モダナイゼーションが必要なのは一部の企業に限った話ではなく、経済産業省が社会全体に向けて広く注意喚起を行っています。企業で利用されている既存システムが「老朽化・複雑化・肥大化・ブラックボックス化」することで、多様化するビジネスモデルに対応できなくなり、企業同士の競争力が低下した結果、多額の経済損失をもたらすとされています。

2018年に経済産業省が発表したレポートによると、2025年は企業の IT システムに大きな変化が起こる年だと予想されており、何も対策を行わない場合は企業の競争力が著しく低下すると言われています。その結果、最大で12兆円もの経済損失が発生する可能性が叫ばれており、これが「2025年の崖」と呼ばれている問題です。

このように、古い IT 資産を使い続けることは大きなリスクであり、企業は一刻も早い IT モダナイゼーションの実現を迫られています。

「2025年の崖」については、以下の記事で詳しく解説しています。
【知らないとマズイ】2025年の崖とは?DXの推進にはクラウド化が必要不可欠!

IT モダナイゼーションの種類

リプレイス

リプレイスとは、既存環境を完全に新しい環境へ移行する手法です。まったく新しいシステムやサービスを利用するため、一定のコストが発生しますが、環境をガラッと変えることができるので、抜本的な IT モダナイゼーションを行いたい場合には最適な方法であると言えます。

リライト

リライトとは、既存環境を構築している開発言語などを新しい開発言語に置き換えて、再利用する手法です。既存の機能や仕様を大きく変更する必要がないため、リプレイスよりもコストを抑えられるというメリットがあります。「 COBOL 」から「 Java 」への移行などがリライトの代表的な例になります。

リホスト

リホストとは、サーバーなどの IT インフラを刷新する際に、仮想化技術を活用して IT モダナイゼーションを行う手法です。機器の保守切れにも柔軟に対応可能であり、コストも低いためオススメの方法となっています。近年では、リホストを実現するための手段として、クラウドサービスが利用されるケースが増えています。

IT モダナイゼーションを行うメリット

生産性向上を実現できる

古い IT 資産を使い続けた場合、機能面やデータの処理速度など、あらゆる観点から多くの問題が発生し、業務効率が低下します。特にサーバーやシステムは実業務に直接関係する部分であり、社員の生産性に直結します。

IT モダナイゼーションを行うことで、自社の IT 資産を刷新でき、新しいシステムを利用可能になります。最新システムは高機能なものが多いため、様々な業務を効率化でき、結果として自社の生産性向上を実現できます。

セキュリティレベルを高められる

昨今の IT の発展に伴い、企業データを狙うサイバー攻撃も高度化かつ多様化しています。従来の古いシステムではセキュリティが弱いケースも多いため、場合によっては重大なセキュリティ事故につながるリスクも存在します。

IT モダナイゼーションでシステムを新しくすれば、最新のセキュリティツールなどを利用できるため、サイバー攻撃への対策を強化できます。このように、自社のセキュリティ向上を実現できる点も IT モダナイゼーションの大きなメリットになります。

BCP (事業継続計画)の充実につながる

BCP とは「 Business Continuity Plan 」という言葉を略したものであり、日本語では「事業継続計画」と表現されています。自然災害やセキュリティ事故などの有事の際に備えて、事業を継続するための方法や体制を事前に決めておくことが BCP の基本的な考え方です。

古いシステムはオンプレミスで運用されていることが多く、自然災害などでサーバーがダウンしたら事業継続が困難になります。 IT モダナイゼーションを行うことで、最新技術を活用した柔軟な IT インフラを整備でき、有事の際でも安心して対応することが可能になります。

最近では、 IT モダナイゼーション実現のためにクラウドを利用するケースが増えていますが、クラウドを活用することで障害発生時の自社対応が不要になるほか、サーバーの運用工数を削減できるなど、様々なメリットがあります。

BCP対策に関して理解を深めたい方は以下の記事をご覧ください。

オンプレよりも安全?クラウドがBCP対策に選ばれる理由とは

IT モダナイゼーションを実現するためのポイント

具体的なゴール・戦略を策定する

経営戦略が抽象的なままでは IT モダナイゼーションを実現することはできません。自社が目指すべきゴールを明確にして、逆算思考で具体的な戦略を策定していく必要があります。

ゴールと戦略が明確になれば、あとはスケジュールを立ててプロセスを具体化していくだけです。はじめの構想が成否を分けますので、妥協せずにじっくりと検討してください。

既存の IT システムを見える化する

効率的な IT システムへシフトするためには、現在の既存システムを理解することが大切です。そのため、自社で利用しているシステムを見える化するところから始めてください。自社における IT 資産の現状分析を行ない、目的や機能に合わせたシステム変革が求められます。

変化に対応できるシステム環境を整備する

IT モダナイゼーションを実現するためには、急速に変化する時代についていくための柔軟なシステム環境を整備する必要があります。構築スピードやスケール、柔軟性などを考えると、システム構築はオンプレミスよりもクラウドがオススメです。自社の現状や目指すべきゴールを踏まえて、多様化する消費者ニーズや働き方に対応できるようなシステムを検討してください。

オンプレミスとクラウドの違いについては、以下の記事に詳しく記載しています。
オンプレミスとクラウドの違いとは?メリット&デメリット、移行の注意点も解説

クラウド活用でハードウェアライフサイクルと決別する

オンプレミスをクラウド化するメリットは多数存在しますが、 IT モダナイゼーションを実現するために最も効果的なのが「ハードウェアライフサイクルとの決別」です。

IT 資産を自社で保有するオンプレミスでは、ハードウェア故障を前提とした運用が必要であり、定期的にハードウェアのリプレイスコストも発生します。これらが会社の IT 予算を圧迫し、多くの IT 担当者はこのハードウェアライフサイクルの呪縛に頭を悩ませています。

オンプレミス運用においては、システム構造がブラックボックス化し、自社による修正・機能拡張ができなくなる点が本質的な問題です。そして、その状況下でも運用を続けざるを得ずに保守費用が増え続けてしまい、同時にノウハウが属人化することで引き継ぎが困難になります。加えて、ビジネス環境に応じたシステム変更も困難になり、完全に負のスパイラルに陥ってしまいます。

このような課題をクラウドが解決します。ハードウェアライフサイクルに関わるコストは、外部ベンダーに支払うサービス利用料のみです。さらにハードウェアの保守にかかる工数を削減できるため、IT人材の稼働を確保できると同時に、他の生産性の高い業務にリソースを集中することが可能になります。

オンプレとクラウドの会計処理や税務処理に関して理解を深めたい方は以下の記事がオススメです。

クラウドとオンプレミスの減価償却と会計処理・税務処理について

3大クラウド間の比較をした記事をご覧いただき、自社に最適なクラウドを選択する指針としていただければと思います。

大手クラウドサービス3社の違いとは? Google Cloud ( GCP ) 、 AWS 、 Azure の特徴を比較!

3大クラウドAWS、Azure、Google Cloud ( GCP )の機能を比較したら見えてきたサービスごとの違いと特徴とは?

まとめ

本記事では、 IT モダナイゼーションの基礎的な知識から、注目されている背景、メリット、実現するためのポイントまで、一挙にご紹介しました。

IT 化が加速している現代において、古い IT 資産を使い続けていては企業成長を実現することはできません。変化する社会に適合するため、 IT モダナイゼーションでシステムを刷新し、柔軟かつ磐石な経営基盤を構築する必要があります。

IT モダナイゼーションを実現するには、いくつかのポイントが存在しますが、オススメはクラウドサービスの活用です。クラウドならではのサービス特性により、企業は様々なメリットを享受できます。

せっかくクラウドを導入するのであれば、弊社トップゲートとしては、 Google が提供する Google Cloud ( GCP )がオススメです。 Google Cloud ( GCP )には、生産性向上やセキュリティ強化など、企業にとって嬉しいポイントが多数存在します。

Google Cloud ( GCP )がおすすめの理由は以下の記事をご確認ください。

大手クラウドサービス3社の違いとは? Google Cloud ( GCP ) 、 AWS 、 Azure の特徴を比較!

3大クラウドAWS、Azure、Google Cloud ( GCP )の機能を比較したら見えてきたサービスごとの違いと特徴とは?



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